« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »

2007年8月30日 (木)

酒粕市場の急変

古くは酒粕も高価であり、杜氏達の冬の人件費が、酒粕と糠の売却金で支払えたということである。それは戦前から終戦後の混乱期の事だろうとは思う。高度成長後、食生活の変化で粕需要が低下する中で粕の引取値は低落の一途をたどり、平成に入る頃には、産業廃棄物のように扱われるようになった。処理費用削減のため、乾燥粉末化する機械を売りにきたことがある。その後清酒生産量も減る中で、突如大変化が起こる。経済酒は米を蒸さずに煮込んで酵素を添加する液化仕込みが大規模蔵で普及し、そのやり方では酒粕が発生しないため、酒粕の供給が激減したのである。価格はどんどん上昇し、漬物屋は逆に粕確保に苦しむことになった。

長く苦しめられてきた清酒メーカーがわずかに強気になれる領域を見つけたため、価格をつり上げたり、スポットで高値売却に応じる蔵も出た。地方の中小蔵にすれば、やれやれと思ったことだろう。

しかし小売価格まで上がり過ぎたうえ、まがいものまで一部出回ったため、春頃から急に消費者の需要もさらに離れ、かき集めていた粕商社が一転買い入れを停止、在庫に悩まされることとなった。

また価格を下げて売ることになるのだが、要は消費者の信頼をどうするかである。経済環境は急変する、いいケーススタディーになった。長期の取引先は大事にするべきとは、こういう時の話なのだ。Img_06392

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月29日 (水)

お米の前渡金

農業の世界は他の産業従事者から見てブラックボックスに近い。隣接する米を使った食品の清酒製造家から見ても、どうなっているのか正直わからないことだらけである。販売が今年から自由化したと聞いてもどこがどう自由化したのかなど、中間マージンを取って蔵元に米を売りに来る米屋から聞いて断片的に知っていくしかない。商談の合間の雑談など講義ではないから、限られた機会で知識をつぎはぎしていくことになる。

 今日は米代の前渡金の話だ。農家は4月に種籾を配布されると、農協に米を納めるという条件で、過去3年平均入札価格の80~90%の前払い金を受け取るようだ。これは、他へ売らないということで、代金を一部先渡ししてくれるわけだ。自由化とはどこへ売ってもいいかわり、契約しておかないと引き取ってくれないということらしい。当然と言えば当然なのだが、こと米となるとこれまでそうではなかった。直前3年間の入札平均価格の80-90%というのは、かなりの水準だが、全農の自信を示しているのだそうだ。100円のものを秋に買うからと言って春に80円前払いするか?。種籾は1㎏1000円ほどらしいが、粗植であれば60g1箱×20箱で1反の田に充てる。1反1200gなら1200円じゃないか。厚蒔きであれば200g×25箱に及ぶというから5㎏、5000円。1坪40株から120株程度まで、米も蒔き方も品種、圃場、栽培方針によって採用する粗密があるようだ。値下がりした米だが、1反10俵とれたとして手取り13500円×10俵=135000円のうち、種籾代としては4000円としても、わずか3%である。実際は苗床にしたものを買えばもっと高いだろうが。もちろん肥料、消毒、機械損料で大変なのは百も承知のうえでのことであるが。

 米という字を分解して「八、十、八」と書くについて、「88のお百姓さんの手間がかかっている」と昔教わったが、1本の苗から88本に分蘖(ぶんけつ)するという意味だそうな。つまり1粒の種籾から88本の穂が出て、それぞれ80~120粒実がなるとすると、88×120=10560粒となり、うまくいけば一粒万倍は嘘ではないということだ。「一粒万倍日」ってそういうことだったのか。

 しかし、1㎏1000円なら、俵6万。反8俵なら48万。ならばみんな種籾を作るだろうと思うはずで、JAは毎年種子更新するというから種籾農家のなり手は多いだろうと思ったが、異品種が交じらない環境、手入れ、いい登熟にもっていく腕とかが必要で、誰もがなれるわけでもないそうだ。 今日はこれくらいにして、この秋の買付の話に入る。圃場訪問の約束をした。Img_2685

