技師先生に付いて蔵を廻る
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節分も終わっていよいよ大吟醸の仕込みも佳境に入るかという時期、蔵の外は外でイベントだの、蔵へ見学に来たい、寄りたいの、あるいは販売先のイベントに参加する、という日程調整や手配が続いています。最近は、蔵と別棟に資料館があってよかったと思うことが増えてきました。蔵を製造に集中させるためにも役立つということがわかってきたからです。
地元のホテルで組合が後援するイベントがあります。
パンフレットをPDF化して掲載します。
表面
裏面
何というかな、各社それぞれ特徴があるというか。
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大吟醸の仕込みのシーズンで、蔵に入るには気をつかう時期です。蔵元くらいしか来訪者の応対もできません。チーズ協会の方がワイン関係のお仕事の方が和歌山へ旅行に来られたので、いっしょに蔵を訪ねてくれました。時節柄使い捨てのヘッドカバーとオーバーシューズを付けていただきます。これはナイスな装備で、最近はこれを装着してから、手を洗って蔵に入っていただきます。
チーズさんの行事を紹介すると、利きチーズみたいなものもあるそうで、これはワインに凝ると派生する分野らしく、「チーズの旬を知ろう」というイベントの案内をいただきました。
東京の方はワインスクールか。
皆さん日本酒には理解があり、純米酒が好きだということです。で、クエを食べに串本までいらっしゃる。うらやましいなぁ。
それにしても、食生活が洋風をベースに多様化していて、ワインやチーズといった洋のフィールドで食文化の活動をされている方が、場面場面で日本酒を挟み込むような形で接点をもっているのが現代なんだなと感じました。清酒に関心を持って下さる方は他の酒類・食品にも関心が高いのです。文化的関心の中でもシェアがあるということです。
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林業関係の講演会を聴きに行った。その時の講師というのが「日本に健全な森をつくり直す委員会」のメンバーで養老孟司先生を委員長にかついでいる。民主党の政策決定に影響力ありと自負され、話の大筋と方向は理解できたが、それが実行されるのか、またその動きが広がるのかどうか。
つまり、充分日本の木は育ってきたから、作業道をどんどん造って、皆伐を止めて間伐をどんどんやって、所有者の施業地の取りまとめもすすめて広域で出材量を揃えようということらしい。もちろん製材、乾燥、合板・集成材工場の大型化効率化も当然必要だという。モデル地区を作るとか、路網整備と施業集約化は結構だけど、ヨーロッパの大型機械導入というのはどうなんだろう。
それよりも「森林・林業再生プラン」とか「林業再生最後の挑戦」とか、みんな再生という語を使っているんだけど、これは暗黙のうちに一回死んだと認めている言い方で、死んでしまって最後の挑戦とは矛盾していないかと読んだときから思っている。
会場では、素材業者さんが最近はただのような値で買えるとおっしゃていた。立木も入れて。市場で価格が成立しないとき、株で言えば気配値だけで値を下げていくという状態のときがある。上場などしていない土地だと個別性が強いからだいたいどれもそういう状態なのだが、1件取引がまとまると、それがシグナルになって「相場」ができる。それも周りに知られるのに時間がかかったり、特別な事情で影響を与えなかったり、知られなかったりで、「事情」に影響され、非常に不確定で情報の非対称性も強い。ましなのは大規模分譲住宅地やマンション、というところだが、今の地方の宅地などまさに気配値で切り下げているところだ。
さらに別格、最もキツイ状態にあるのが、山林、それも宅地等に転用される可能性皆無の純山林だ。まさに気配値で、どうせ山なんか無価値だという所までとうとう来た。一度業界ごと破綻した、という現状認識をまず共有しないといかんのじゃないかと思った。素材生産業者が採算の合う値で山林を買うのは合理的だが、捨て値が一回できるとそれが相場になる。捨て値がなぜ出てくるかというと、既存の債務の償還要求が厳しいか、実勢に比べて高すぎる資産評価で不当過重な納税に迫られたからで、こういう金融面からの見直しが必要と思われる。宅地なら競売で売れるが、山で一斉に処理することもかなうまい。需要がないところに処理圧力をかけても無理だし、まして皆で換金に走れば、洪水や国土荒廃を引き起こす。
