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2007年10月 8日 (月)

新論点

今日も外から更新を試みる。純米酒フェスティバルでどこがどうの誰がどう言ったとかということは書かないし、書けないが、結局土産に買ったのが、五人娘の蔵元さん寺田啓佐氏が書かれた「発酵道」という本だった。フルネット社の資料によれば平成18酒造年度の清酒の出荷数量は388万石、ピーク時から6割減である。純米酒のそれは52万石。純米酒の比率がまだ13.4%の時点で、「きもと」だけが本物というのは早すぎるが、氏の魂の遍歴は一読に値するだろう。どうも指示したライターが酒母の速醸とアル添、増譲酒をごちゃにして理解しきらないまま書いて校了まで行ってしまったようだ。しかしマーケティング的にはコアな環境コンシャス層だけにターゲットを絞って徹底的に集中されているならそれはそれでいいんだろう。

 今後でてくるテーマとして、合成乳酸の使用をFAOはまだ問題視しているのかの確認、なぜ一度取り上げられかかったが問題なし(乳酸が非常に高純度であること、及び副次的利用で微量であること等を理由とする)とされた後、環境に意識の高い人達もそう問題視しなくなったのか無視してしまったのか、発酵乳酸に使用を切り替えることは可能なのか、またそれでどの程度のコストアップがあるのか、このあたりを調べてみる必要はあるだろう。

 またときどき「どぶろく」の造り方を人に聞かれて困るのだが、図解付で解説しているので大いに参考になる。

 有機農業も見て思うことだが、徹底した本物はたしかにすばらしい。しかし生産はごく一部に限られるし、非常に高いものにつく。普通の農法では採算が合わないから有機に遷移して、だいたい何でも3倍というイメージであるからたしかにそれなら生活できるかもしれない。ただし買える層は限られるから、価値観を同じくするサークル内からなかなか広がらない傾向がある。酒でも純米酒はいいが、日頃飲むには高く、マニア向け商品の需要は一部居酒屋とかの商材から広がらないのと似たところがある。

といって、徹底した低コスト大量生産の行き詰まりも明白である。自社について言うと、蔵の周りに炭を埋め、全量「きもと」にできる蔵の広さがない。

 速譲酒母だが純米比率は100%に近く、そんなすごい名酒は目指さず、家庭でも親しまれる価格帯での純米酒に集中する。そんな戦略は一定の理解は得られたかのようだが、それでも、お前は金持ち相手の商売しかしないのか、と言われることを恐れ嫌うが故に、地元でのやや安い普通酒を効率が悪いと思いながらも、続けているのが今の当社の流れである。

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