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2007年1月22日 (月)

乳酸

酒母をつくる時「乳酸」を使用しますが、原材料に表示しないのは何故ですか?という高度な?質問がありました。ここで回答しておくと、UFAQ(非高頻度質問及び回答)としてサイトネタになります。

加工助剤として表示義務なしとされます。一般に乳酸を添加しない生もと系酒母(といっても添加する場合が多いらしいが)と比較して清酒中に残存する乳酸の量に差が認められないから、とされます。

加工助剤の定義として、1.最終食品として包装される前に食品から除去されるもの(濾過助剤、おり下げ剤等が該当)、2.食品に通常存在する成分に変えられ、食品中に天然に存在するその成分の量を有意に増加させないもの、3.最終食品に極わずかなレベルでしか存在せず、その食品に何ら影響を及ぼさないもの、があげられ、乳酸は2に該当となります。

速醸もとづくりでは、通常汲み水100リットル当たり790-900グラムを添加するとあり、純米用100㎏(こうじ30㎏、蒸し米70㎏)もとで、170リットルの汲み水と約1㎏の乳酸が使用されています。乳酸は20㎏入のポリエチレン製容器で90%水溶液として納入されています。1㎏当たり675円程度です。Img_5911

普通の速醸なら仕込当初より、高温糖化もとなら52度程度で仕込み8時間程度保温の後40度程度になったところで添加するようです。PHを調整し酸性環境を作って目的とする酵母を増殖させるのですが、本仕込み後も平行複発酵であるため、糖化、発酵が行われるなかで、当初使用された乳酸も幾分は分解したり新たに発生したりするようで必ずしもそのまま残るようでもないらしいのですが、発酵タンクの中の化学反応はすべて解明されているわけでもないのでおおよその説明しかできません。

どうも生もと系酒母では使用しないのが普通ということで、PR材料として強調された可能性があります。悪いとは言いませんが、好みの問題と思われます。

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2007年1月18日 (木)

3等以上しか使えません

語呂合わせが動機だったかもしれない、美山錦を美山村で作るというストーリーは今年で11年続いている。和歌山県もやっと去年から山田錦が指定品種になり、和歌山県には酒造好適米は栽培されていないという事態は解消されたのだが、栽培の難易度や台風リスク等で美山錦を当社が清水町とここで、割高にもかかわらず続けてきたことが、米穀業者や他の酒造会社を動かし、先進県とは格差が大きいながらも、最悪を脱したことに貢献できたことは、少々酒が売れることよりもはるかに誇りにできることであったと、自負している。

 今日は、より長期にこの関係を維持できるようにするため、等級格差をきちん価格に出して、3等にならないものの発生を極力抑えるように要請、説明をしに、美山村のJA紀州中央の美山支所までやってきたのだ。農家やJA職員は、酒造好適米とか3等パスした米でないと、純米酒等の特定名称酒に使用できないという基準は知らない。逆に私は、検査基準は全国統一であることは知らなかった。検査員は免許を取ったうえで、月1,2回の講習を受けたうえでその年毎の試験を受け、合格した者がその年の検査に従事できるという仕組である。整粒度や芯白出現度等でランク分けするのだが、直接話を聞くとやはり知らないことがわかるもので、やっと去年の米の精算が済む安堵感よりも、そういうことが聞けたことがうれしい。契約栽培をやる限り、できた米は全量引き取らねばならない。ということは通常、自家精米で製造する限りは全量純米というわけにはいかない。なぜなら等外品も引き取らざるを得ず、普通酒も作らねばならないからだ。純米醸造100%なら、純米などとラベルに書かずに、シラットして、原材料が米・米こうじの普通酒(純米醸造)を造ることで実現可能である。地産地消にもいろいろ障害があるのである。写真は近所の椿山ダム、かつては筏流しが盛んだった日高川に大きなダムが築かれている。Img_5743 深い緑のダム湖ではカヌーも楽しめる。これに沿った国道が山間で和歌山県を斜めに縦断する重要な幹線となっており、紀北と熊野を最短時間で結んでいる。

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2007年1月 4日 (木)

松尾大社

お酒の神様と言えば、日本では松尾大社に三輪大社、梅宮大社の三大社がだいだいの大本のようです。各蔵どうされているのかはわかりませんが、私の場合は、松尾大社様へ毎年とにかく詣ることにしている。1月下旬になってしまうこともあるが、今年は3日に詣でることができた。各県等に分祀もあるようだが、とにかくこれだけはやることにしている。「今年も継続できましたと御礼をし、事故のないことと、良い酒ができることを乞い願い奉る。」信心のおかげで、鑑評会に入ることも長期に亘りこれなく、適度な焦燥感と向上心を持続させながら、新年を迎えることができた。なお拝殿の脇に酒造用具の資料館もあるので、ぜひ立ち寄られることをお薦めする。

  Img_5287

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2007年1月 1日 (月)

元旦散歩1万歩

明けましておめでとうございます。蔵は杜氏と代司、あと1名の3名が当番で残り、交替で休みを取っている状態です。店は5日まで休みで、6日出てきてまた8,9とまた休みで、瓶場の倉庫には書けないほどしか製品はない状態です。カップをきらしてだいぶ小言を言われたけど本当にないのです。その代わり相当な数量の既に洗われた状態で買う1升瓶(洗い瓶)とか新瓶が積まれていて、年明け早々瓶詰めの準備がされています。繁忙期に回収瓶を使うと事故のもとだという私の判断は絶対正しかった。蔵の横にある売店は資料館の受付や利き酒場になっているが、こちらは4日から営業となります。

つまりその気になると休みなどないが、私の方は4日から動かざるを得ないこともあって、今日は墓参りと散歩して初詣と決めたのですが。

 地元の某八幡宮の宮司さんが年末に飲酒運転で捕まった影響なのか、たどり着いたお宮は毎年近所の酒造会社の樽開きと振る舞い酒をしていたけど、「最近の情勢により取りやめになりました」と大書してある。まるでとうとう日本海で北朝鮮と交戦状態に入りましたみたいな表現だった。屠蘇を飲んだら徒歩で初詣か。それに比べれば我が氏神など細い路地奥の山の上だから歩いて参る氏子が圧倒的で、大晦日の午後11時半から大祓して零時に参拝の良き習慣の私にとっては、振る舞いの御神酒をいただいて、家へ帰って寝るというのが当たり前で、やめてもらっては困るし車の必要もない。

 せっかく飲酒運転根絶ということになったのだから、生活圏を大幅に徒歩圏に縮小すれば、かえって地域の活性化とかにつながるんじゃないかと思った元旦だった。その方が地産地消、身土不二、コンパクトシティーとかエコとか、そうCO2の排出削減とか何とかの時代の流れに沿うパターンではないか。

 結局万歩計を見ると約1万歩で帰ってきたが、途中屋根のうえのアオサギが泣くのを聞いて、あああの鳥は嘴を開かず喉を鳴らして鳴くのだ、と車で移動しては出会えないものに出会い気づくことができました。これからは堂々朝からお屠蘇を飲んで徒歩で初詣をお薦めしたい。Img_52682

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