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2006年11月10日 (金)

柿渋

神戸で醸造用資材規格協議会セミナーに出席してきました。演題はどれもレベルの高いものであったが、ひとつだけ書くと「柿渋」について初めて知ることが多くうれしかった。柿渋は滓下げに使う自然の清澄剤として伝統的に使用されてきたが、どうやって作るのかなど知らなかったから、私もまだまだ半人前なのだ。主成分が柿タンニンという植物ポリフェノールで、柿でも完全渋柿の部類のものを搾り、その汁を自然発酵させ、加熱殺菌のうえ熟成、貯蔵して出来る。製造用材であり食品添加物ではないから、酒には残さないが、酵素タンパクを取り除き、混濁の防止、「テリやサエ」の向上、「生ヒネ」の抑制の効果がある。京都府南部の山間地、和束町にある岩本亀太郎商店さんという老舗社長の発表だった。研究熱心な方で臭いを取るため、限外濾過でタンニンだけを分離して無臭化し、住宅関係の用途も開発されている。

そうこう言ううちに地元の山田錦が入荷。かつらぎ町天野地区のものである。丹生津姫神社近くの4人の栽培農家からのもので、標高400m以上の高原盆地で寒暖差が大きく、和歌山では良質の米産地として知られる。どうも蔵周辺とは気候・雰囲気が違うようだが、県産米の使用比率を上げる方針なので、これでまた一歩前進したことになる。 Img_4355

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