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2007年7月28日 (土)

夏こそ燗酒?

出張帰りに紀の川市の高橋農場に寄る。古代米は50-70㎝まで伸びているが、苗が足らなくて植え込んだ普通の品種とで1枚の田にはっきりしたコントラストをつけていた。Img_9184_2 何せ色素で葉まで黒い。石釜の屋根張りを少し手伝わせていただく。酒について話せということで、かなり広範なテーマでできるだけ簡単にお話したつもりだが、やや朦朧ぎみだった。暑い夏の日に酒について考えると、「夏こそ燗酒」 のキャッチフレーズを思い出してしまう。昨夜は東京で「黒牛」の燗酒を指定して飲んだのは事実だが、どういう論理と根拠で夏こそ燗酒になったのか、もっとオープンにした方がいいだろう。甘さがなじむからなら冬でも同じではないか。冷たいビールで腹が下がるよりは、ぬる燗の純米酒で酔い過ぎない(体温より少し高い温度がアルコールの吸収速度が最速)方が特だとか、夏は脱水症状が出やすいが、ビールは摂取した以上に利尿作用により、かえって水分を失う。「和らぎ水」(要はお冷や)を横に置いてぬる燗でやる方が、水分を失う度合いは少ない。とかである。通人の仲間内での盛り上がりにせぬよう、PRするべきだろう。Img_9183

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2007年7月22日 (日)

新宿区荒木町

7/21(土)昼間、何社かお得意先を回って、夕方単身のりこんだのが、新宿からだいぶ東へ外れた界隈の荒木町である。丸の内線は四谷三丁目で降りて北へ少し降りていくと、杉大門通りとか、柳新道通りとか、風俗はないが飲食店が集中した地区に入っていく。今日は、そう開店して古くもない地酒居酒屋「酒音」さんを訪問した。あまり説明とかは必要なかったようで資料を用意したのは無駄だったかもしれない。Img_9052

マスターの斉藤氏によれば、荒木町だけで500軒の飲食店があるそうな。こちらでは、定期的に蔵元に参加してもらうミニイベントを開店後続けていらっしゃる。周囲のラーメン屋などでは、つけ麺がややブームのようだが、もう飲んでからラーメンを食べたい年でもない。事務所や賃貸マンションなんかも混ざっていて、けっこうきれいな建物も多い印象がある。新宿通りと靖国通りに挟まれたこのエリアも知名度が上がってくることを期待しよう。

日本酒BAR 酒音 (ニホンシュバー・サカオト) 

  • 新宿区荒木町8-3  クレスト四谷 1F
  • 03-6231-9366 
  • PM7-AM5、すごいね。

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    2007年7月18日 (水)

    名杜氏の謦咳に接する

    7/16に「常きげん」鹿野酒造杜氏の農口尚彦氏の講演を拝聴する。主催は大阪酒塾というか、酒好会とかいろいろの共催のようだった。道頓堀ホテルは難波の北西はずれで歓楽街のまっぱだ中、隣はニュージャパン、西の方はホテルだらけというシチュエーション、5,60名は参加していたが、聞く方もよほどか熱心な地酒ファンである。製造に携わる若手が10人くらいは各蔵から参加していたが、いわゆる蔵元というのは私くらいで、ちと場違いだったかと反省してもしかたがないから、終始黙って飲むことにする。

     山廃を学ばれた経緯やご苦労、心構えや大まかな製造上の注意など、熱心かつ丁寧にお話いただけた。さすがに能登杜氏で四天王と呼ばれ現代の名工に選ばれた方だけに、質実で研究熱心な努力家であることが感じられた。

     技術的な所は会場で理解できた者はほとんどいないだろうし、私などは、自分が聞くよりはましだろうと、社員を連れてきたのだが。山廃は伝統技術だと位置づけられているが、これから生もと系に取り組むつもりの製造関係者はどういうアプローチをしていくか自体をこうした機会から考えていくことになる。

     低温の水麹の中で酵母を増殖させていくためには、もと麹はヒネた、旨味や糖のある麹でないといけないという。掛け麹は酵素力価重視でよろしい。しかし水麹が4度で蒸し米は21度、仕込みは10度とだいたい工程毎の温度は目途を持たれているのが印象的だ。つまり地方、蔵が違えば工程が変わることも意味する。

