滓下げ
清酒には酵素が残るのだが主に糖化酵素だという。麹が生成するが、これが火入れで熱のために不溶性の微粒子に変わり、それが貯蔵中に凝集してやがて肉眼でも酒が白く濁るまで成長してしまうことが稀に起こるのだが、これを「白ぼけ」という。火落ちと間違われやすいがすっぱくはならない。しかしクレームのもとであり、瓶詰め前に滓下げを行うのが正しい手順である。また生酒には各種の酵素が残存しそれがブドウ糖やアミノ酸を増加させて酒のキレを悪くする。また生ヒネ香の原因物質(イソバレルアルデヒト)なども増加させるので、滓下げである程度防止できる。
で柿渋ゼラチン法を代表として、清酒中のタンパク質と柿渋に含まれるタンニンを結合させ、さらにゼラチンなどのタンパク質を加えて、凝集した粒子を大きくさせ沈降させるのだ。最近はBSE問題もあって牛由来でないゼラチンにたいてい切り替えているが、結構コロイド適定値や滓下げ剤の添加バランスを確かめるのが難しく、予備試験をしてから実施する。失敗して瓶詰めの日程が遅れることもある。これは冬の間酒造に従事しない、瓶詰め場の者が担当の仕事であったが、最近は春になると寄ってたかってやるようになった。力価や適定という化学の実験的な仕事なので、几帳面にやればできるはずだが、それなりに経験も必要なようである。
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