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2007年8月30日 (木)

酒粕市場の急変

古くは酒粕も高価であり、杜氏達の冬の人件費が、酒粕と糠の売却金で支払えたということである。それは戦前から終戦後の混乱期の事だろうとは思う。高度成長後、食生活の変化で粕需要が低下する中で粕の引取値は低落の一途をたどり、平成に入る頃には、産業廃棄物のように扱われるようになった。処理費用削減のため、乾燥粉末化する機械を売りにきたことがある。その後清酒生産量も減る中で、突如大変化が起こる。経済酒は米を蒸さずに煮込んで酵素を添加する液化仕込みが大規模蔵で普及し、そのやり方では酒粕が発生しないため、酒粕の供給が激減したのである。価格はどんどん上昇し、漬物屋は逆に粕確保に苦しむことになった。

長く苦しめられてきた清酒メーカーがわずかに強気になれる領域を見つけたため、価格をつり上げたり、スポットで高値売却に応じる蔵も出た。地方の中小蔵にすれば、やれやれと思ったことだろう。

しかし小売価格まで上がり過ぎたうえ、まがいものまで一部出回ったため、春頃から急に消費者の需要もさらに離れ、かき集めていた粕商社が一転買い入れを停止、在庫に悩まされることとなった。

また価格を下げて売ることになるのだが、要は消費者の信頼をどうするかである。経済環境は急変する、いいケーススタディーになった。長期の取引先は大事にするべきとは、こういう時の話なのだ。Img_06392

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