     断片的だがノートの一部を書いておこう。5度まで温度を下げたところで暖気操作に入る。100㎏もとなら20㎏の暖気を入れるが、アルミ暖気なら75度の湯を入れたものを、2時間入れておいて1日の分解量を分析する。ボーメ15.5で酸度3.3を何故か強調される。そこで720ml3本程度まで増殖させた酵母を添加。13日でこの条件を作る。以下、あるポイントでブレーキをかけて水暖気を入れて、とか実作業に携わる者でないと聞いてもまるでわからないことを丁寧に話される。これは製造担当者が参加していることを意識されているからで、私の場合では細かなことはわからないから、1ヶ月枯らしても使えるとか、きちんと作った山廃の酒は酸と味のバランスが良く、喉につかえないとか、特徴をつかむことに集中した。酵母自体に耐アルコール特性を持たせてから使うということらしい。

     しかしよく聞いていると山廃は酒好きの酒だと思う。歴史的には、労働の酒という背景があったようだ。きつい農作業に耐えた後、カップ1杯で空腹でも、つまみがなくとも飲めて、体に染みこむ、酔える酒というコンセプトなのである。文化的背景というものを農口氏の体験から感じられたのがすばらしかった。都市生活を送る地酒ファンでも、地酒を深く愛する者で山廃の伝統技術に耽溺する者は多い。しかし、それだけに技術習得は難しく、良さを引き出した製品を造るのは非常に難しいという印象を受けた。

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    2007年7月16日 (月)

    はたして生もとが終着点か

    14日にディープな酒関係者の来訪をいただく。いろいろ話は出たが、さて、「日本酒に凝りだしたら終点は生もと(きもと)か」というテーマが自分にとっては宿題になった。香り華やかな大吟醸から、旨味のある純米系へ、そして燗酒、最後に生もと、と言う遍歴を経た経験者がいるそうな。はたしてそんなディープなのめり込み方をする者がどれだけ居て、そこへ照準を合わせるべきものなのかどうか。

    日本酒など飲まないという者に少しは嗜んでもらう努力が優先だろうし、そんなマニアのプロセスが正しいかどうかは別として、そのこだわり進化のプロセスのどこに焦点を合わせるかも各者違いがあってよかろうと思う。

    ただしマニアの声は大きい。とくに狭くなった土俵の中では、イベントに出てくる人間はどこへ行っても同じという傾向も出てくる。そういう頻繁に地酒のイベントに出てくる人は、よほど全国各地の蔵の酒を文化や歴史的な面から知りたいと思っているのでなければ、そういうマニアであるから、市場が影響を受けないわけがない。

    純米酒の比率も少しは高くなってきたとは言え、大部分はアル添、それも液化仕込みのパック製品が主流という現状の中では、「まともな」日本酒への取り込みが、純米きもとの燗酒ではないのは明かであろう。先鋭的な部分に特化する蔵もあってしかるべきだが、市場全体を見渡して、自社のポジションを探るしかない。しかし準備はしなければならない。一旦構えてしまうと蔵の中の配置等難しい問題が多い。きもとは場所とタンクが多く必要なのだ。

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    2007年7月 1日 (日)

    ジェノベーゼ

    田植えから2週間、すくすく育つ黒米だが、観葉植物のように見えた。Img_88412 葉の色が濃い。暑さをだいぶ感じるようになって、エコ系の会議となると扇風機も使うかどうかくらいなので、頭がぼーっとしてしまう。米市農園君にジェノベーゼ用の容器を紹介した縁で1本売ってもらった。参謀にマクロビオテック料理をしている人が付いているからかもしれないが、バジルなどこの紀の川沿いの台地で栽培しているのは知らなかった。「イタリア・リグリア州のジェノバ(Genova)県うまれのソースで、 バジルペーストに、松の実、チーズ、オリーブオイルなどを加えたもの」。ジェノバ近郊の地方か。バジルといっても、まぁ紫蘇みたいなもんやね、と取りあえず片付けてしまう。

    食も旅行も世界化した。選択の幅が広がるのは結構だが、選択される方は避けているつもりでも競争に巻き込まれている。取りあえず作れそうなものは、スパゲッティー、ピザ、ガーリック=トースト、貝類に付ける、トーストに塗る、といったところか。日本酒は何にでも合う。KEEP YOUR FAITH、酒は残るよ。

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