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2007年5月30日 (水)

研修会

今日は紀州南部ロイヤルホテル様御一行の蔵見学をアテンドした。Img_8342 南部湾北側に突き出た目津崎の丘のうえに大和リゾート株式会社が紀南観光に対応して進出されている。「黒潮」という和食レストラン関係の方達で、こういう地酒蔵を見ていただくのは、現場でお酒を説明していただくのにすごく有益だし、若い人が多いので、将来の業界のためにもなろうかと、酒販店の紹介があればスケジュールを優先してご案内するようにしている。何のかんの言って特に純米酒以上のいわゆるまともな酒についての理解は相当広がってきている感じだ。これが紙パックとかまで含めた「清酒」全体の低迷から、業界全体が将来性がないという言われ方になるのが不満ではあるが、しだいに変わって行くだろうと、私は冷静に見ている。

売れなければ造れないのだから。売れるものを造るようになっていくのだ。

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2007年5月26日 (土)

芽出たい

紀の川市北中まで往復50㎞を自転車で走った。最近の自転車は性能が良くなったのがまず。ライトの付け方が悪いのが次。そしてやっぱり遠い。少々の坂道に自動車は影響されないかよく分かった。逆に人力だと、重力がわずかでも味方してくれるか邪魔するかで速度、疲労が全然違うなという、にわかエコ者の感想だった。先月蒔いた黒米が無事発芽していた。Img_8279大きくなってから田植えする方法らしく、6月17日(日)を予定しているそうで参加予定である。近くで見るとなるほど稲らしいが、まるで雑草みたいで、さすが無農薬の陸稲である。

ほとんど手伝えていなかったが、庭に石釜も完成していた。これも次の懇親会で何か焼けたものが食べられるだろう。

6月23日が何か大きな祝典になりそうだ。興味のある人は和歌山エコビレッジさんへ。ヤギも喜んでいそうだった。Img_8283

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2007年5月23日 (水)

おまめ飲食店

 引き続き、「おまめ」のなれ寿司である。こちらは「おまめ飲食店」というのが正しい呼び方で、古くからで親は配達してもらっている老舗である。たしかに覗いて見ると食堂風で客席もあるが、飲みに行った記憶もない。とにかく寿司を買いに行くと、目の前で杉桶から漬け込んだ寿司を出して紙の箱へ入れてくれる。県の優良土産品に入り、地方送りもいたしますとは書いているが、繁華街への出店やサイトは開設していない。食感はこちらの方がもちもちした感じである。Img_8262

 

ここの店は日方の電車通りから少し栄通りに向いて入った所にあって、他所から来た人にはわかりにくい。戦前までは栄通りが海南でもっとも繁華な商店街だった。そこから今市通り、藤白神社に続く名高と街道沿いに商店が続いていたのだ。路面電車が和歌山市から開通して、県道として電車通りができ商店は力のある所から表通りに出て行った。さらに駅前に広がっていた紡績工場を再開発して駅前商店街「一番街」ができ、ちょうど高度成長期の頃で大型店の出店もあり、さらに商業の中心は移動した。今度はモータリゼーションの進行で、路面電車や野上電車は廃線となり、さらに外側の幹線国道沿いに大型の商業店舗がどんどんできていった。あるいは遠方の大型ショッピングセンターに顧客を吸収された結果、一番街からは大型店も撤退、衰退傾向は明かとなり、元の電車通りは「生活道路」という都合の良い呼び方の、ただの通り道になってしまった。栄通りや今市通りはアーケードも外してほぼ住宅街になってしまっている。特に栄通りは通りに面したシャッターがきれいに残っているので、これはこれで感動ものの眺めではある。Img_8254_1

「なれずし おまめ」と書いたパッケージに「栄通り」とあるのは、誇らしい遠い街の記憶なのだ。わずかに残った文具屋、粉屋、この寿司屋は知った先だし、外部で活躍している商売人も元はこの通りに店があったり、今は自宅にしている。寿司のことを書いているのか何だかわからなくなったが、街というのは生き物で、動き回りもするし年も取るということだ。もちろん再生もあるだろう。

なお、いきなり行って必ず買える保証はない。

TEL 073-482-2339 海南市日方269 

 

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2007年5月22日 (火)

