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2007年12月15日 (土)

和魂洋才

大阪のリーガロイヤルホテルは、和魂洋才と題して、日本酒とフランス料理のマッチングをテーマにディナー会みたいな企画を続けている。近畿清酒青年協議会(近畿の蔵元の青年部みたいなものだが)と提携して各県回り持ちで毎回2蔵がお酒を持ち込んで会食に加わり、お酒の説明をする企画である。久しぶりの当番にあたって参加すると、ロングテーブルで20人程度だったのが、4つの円卓で規模倍増となっていた。タワーウイングの28階でシャンボールというレストランの別室で、窓からの夜景もすばらしいものだ。特に冬は視界もいい。

ここ以外はイベント参加というと地酒専門酒販店、酒関係のマスコミ、地酒ファンクラブ主催で納入先か会員の銘酒居酒屋とか酒販店の倉庫、直営飲食店が会場で、客層がどうこうより興味の対象がまるで違う。もちろん商売関係なしの地元の会合でお酒を使ってくれる場もあるが。

 ここではマニア的な製造技術や利き酒内容への深いこだわりはあまりない。もちろん関心を持ってくれているから参加されているわけだが、蔵所在地域の地理、文化、銘柄の由来だとかの話題の方が受けるようだ。こういう余裕のある層への対応を清酒業界は自ら放棄してきた感がある。硬派的イメージや庶民性の重視もいいが、成功や余裕を実感する記念消費的部分をワインに委ねてしまった。何と需要振興の機会をソムリエにおすがりしているようではいけないと思う。

 サラリーマンでも専門職業でも上層に属すると自分で考える人々が、清酒を嗜むよりはワインに凝るのが望ましいなどと思わせてはならない。国際ビジネスで活躍するのだからワインの教養も必要だとか、海外で仕事をしていた時に実際飲んでいたという至極もっともな理屈もあるのだが、日本人が自国の文化的産物を下等に観させてはなるまい。清酒業界は需要振興の方針についてもう少し幅をひろげないといけないだろう。逆に海外では本物の日本酒について需要が高まっているのだから。

 

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コメント

この間、伊丹空港の空港銘酒蔵というお店で
黒牛さんの純米ワンカップを買いました。
非常に美味しかったです。かの店は
近畿の色々な蔵元さんの酒が手に入るので
重宝します。

投稿: kura | 2007年12月18日 (火) 03時52分

ありがとうございます。カップは品質保持が難しく販売先を限定する必要があります。伊丹空港さんは熱心です。あの自販機については過剰じゃないかと申し上げましたが、りっぱに定着しており、あそこなら正解だったかと反省しております。関西3空港では残念ながら一番遠いかもしれませんが、黒牛を置いていただいているのは伊丹だけです。

投稿: 不断齋 | 2007年12月18日 (火) 04時23分

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