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2006年9月10日 (日)

ぬる燗とは何か

Img_2968 あまり酒通には見えない彼が、急にぬる燗を希望したので、私は驚いた。それとなく、なぜかをさぐったが、特に一部の雑誌や、特定の酒屋の影響はなさそうなので、一般の人も少しは燗酒、それも「ぬる燗」が飲みやすく、酔い覚めもいいということに気がついているのではないかと、少し希望をもてた。もちろん、私は冷酒だ、燗だにはこだわないが。それにしても、「ぬる燗」を希望して出てきた酒は、どう見ても日向燗(灘の酒用語集によれば30度程度)で、人肌燗(同35度程度)にもなっていないようだった。きっと徳利は冷えた状態だったうえに、急いで出したようだ。「ぬる燗」というと、灘の酒用語集では従来40度から45度くらいのものをいうが、平成6年頃より40度近辺の酒ということになった、とされる。一体平成6年頃に何があったのだろう。酒造業界がその時期そんな議論をしていたとは聞いていなかった。あまり通ぶって細かい用語を作るから敬遠されるのか、細かい違いを追求して違いをわかり使いこなすのが文化なのか、少し考えさせられるが、対消費者への情報戦略としては、あまり細かいのはいかがかと思う。45度前後以下は広い意味での「ぬる燗」でよかろう。

大ベテランの業界関係者が言うには、燗すれば少しはアルコールも飛ぶ(蒸発する)から酔いが抑えられるそうだし、科学的にも沸点が水より低いエチルアルコールは50度程度でもかなり蒸発するだろうとは、私でも想像はつく。さらに香気成分(カプロン酸エチル、酢酸イソアミル等の吟醸香のもと)も蒸発するから、高い酒を燗するのはもったいないという意見にもつながる。

おもしろいのはある漫画家が、燗酒でイベントをすれば平均飲酒量が増えるということを指摘していることだ。清酒の消費量を増やすために燗酒を勧めるということでもないだろうが、国税局が言い出したらそれは、そういう動機も入っている可能性がある。

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