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2006年7月31日 (月)

付加価値の創造

7/30(日)目黒・雅叙園で日本酒フェスティバル2006に参加してきた。主催は川島酒縁の会・日本酒伝承の会、協力は燗酒普及協会。参加蔵元は59、出品のみが33。入場者数約800(伝聞)。入場料は前売7000円、当日9000円であった。何より小さな蔵元も参加しやすいシステムでありがたかったが、主催の方と話していると、ボランティアに近い運営で、ちょっと恐れ入ってしまった。

会場での活動も毎度ながら修行で有意義であったが、隣が上喜元(山形)さんでうれしかったことくらいくらいしか書かない。今回は藏に入っている代司を連れて研修させたのも意味は大きい。しかし、この日一番感動したのはある有名飲食店さんの懇親会での自己紹介だった。

飲食店はサービス業だから付加価値を創造しなくてはならない。日本酒は扱いは難しいがそのチャンスはある。つまり仕入れるだけでなく、味を吟味してわざと貯蔵したりして提供し、顧客へのサービスと満足を追求しているということであった。常日頃、この業界の人達の逞しさには敬服するが、銘酒居酒屋の著名なお店ともなれば経営姿勢も並ではない。せいぜい顧客への地酒についての藏、酒、飲み方の情報提供、というか蘊蓄を付加価値とし、仕入れた酒はできるだけ痛めず冷蔵に気を配るところまでが、守備範囲だろうと私も思っていたが、さらに仕入れた状態を高めることを心がけている人もいるのであった。藏ではとてもできることでもなく、出荷から消費されるまでの品質の安定、注文に対する安定供給も品質のうちと考えれば、せいぜい販売先の選定や無理な販売拡大をしない程度の心がけになってしまう。日本酒は痛みやすく扱いにくいからチャンスがあるという発想こそ賞賛されるべきで、彼に言わしむれば、焼酎は痛まないから、仕入れにくいアイテムを仕入れた所で付加価値の創造は終わってしまうというようなことだった。

他のビジネスを考える場合でも、付加価値が産み出しにくい部分もあるが、新たな発想と努力でそれを産み出すべく考えなければならない、そういう教訓と私は受け取った。

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2006年7月23日 (日)

一心(明石)&鳴門

 7/20(木)~21(金)にかけて、兵庫県明石市でイベント参加してきた。今年は、居酒屋「一心」さんが会場である。JR大久保駅から北の方向でそう遠くない?。だから人に車に乗せてもらうのはあまり好きではない。自分で訪ねて行ってこそ、周囲の環境や街の雰囲気などがより理解できるし、だいいち場所をよく覚えられる。          さすがに、地酒を楽しむ会をやるだけのことがあって酒・焼酎の種類も多いが、いかにも修行してきました、という感じの店主の増田さんは、てきぱきしており酒と料理の双方に神経が行き届いていて好感の持てるお店だった。しょっちゅう行けるエリアではないので、せめてブログに書いて記録する。〒674-0051明石市大久保町大窪243-4永田ビル1F 078-935-2788 (木)休み。さて、兵庫県など酒の仕事で行くことは昔は考えもしなかった。灘はあるは、その他地域も広大で藏も多い。和歌山の酒など売る日は来ないだろうと、平成初年当時には決めつけていたのである。こうして10数年いやもう20年近くたつと、何やら各所で引き合いをいただき、またこうしてお呼びもかかるようになったし、えらく力を入れて売ってくれる販売店も出てきてくれた。本当にありがたいことだ。ただ最初に無造作に出荷した経過の後でやや問題となる部分もでているが、経験上、多少整合性のない、攪乱要素があった方が地域全体の出荷にはいいというのは、販売店に悪いであろうか。そしてお客様は「山田錦」のふるさと播州に近接し、多少の米のことは知っているし、灘の背後地であるから、どこかの藏となにがしかの関係のある人も多い地域なので、なかなか説明での言い回しが微妙に難しい所である。とは言えまぁ何とかなってしまうのが毎度のことだ。反省会を明石市では地酒の情報源的居酒屋「鳴門」まで移動。こっちはJR明石駅の南側広場から少し路地を入った所で、まさに銘酒居酒屋のカテゴリーそのままのお店である。078-913-2051。1年ぶりの無沙汰を詫び、随分深夜までそう飲まなかったが遊ばせていただいた。近くにうまい「玉子焼き」の店があるのでこれも一度は行きたいものである。明石では、たこ焼きのことをこう呼ぶ。だしにつけて食するふんわりした「たこ焼き」は玉子を随分入れているので、黄色くやや海綿状で、いかにもだしに入れるとよくなじみそうな名物である。他所ではそういうタイプのたこ焼きは「明石焼き」とも呼ぶのだが。なにせ蛸の産地で有名すぎる。帰りは大阪を少し廻ってから20060715_001 帰った。