おまめ寿司部

 昨日の続きで、さっそく当地早なれ寿司の紹介に入ろう。JR海南駅は西側が広場で駅正面となるが、その前を南北に元の県道、今は国道370号が通っている。昔はチンチン電車が走る、「電車通り」と通称されていたメインストリートだったところだ。浜田省吾の歌にある「マネー」に出てくる田舎の街の情景そのまんまであるが、交通通過経路と化し、もとの第2地銀の支店は自動車学校が買い取り宿泊施設化している。ジモピーの我々が「銀座すし」「ずぼら焼き」「ヴァンサンカン」「カワ」だの目標に立ち寄りやすくなったのがせめてもの救いだ。夕方車が並んでいるのは、塾へ子供を迎えにくる親達である。これを、30mも北へ歩くと、「おまめ寿司部」が西向きに面している。けっこう新しそうな建物であるが。

 JR和歌山駅前店も構え、ネットで直販もされている。商品も、青魚三昧やあなご、めはり寿司など、結構バラエティーに富む。買いやすく紹介しやすいのだが、和歌山駅と区別するため海南本店と書いてあるページがあって、「料飲店」と間違うもとともなった。徒歩1分だから海南駅で時間の余った方は立ち寄られてはいかがだろう。正式には「有限会社紀州笹葉寿司おまめ」である。

所在地としては、〒642-0032 和歌山県海南市名高555-5

TEL 073-484-5033  FAX 073-483-6930

Img_8249_3

 

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2007年5月21日 (月)

早なれ寿司

 地酒たるもの地元の食との関わりは欠かせない。雑誌とかの取材でも、御社のお酒にあう地元の食を紹介してください、と必ず聞いてくる。ところが地元というのもは概して外から見るよりどろどろしていて、窮屈なことも多いのだ。最近も鯖のはやなれ寿司を紹介するのに、親戚どおしだが店名はほとんど同じというのを、別の方の電話番号で掲載してしまった。家族でも好みは違うし立地その他で買いやすさだのこれまでの付き合いだので違う店のことを考えてしまうのもこちらとしたはしかたがないことではあった。「あそこの電話何番だった?」などと社内で聞いたのが失敗の原因だった。指摘されて訂正記事を書いてもらったりする手間は、地元の食品を好意で紹介することなど煩わしいと思わせるのに充分なものだった。こんどから地元にろくな食い物はないと言おうか。しかしそこは頑張る、これが大切だ。

海南市といっても昔の海部郷、紀北の海岸沿い地方である。紀州全般に言われることだが、ローカル加工食品とは塩を使った保存食、調味料となる。梅干、醤油は有名だが、金山寺味噌、そしてバラエティーに富む紀州名産の寿司である。小鯛寿司、またはちゃりこ寿司、鯖の本なれ寿司、はやなれ寿司、紀南の方のめはり寿司。だいたいがにぎりではなく、押し寿司である。そして喫食頻度が最も多いのは、やはり鯖の、それもはやなれ寿司であろう。これは各家庭で漬けられることも多い、紀州のソウルフードである。プロのお店が知ってるだけでも各町に1,2店挙げられる。これはある意味街の顔でもある。

和歌山ラーメンを食べに入ると必ず鯖寿司(早なれ)が、こちらは略式なので、ビニール製の笹の葉をのせてまたラップして各テーブルに置いてある。待ってる間に食べるのが作法だなどと書いた雑誌があった。本ちゃんは、あせ笹の葉に巻かれて杉の桶に入れて漬けてあるのよ。 Img_8252_2 必ずのせられているしょうがの質も違う。笹葉の香りと殺菌力が酢と砂糖を加えられた飯と相まって、野趣のある風味が、当社の純米酒「黒牛」の酸味とかにとにかく合う。きれいな淡麗辛口ではなく酸味とか幅のある純米酒くらいがいい。

 しばらく、寿司シリーズになるかもしれない。順次公平に紹介していけば怒られなくて済むだろう。

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2007年5月 9日 (水)

