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2007年8月29日 (水)

お米の前渡金

農業の世界は他の産業従事者から見てブラックボックスに近い。隣接する米を使った食品の清酒製造家から見ても、どうなっているのか正直わからないことだらけである。販売が今年から自由化したと聞いてもどこがどう自由化したのかなど、中間マージンを取って蔵元に米を売りに来る米屋から聞いて断片的に知っていくしかない。商談の合間の雑談など講義ではないから、限られた機会で知識をつぎはぎしていくことになる。

 今日は米代の前渡金の話だ。農家は4月に種籾を配布されると、農協に米を納めるという条件で、過去3年平均入札価格の80~90%の前払い金を受け取るようだ。これは、他へ売らないということで、代金を一部先渡ししてくれるわけだ。自由化とはどこへ売ってもいいかわり、契約しておかないと引き取ってくれないということらしい。当然と言えば当然なのだが、こと米となるとこれまでそうではなかった。直前3年間の入札平均価格の80-90%というのは、かなりの水準だが、全農の自信を示しているのだそうだ。100円のものを秋に買うからと言って春に80円前払いするか?。種籾は1㎏1000円ほどらしいが、粗植であれば60g1箱×20箱で1反の田に充てる。1反1200gなら1200円じゃないか。厚蒔きであれば200g×25箱に及ぶというから5㎏、5000円。1坪40株から120株程度まで、米も蒔き方も品種、圃場、栽培方針によって採用する粗密があるようだ。値下がりした米だが、1反10俵とれたとして手取り13500円×10俵=135000円のうち、種籾代としては4000円としても、わずか3%である。実際は苗床にしたものを買えばもっと高いだろうが。もちろん肥料、消毒、機械損料で大変なのは百も承知のうえでのことであるが。

 米という字を分解して「八、十、八」と書くについて、「88のお百姓さんの手間がかかっている」と昔教わったが、1本の苗から88本に分蘖(ぶんけつ)するという意味だそうな。つまり1粒の種籾から88本の穂が出て、それぞれ80~120粒実がなるとすると、88×120=10560粒となり、うまくいけば一粒万倍は嘘ではないということだ。「一粒万倍日」ってそういうことだったのか。

 しかし、1㎏1000円なら、俵6万。反8俵なら48万。ならばみんな種籾を作るだろうと思うはずで、JAは毎年種子更新するというから種籾農家のなり手は多いだろうと思ったが、異品種が交じらない環境、手入れ、いい登熟にもっていく腕とかが必要で、誰もがなれるわけでもないそうだ。 今日はこれくらいにして、この秋の買付の話に入る。圃場訪問の約束をした。Img_2685

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