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2006年7月18日 (火)

気楽な旅

7/13-14と金沢へ行ってきた。北陸というのは私にとってはとても気楽な所だ。福井にはわずかに出荷があるが石川と富山は販売先がない、つまり営業上どうでもいい地域である。酒米の契約栽培だの関係で福井と富山は行くことはあったが。中小企業団体の勉強会に参加したのだが、同じ分科会での雑談で得られたのは北陸ではなく他地域での有効情報であった。北陸、新潟となると太平洋側の後進県では参考にならない話が多い。ある当地区大手が全量純米化した影響なのか、有名ホテルでの懇親会のセットされた酒が失礼ながらあまり聞かない、といっても当社よりは大きいのだろうが、アル添中吟だった。参加者はあまり日本酒は飲まない。ワインの方が多く手に取られている。そう言えば洋酒も飲まれないようになった。1次会での状況ではビールで乾杯、あとはあまり飲むと2次会で飲めなくなるので低アルコールのものにするかウーロン茶かである。私もビールはトイレに行きたくなるので避ける。立場上日本酒はチェックを入れるが、たしかに北陸とは言えこうした場でNBの普通酒や本醸造以下のものはでなくなった。その地域での純米以上から選ぶ、これが基本である。少しずつ進歩はしているのだ。

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2006年7月10日 (月)

ききじょこは自分で

金曜、土曜と東京を廻ってきた。ある銘酒居酒屋で納入している小売店さんに当社契約社員も交えて呑んだわけだが。居酒屋の酒の提供の仕方はかなりバラエティーに富み、1オーダーで出される量もまちまちである。客、呑み屋、小売、藏と登場人物は4者でそれぞれ思惑は違うが酒好きは共通である。

 藏は自分のブランドをどちらかと言えば安く、安定的に売ってほしい。小売も店の価格設定は安い方が繁盛しやすいと普通考えるが、安いから店が必ずはやるというほど世の中甘くはない、。また小売は自分が納入する銘柄群を増やしてほしいか独占したい傾向にある。そして当然藏も小売も居酒屋が繁盛してほしいのは同じである。そして居酒屋はサービス業だから当然上手に高い単価で売れることを願う。酒に力点を置く居酒屋でマニアや上級ファンを対象にしているのであれば、銘柄は多数おきたいので常に入れ替えられる傾向にあり、旬のこだわったアイテムを自由に選んで仕入れたがる。つまり複数の小売からピックアップしたがるのだ。もちろん絞った銘柄を安定的に売りたい店も多い。料理に主眼がある店は酒は無難な銘柄にとどめてしまう。業態は無数で誰かが暗黒大陸とか言っていたくらいだ。川下へ行くほど戦略の多様性は爆発的に増える。そして飲み手は安い設定の方がいいに決まっているが、当然料理、サービス、雰囲気、立地と選択ポイントは変わるし、特定の銘柄の固定ファンなら、あまり銘柄がころころ変わる所は好まない。

 という背景の中で、小量のグラスで売るなり、昔風の利き猪口でだしたり、徳利やガラス製のボトルとさまざまな提供のされ方になる。寂しい話だが相当目分量も正確になってしまった。以前はどの店はどの銘柄という棲み分けだか陣取合戦の世界で、看板、酒燗器、徳利、猪口とすべてメーカーの協賛だった。まだ普通の居酒屋ではあることにはある話だが、どんどんそのやり方は減りつつある。また銘酒居酒屋とファンに認められたいなら、それでは相手にされない。過渡期的に特定銘柄のマークが入った利き猪口、グラスで提供されていた例も多かったが、最近は自分で買ったか、もらったかは別で無印のグラスが圧倒的になった。そしてこの日のお店では、底に蛇の目の入った利き酒大会等で使う利き猪口(当然宇平ではないが)に店名を横へ焼き込んだもので、これは一つの到達点である。相当数作らないといけないはずなので、意気込みが伝わってくる。Img_21642

 

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2006年7月 3日 (月)

米の種類での味の違い

7/1(土)、都内某所で25人程度の参加者への講師を担当。テーマは米の種類と酒の味の特徴であった。山田錦、雄町、五百万石、美山錦のそれぞれ精米歩合50%の純米吟醸を利き酒しながら特徴について語るという、ちょっと無理のあるテーマでお題をいただいていたので、最初にお酒の香味に影響を与える各要素にどのようなものがあるかを、縷々並べた。米、水、人、設備、気候、酵母、仕込み規模、醸造法、それぞれの細目、例えば米でも、米種、産地、等級と、数え上げればきりがないが、それらを統合して経営姿勢とかブランドが成り立っていることを力説。でなければ、同じ藏のものでない米の種類の異なる純米吟醸では、感じた違いを何に求めるのか、明確にはならない。一般に言われていることと、だいたいのイメージをお話したが、さて参加者はどう思われただろうか。

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