油圧圧搾機メーカーのデモ

 昭和47年導入のヤブタA型を修理、運用の工夫で毎年多額の費用を計上しながら使いつづけていると、B型発展タイプの濾板デモにメーカーさんが訪問してくれた。B型に進化したのはだいぶ前らしいが、それはアルミ製の枠だったようで、ゴムを使わなくなったことが取りあえず売りとされた。ゴム臭が着きやすいからと、地酒専門店が酷評した材料だった。これが平成11年にポリプロピレン製の枠となり、より清潔感と耐薬品性が高まりましたという。説明を聞くと、清酒だけでなく幅広い用途に利用されているようで、そういう必要性もでているようだ。アルミ製の枠1枚が32㎏からPOPになって19㎏となり扱いやすく痛みにくくなったということだ。中古でいいだろという意見も聞いているが、今のところ中古の枠はアルミはだろう。それより吟醸用とか滓酒がとれるやつとか考えてほしいものだ。

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2007年5月 8日 (火)

偏平精米

 今日は精米機会社の代理店が来訪。偏平精米と原形精米の話になった。米粒は球形ではなくラグビーボールを腹から踏んで平らにしたような形状であることは皆さん知っての通りである。米の内部に行けばいくほどタンパク成分は少なく、きれいな酒を造ろうとすれば米の芯で酒を造ればよいとされる。表面からまんべんなく同じ厚さに削るのが原形精米、一方米粒の長軸方向には厚く、胴廻りの短軸方向には薄く削ろうとするのが偏平精米である。米粒の内部の形状から、偏平に精米すればあまり削らなくともタンパク含有率の低い白米が得られるが、某資料によれば10%から15%精米歩合が高く(米が黒く)とも同等のタンパク質含有率となるとされるのだ。

 遠心力の作用から、米粒がすいた状態で精米室を高速に回転させるほど、遠心力の関係から長軸が回転軸と垂直に近い方向に倒れ精米機のロール室内で回転する傾向となり、長軸端部がより削られる結果となりがちなので、原形精米となる。一方米粒がより密な状態で精米機の回転数を低速にすれば、重力と粒密度を高めるため米粒は長軸を鉛直方向にする傾向となり結果として胴回りがよく削られ、偏平精米となる。ならば皆そうすればいいと思われるだろうが、回転数を遅くしないと胴割れしやすいという問題がある。

 ということで、モーター回転数をインバーター調整で遅くして、アンペア数を上げ、米を精米室に閉じこめる力を強め、シャッターの開きを下げる(精米室に米を多く入れる)ことにより、結果的に長時間かけて削ることで、偏平精米に調整するということである。60%に精米するのに75時間というデータも見せていただく。これは丁寧に原形精米する場合の3倍以上である。あまり米を磨かなくても酒がきれいになる反面、精米スケジュールとか電気代、人件費の問題もあって、定着運用している蔵はごくわずからしい。精米機が余っているとかの場合にしか機械運用上試せないという外に、原形精米でも最高品温を抑えるとか言いようもあるし、精米歩合が黒くても精米の仕方がいいから云々、というのは説得材料に乏しいきらいがあるのだろう。同じ精米歩合まで削れとしか言われないとか、極わずかのマニアにしか言ってもわからないネタなら、精白を白くしたらいいし、そうでないと精米が間に合わなくなるのだ。ワンガリ・マサイ提唱の「もったいない」運動はすばらしいことだし、低い精白歩合を宣伝材料として何が何でも磨きたおして、良い酒だとする思潮は変わってきているのはけっこうなことである。高精米歩合の燗酒向き清酒などよくやってくれたと私がいいたくなるくらいである。とは言え、今日までの何人かの説明を聞いた私は、無理に偏平精米を実施して、それを宣伝文句にしようとは思えなかった。

 

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2007年5月 4日 (金)

滓下げ

清酒には酵素が残るのだが主に糖化酵素だという。麹が生成するが、これが火入れで熱のために不溶性の微粒子に変わり、それが貯蔵中に凝集してやがて肉眼でも酒が白く濁るまで成長してしまうことが稀に起こるのだが、これを「白ぼけ」という。火落ちと間違われやすいがすっぱくはならない。しかしクレームのもとであり、瓶詰め前に滓下げを行うのが正しい手順である。また生酒には各種の酵素が残存しそれがブドウ糖やアミノ酸を増加させて酒のキレを悪くする。また生ヒネ香の原因物質(イソバレルアルデヒト)なども増加させるので、滓下げである程度防止できる。

