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2006年9月18日 (月)

大阪酒塾 第2回

大阪酒塾が開講して2回目の会合となった。懇親会はこれもすごい所だが、「たこ茶屋」さん(曾根崎新地1-11-19 北新地スタービル6F 06-6341-6300)。尾垣淳治さんは、科学的な酒の化学物質解明を国税の鑑定官とか醸造学者以外の分野から取り組むことを提唱されている。一般消費者も対象にした酒の会で聞ける話のレベルなら日本一、とうとう本ちゃんの科学者(薬学博士)が酒に入っている化学物質から香味を追求し始めたわけだ。これが東京でなく大阪から、ということで私がどれだけ業界の将来に希望を回復できたことか。こういう理由でどう感じるという説明が合理的で説得性があった。

糖分、エキス分、酸、香味成分、どれを取っても1.8L瓶の中の酒という液体の中に、何という化学物質がどれだけの量が入っているのかなど、充分明かになどされてこなかった。酸で言えば中和して酸の総量を推定するというアプローチである。思うに官庁・大学とも酒税の確保、産業行政の観点であったから、生産量至上主義の時代背景もあって、酒に含まれた香味物質の詳細な正体を徹底的に解明する方向には行かなかったのであろうか。共同投資してコンピューターを活用して分析することを提案されていたが、ちょっとまだ私にはそこまでの必要性が飲み込めなかった。

そういう氏に今日の私がした質問は、添加される醸造アルコールと、純米酒で自然に発酵して製成されるアルコール分は、同じエチルアルコールなのかということだ。水にクラスターがあるごとく、蒸留していないエチルアルコールも鎖状につながったりしていないのか、という疑問があった。こういう質問をした場合、得られる答えが今までとは違っている。C2H5OHのOのねじれがNMRで分析できるが、純米のは重なっているのではないですか、という回答であった。焼酎、醸造アルコールでも熟成するとその部分で分子が重なってくる。水分子が入り込んでくるのか、水和するのか、エチルアルコールどおしで重なるのか、理解しきれなかったが、要は熟成とは水和に近い、というようなことで、文系の私には、また途方もない分野が目の前に開かれてきたように思われた。つまり純米酒のアルコールは分子が重なっていて体へのショックが柔らかいということだ。

NMRとは、核スピンから生じる核磁化を利用して、分子の運動の様子や原子核の間の距離と角度を調べよう、という道具らしいが、製薬会社にいらっしゃるので800メガのNMRが使えるとか、自分で作った低クラスター水を飲んでいるから酒が残らない、とかおよそこれまで聞いたような話ではなかった。

酒については、心情的、文化的嗜好品の世界で、基本的には「お遊び」「息抜き」のテーマである。やれ器の形で酒の味が変わるの(変わって感じるのは正しいがそれだけでは無理がある)、しっかり造った生酒は常温で保管しても濁らないとか、そう言う「オイオイ」というような話も、それはそれでいいと片付けられるのだが、こういう科学的合理性のある真剣なアプローチが酒の香味になされることが、また一般への啓発に役立つことだろう。これからも氏の科学的な酒の講釈に期待しよう。Img_3054

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コメント

私好みの話でした。
こんどその先生に、
アルコールの質の差による二日酔いというか、
肝臓分解、酵素との関連性なども聞いてみてください。
それと記事中のクラスター水。
商品化できないんですかねえ(笑)。

投稿: 合氣堂 | 2006年9月19日 (火) 09時49分

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