環境への貢献、債権者の責任分担という言い訳はモラルハザードを招くと言うなら、投げ売りに出ないような猶予措置と引き替えに、新しい政策とやらの集団施業に協力させるというあたりが、いいと思ったが。林地や立木の評価の見直も、専門家の立場からも求めていくことになる。
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前からあったから新名所とは言えないだろうけど、挨拶回りと担当者の引き合わせで、久しぶりに田辺方面、白浜温泉まで行きました。「とれとれ市場」というのは、南紀堅田漁協が経営する一大みやげものセンターというよりも総合観光センターに近く、駐車場が広大で、田辺市と白浜温泉を結ぶ幹線県道沿い、温泉への入口を扼するという立地もあって、バスなら必ず寄る先のように言われています。最近また敷地の広さを活かして、裏の丘の上に温泉を作り、県道向かいにコテージ群も建設、さらに回転寿司まで建設中となって、「圧倒的じゃないか」というムードになっていました。
地酒コーナーもきちんとした店づくりになっていて、みやげもの屋という感じではありません。観光地のこういう核店舗も珍しいな、と全国を風来する私には感じられます。北陸や草津でもあるのはあるが、ちょっと性格が違う気がします。あまり言及できませんが、常に拡充していくのも大変だなと感心して帰りました。
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申し訳ないながら会社勤めは続けられなかった。これについてはともかく、勤め終えた先輩方には深い敬意を払いたい。以降、蔵元をやって酒業界渡世の中で、同好会の幹事やらでどうも電気関係のOBさん達とお会いすることが多いと思うんだが何か関係があるんだろうか。週末、梅田のリッツカールトン・ホテルで酒とは無関係な業界の懇親会の鏡開きは知ってる蔵のものだった。日曜、またキタの新地で酒の利き酒会に出向き、お会いした方と話してみると、退職後そこの蔵で製造を手伝ったということで、まだカメラに残していた画像をお見せして盛り上がった。
氏によればまったく関係ない分野をやってみたかったということだった。数字と論理で緊張した仕事だったろうから、ファジーな感覚的な面もある世界に興味をもたれたのかもしれない。緊張をほぐすためアフターで酒を嗜まれる人も多いのかもしれない。自分が見るところでは、けっこう理屈の積み上げの部分もあるから、そう適当で感覚的なばかりではないが、いわゆる企業の世界から見れば、前近代的なこと甚だしいから、そう見られてもしかたがないだろう。とは言え、ネット販売などで見ると、けっこうスペックやデータである程度語られ選ばれる部分もあって、案外ネットで売られている。米の品種と精米歩合だけで酒の味がわかれば苦労はないが、酸度とか日本酒度とか、けっこう数値で表現されている。もしかしたらワインよりも数字を多用しているようだ。おかげでややオタクな世界とも相性良く、一般でシェアを落としているにもかかわらず、ちょっとオタクな若いファンも多数お目にかかれるようになっている。ネットで味や香りが伝わるわけもないが、数字の裏にある部分も読み込もうという熱烈なファンが、真剣に取り組むようになった地酒専門店からネットで買うようになってきている。けっこうITやハイテクな分野と相性がいいのかもしれない。
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試しに軟水を紀伊の山中深く源流からタンク1車取り寄せてみた。届けに来た人と話してみたかったが、11時に来られると聞いてその頃見に行ったら、「10時頃お年寄り一人で来られてもうタンクに入れて帰られました。」とさ。さすがに水だと容量を正確にはかるでもないから手間もかからなかったんだろう。事前に成分検査はしている。自社の蔵井戸と比較してみると違いは歴然、リン酸は30数分の1、カリウム15分の1、クロール4分の1近く、全硬度CaO mg/dl 1.7は6.7の、これも4分の1近い。吟醸で試すが、さて。
出て行くと圧搾機の状況をメーカーが見に来てくれている。ストレーサーといってもろみ中のゴミや石が取れるという機械というか器具も設置しているが、効果も確かめる。カバーの抗菌処理でカビは生えにくくなったとか何とかで、細かい所で技術改良は続いているわけだ。いい方に利用したい。
今日も利き酒会にでかけねばならない。やはり蔵内のことは専任者にまかせざるを得ないし、その規模くらいはほしいと思った。
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