結局1粒は何倍になるのか
つらつら考える。結局、種籾1粒は何粒になるのか。機械植えの場合、爪が苗をつかめないから4~5本植えになる。慣行農法なら分けつは20から23、最終17程度まで落ち込むとして、4粒が17×1穂に80粒とれたとして、1360粒になる。1粒で340粒か。
88分けつというのは、鉢植えみたいな場合らしい。光があたらないとか、隣の株と根があたれば分けつは停まるとかで、田の中央は分けつ数は低くなる。そして薄蒔きの方が多くなるのだ。五百万石の場合、4月中旬に植えてしまえば30くらいまで分けつする坪60株3本植えの場合である。普通は5月初旬に植えるが、そうすると20程度になる。ただし早く植えると高温障害にあいやすくなるらしい。
種籾は1㎏600円ほどだが、100g盛りの苗を1枚700円で買ったとして、1反12枚で7200円が苗代。肥料代を抑えて反8000円、こだわると土壌剤とかで25000円に及ぶというが。農業用水が、紀の川左岸で5800円/反であるから。直接コストは、21000円/反となる。
全農が保証する最低仮払金が1俵7000円時代だが、まぁ11000円で仕上がるとしよう。520㎏/反とれるとすると、粗収入は95300円か。95300-21000=74300円の謂わば粗利のうち、紙袋、検査料は目に見えたコストで、そこから機械損料、燃料費、そして最後に人件費を引くわけである。これらは経営面積で変わってくる。ざっとしたイメージでも1ヘクタールで70万の粗利であるから、30ヘクタールくらいないと、経営的規模にならない。5条刈りのコンバインで1日に1ヘクタールしか稲刈りできないなら、スケジュール的にも無理だとというのがすぐわかってしまう。少なくとも普通の値段のものを普通に作っていてはダメだというのがわかる。どこかの業界と、おそらく今の日本ならたいていの業界と同じである。
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