業務店市場の重力
当然と言えば当然ながら、この12月は配達を手伝ったりでブログ更新の頻度は落ちる。ついでに店頭を見て廻るが店主も忙しい時節だからあまり話しもできないが、地元市場に張り付く季節だ。今日は価格設定についてだ。容量サイズ間の価格比が大きくゆがめられていることに興味を持った。
理屈で考えると製品1ml当たりの価格は1.8L瓶が一番安いはずである。資材や詰口の効率から考えると720ml瓶は1.8L瓶より割高でしかるべきである。中身が40%しか入っていないが、価格は45%から50%というところが相場だろう。当社の火入れ純米で49.0%である。容量比例価格の22.5%増しである。300mlとなると、中身は6分の1でも18.4%、容量比例価格より約10%高くなっている。180mlカップは、1.8L瓶の10分の1の中身が10.6%でしかない。6%高いだけ、つまり小容量ほどお買い得になってしまっているのだ。これはカップ4本より4合瓶が高いことを意味する。他社製品ではもっとすごいねじれを生じているのもあった。180mlミニ瓶サイズ10本が1.8L瓶より安いのだ。当社より1.8L瓶は5%程度高いのに、300mlは当社より6.7%安い。買いやすくするのが目的というよりは、これは明かに業務店市場からの圧力の受け方の度合いだろうと思った。当社もそろそろ見直さないといけないかもしれない。県外専門店にウエイトのある蔵ではこういう設定にはなっていない。カップが当社より15%高いが、ある意味これが正常なのだ。理屈をつけようと考えると、小容量ほど品質保持が困難であり着色しやすいから安くてよいとかも言えるかもしれない。品質管理が充分できるには720mlまでだというマニアも多い。
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コメント
あっ!バレマシタ。。黒牛好きの仲間からは
結構前からこの現象は言われていました。。
でも結局、瓶だらけになるので四合瓶を
買ってしまうのです。不思議なんですが、
四合瓶は各メーカーで大きさが違うんですよね。
たまに冷蔵庫に入れずらい時があります。
規格統一した方がコストダウンになると
思うのですが・・
投稿: inaokan | 2007年12月27日 (木) 12時15分
コメントありがとうございました。
だからといって即値上げというのはよくありません。資材、運賃は上がっていますが、米価安定ですので、もう少しがんばります。が、その節はお許し下さい。米も地元で契約栽培をした分が質的にやや足を引っ張っていますので、来年以降は、本当にいい産地のいい米確保を図りスペックアップを図るつもりです。いろいろあるでしょうが、ご容赦いただきご期待下さい。同じ酒でも容量で味が違うなどと言われないよう努めますが、やっぱり1.8L瓶が最も品質保持上は安心感があります。
投稿: 不断齋 | 2007年12月27日 (木) 19時56分