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月28日 (火)

急げペンキ屋

まともな工場ではおそらくすべてフォークリフトが製品その他のすべてを運ぶのだろう。しかしここの荷造りやラベル貼りの場所では、部署社員が少量のものは床を引きずり、押してすべらせている。おかげで薄めのグリーン色の床はモルタルがすぐに剥きだしになってくるから、数年に一度は塗り直さないといけなくなる。剥げるとコンテナがすべらないのだ。1日塗って、1日乾かすとなると、土日でやるしかない。夏の間にやってくれといったのに、もう9月ではないか。シーズンに入ると土曜も営業の週ばかりになる。急いでくれ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月21日 (火)

機械屋さんと話す

1日中、断続的に機械屋さんの訪問を受ける。夏の間、というよりはもう9月も近づくと製造準備に入ってくる。キャップ屋というか缶詰機メーカーさんも、デザイン瓶を売り込む時代で、さぞや資材業者さんも競合が大変だろう。熱交換機は緊急の修理で2日ほど瓶詰めが遅れた。腹も立つがしかたがない。原理はシンプルでも制御が電子部品で15年もたつと2世代前のもので、代品を探すのも大変らしい。瓶燗器に精米機、やりたいことを全部やったら確実に倒産である。どうも呑気な業界なので、売り手も買い手も情報が得られればいいやくらいの気持ちの人が多い。そんな世間離れした仕返しを製品を市場に出すときに精算させられるのだが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月17日 (金)

ありがたいお節介

Kuroushi20070807s 税務署長名で、市販酒類の品質評価と成分分析が送られてきた。平成19年1月から2月の間に酒類販売場から買い上げた市販酒類について、大阪国税局鑑定官室において、2月27日から3月2日の間に評価、分析したそうだ。新酒鑑評会よりも、こちらの方が分析数値とかがあって輸出なんかの時に役立つ。まだまだというのはわかるし、コメント内容で気にする点も多い。しかし特徴を説明するのにも役立つ。香りは高めだが、吟醸香がするという指摘が多い。味は濃くもなく薄くもないが、旨味やなめらかさを感じ取られている。中口でやや甘い目という感じだ。Kuroushi20070817

| | コメント (0) | トラックバック (0)

お盆は暑い

それにしても暑い。最高気温のニュースを聞くと、少々北や東に逃げても日本は涼しくならないのだと悟るしかない。フェーン現象は和歌山にはないよね。これは釧路あたりに蔵を移すしか100年先まで残る方法はないのかとか、悩んでしまう日々です。

高野山の裏まで、山林関係のことで出かけたが、あそこであれだけ暑いのでは、さぞや下界はうだっているだろうと思った。

まぁ暑すぎれば、人類や産業も衰え、温暖化も収まるかなと勝手なことを山中で考えていた。

Img_92262_2

←自分ちの山には違いはないが、なんだか熱帯みたいに感じるのも温暖化のせいか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 7日 (火)

呑み切りに想う

今日は呑み切りである。だいたい8月になる前に、貯蔵しているタンクからサンプルを抽出して利き酒をするのがどこの蔵でも慣行である。熟成度合い、品質の検討、火落菌(一種の乳酸菌で酒を腐敗させる)汚染のチェックが目的となる。通例県技師、杜氏、蔵元が立ち会うが、最近は社員から熱心な得意先まで参加を希望するので、まず技師先生が利いてから、順次杜氏、蔵元、と利いていく。最後に先生の講評となる。その後で懇談、先生が帰られてから、それぞれの部署の相談となる。また杜氏の蔵入りの日を決めたり、人員構成から大まかな製造計画の打合せもする。小規模な蔵にとって非常に重要な一日なのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年7月 | トップページ | 2007年9月 »