付加価値の創造
7/30(日)目黒・雅叙園で日本酒フェスティバル2006に参加してきた。主催は川島酒縁の会・日本酒伝承の会、協力は燗酒普及協会。参加蔵元は59、出品のみが33。入場者数約800(伝聞)。入場料は前売7000円、当日9000円であった。何より小さな蔵元も参加しやすいシステムでありがたかったが、主催の方と話していると、ボランティアに近い運営で、ちょっと恐れ入ってしまった。
会場での活動も毎度ながら修行で有意義であったが、隣が上喜元(山形)さんでうれしかったことくらいくらいしか書かない。今回は藏に入っている代司を連れて研修させたのも意味は大きい。しかし、この日一番感動したのはある有名飲食店さんの懇親会での自己紹介だった。
飲食店はサービス業だから付加価値を創造しなくてはならない。日本酒は扱いは難しいがそのチャンスはある。つまり仕入れるだけでなく、味を吟味してわざと貯蔵したりして提供し、顧客へのサービスと満足を追求しているということであった。常日頃、この業界の人達の逞しさには敬服するが、銘酒居酒屋の著名なお店ともなれば経営姿勢も並ではない。せいぜい顧客への地酒についての藏、酒、飲み方の情報提供、というか蘊蓄を付加価値とし、仕入れた酒はできるだけ痛めず冷蔵に気を配るところまでが、守備範囲だろうと私も思っていたが、さらに仕入れた状態を高めることを心がけている人もいるのであった。藏ではとてもできることでもなく、出荷から消費されるまでの品質の安定、注文に対する安定供給も品質のうちと考えれば、せいぜい販売先の選定や無理な販売拡大をしない程度の心がけになってしまう。日本酒は痛みやすく扱いにくいからチャンスがあるという発想こそ賞賛されるべきで、彼に言わしむれば、焼酎は痛まないから、仕入れにくいアイテムを仕入れた所で付加価値の創造は終わってしまうというようなことだった。
他のビジネスを考える場合でも、付加価値が産み出しにくい部分もあるが、新たな発想と努力でそれを産み出すべく考えなければならない、そういう教訓と私は受け取った。
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コメント
はじめての書き込みです。
30日のイベントに、そんなにすばらしい料飲店の方が
観えていたとは。。 私も行けばよかったです。
ちょっと提言すると、ブログ記事のような対応が出来る
料飲店は、金銭的・立地的・リッチ的に対応可能な
条件が揃ったとしても、よっぽど、興味や愛がなければ
実現は困難でしょうね。
となると、やはり蔵元も、熟成商材の商品化に本腰を入れ
て、記事にある料飲店までもいかなくても、類似の提案が
出来る料飲店を育てることも必要でしょう。。
蔵が吟味することよりも、料飲店が吟味することに付加価値
を見出す点が、来店客の固定化に役立つんでしょうが・・・・・。
でも、こういった地方銘酒の付加価値は、蔵元がもっともっと
主張&啓蒙してほしいですね。長期低温熟成酒は通常品の
2割増の高価価格で商品化しても良いとも考察します。
高価にしながら、一層の啓蒙・・・・
難しいですが、チャレンジしてほしいです。
投稿: 呑人 | 2006年7月31日 (月) 15時47分