米袋の話 Ⅱ
医者に行っていたアルバイト君がまた出てきてくれた。やれやれこれで精米所は何とかなる。こんなことをここ数年秋になったら繰りかえしている。
米袋は都会では見かけなくなっているかもしれない。たいてい5㎏か10㎏で売られているし、㎏単位の量り売りまであるからね。
本来大部分は30㎏入りの2重構造の茶色の紙袋である。大手酒造場は600㎏入りの巨大な布袋(フレコン)をフォークリフトで運び、底の紐を引くとザーッと米が流れ出るやつで買います。
紙帯(かみたい)とか呼んでますが、普通の米袋は30㎏入りとは言え、皆掛重量(かいかけ)30.5㎏のところが多い。袋ごと計った重さで、少し余分に入れてくれているわけです。袋は1枚230gもありますから、270gサービスというわけですが、県によっては正味30㎏しか入れていない所もあって、変な地方差があります。
随分、鷹揚なと思いますが、米の場合出荷前に検査があって、パレットに積み上げた米袋の山に向かって、検査官が中空の匕首のようなもので、ブスリ、ブスリとサンプル徴収します。20%くらいの米袋に対して、1袋に二回差し込みますから、1回200gくらい抜かれてしまいますので、400g×0.2=80g程度は余計に入っていないとおかしい計算です。
この袋が1枚80円で農家に売られているそうで、再使用するならいいのですが、たいてい使い捨てです。なぜなら新袋でないと検査を受け付けないらしいですから。未検査で出荷するなら古い米袋でいいので、余った米袋を農家に売ったことだあります。自家用消費や親類に売るならそれでいいというわけです。
検査を受けた米しか特定名称の酒に使ってはいけないという規制の意味もわかる(小米とかの純米が流布するのはまずい)のですが、契約栽培とかの場合は多少の例外規程を作っていいのではないかと思います。何㎜以上の目で選別されたものに限るとか。古い米袋を使えればゴミも減る。今のところ糠を入れて売るのである程度さばけるのですが、あとはゴミ袋とか燃料とかで処分しています。都会ではゴミ袋にも使えないでしょう。
しかし、五百万石の袋に山田錦を入れて去年の表示もあるのでは、蔵を見に来た人が偽装かなんかだと思われても困るしね。
270-80=150g平均が出目のような形で玄米で買う藏には溜まってきます。1俵300gということは、3500俵で約1トンにもなり16俵程度は委託精米された白米で買うよりは、玄米で買った方が特だということになるのですが、機械の償却費、電気、人件費で、委託精米の蔵が圧倒的に多いわけです。
内容量については、もっと調べる必要ありか。
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