 で柿渋ゼラチン法を代表として、清酒中のタンパク質と柿渋に含まれるタンニンを結合させ、さらにゼラチンなどのタンパク質を加えて、凝集した粒子を大きくさせ沈降させるのだ。最近はBSE問題もあって牛由来でないゼラチンにたいてい切り替えているが、結構コロイド適定値や滓下げ剤の添加バランスを確かめるのが難しく、予備試験をしてから実施する。失敗して瓶詰めの日程が遅れることもある。これは冬の間酒造に従事しない、瓶詰め場の者が担当の仕事であったが、最近は春になると寄ってたかってやるようになった。力価や適定という化学の実験的な仕事なので、几帳面にやればできるはずだが、それなりに経験も必要なようである。Img_7982

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無農薬古代米(黒米)の種まき

 今年は米を本格的にやるぞ、とか周囲に広言していると、種まきしますからね、とエコビレッジの高橋君からお誘いをいただいた。5/3の晴天、爽快な20度台の午後、無農薬古代米(黒米)を種まきするのに参加した。苗畑へ蒔くので、これは陸稲の一種なんだろう。20mほどの畝を1本半ばかりだが、数えると8、9人掛かりで3時間かかった。。地面を鍬で削って雑草の種を除け、少し鍬を入れて表面を柔らかくしたら、こんどはそれをならす。種を蒔くのはいいが一粒毎に2㎝間隔に空けるのが大変な手作業だった。上から雑草の種のない掘り出した土を薄くかぶせてまたならす。竹を割ってまげて支柱を作りビニールシートでカバーをして、水をまく。

 参加者はたいてい若い有機農法に関心のある人だった。聞いてみると、ウーフという有機農場とかで働いてみたい人を登録紹介するシステムでやってこられた人達だったが、そんなものがあるとは私など知るよしもなかった。そういう意味でも勉強になる1日だった。

 こちらは酒造好適米を買い付けに各地を廻る者だが、そのうち有機米の酒もやる日が来るだろうが、とにかく米をよく知るのは必要なことだと思っている。Img_8061

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2007年5月 3日 (木)

大阪国際空港(伊丹空港)

Img_80482 大阪にも多くの地酒専門店があるが、伊丹の空港で結構地酒が売られているのをご存じだろうか。北ターミナルの2F出発ロビーに「空港銘醸蔵」という店名で、空港運営会社が酒販売店をいわば直営して、近畿の清酒に限定して扱っている。去年からだが、やっと挨拶に伺わせていただく。常時30銘柄を取り揃えた「自動利き酒マシン」による有料試飲(お猪口一杯100円)も楽しむことができる。

 連休前でお客さんが帰省の手みやげだろうか結構まとめて買っていらっしゃった。黒牛も置いていただいており恐縮する。また入口の軒先には有限会社伸交興産製の酒林が懸けられており、聞けば灘のメーカーさんからの紹介とのこと。当社なり和歌山の木工業者が一部でも裏方として関与できたことを、密かに喜んだ。

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2007年5月 1日 (火)

ただ今 火入れ中

Img_8046 季節の蔵人は帰ってしまったが、残された社員の製造部員は休暇に入る前に片付けることがある。これは特注品の瓶燗火入れをしているところだが、社員に都会の専門店の要求水準の厳しさを理解させようということで、朝からごく少量を半切り桶で数百本だけ処理しているのだが、すべてのアイテムのレベルアップを優先させたい蔵元としてはどうも気乗りがしない工程ではあるのだ。

 一般には清酒を火入れと呼ぶ工程で、摂氏60から70度に加熱することで、酵母菌、火落菌その他の乳酸菌を殺菌し、残留酵素を失活させる。タンク止まり63度10分維持が望ましいのであるが、香味、特に香り成分の飛散を抑えるため、瓶に生詰後湯に入れることで加熱し、今度は冷水に浸けて急冷する。初めは軽く栓を口に乗せておき、50度になったら密栓し、65度になったら取り出して冷却する。たしかに高級酒はそれでいいが、蔵全体の品質向上を優先したい所である。いずれ急冷設備もラインに付設することになろうが、加熱はプレートヒーターで理屈上品質差はないし、制御温度の正確さからも、詰口後急冷をめざす方針なのだ。

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