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2008年2月23日 (土)

斗瓶取りと斗瓶囲い

国税局の技師先生に巡回指導していただいた。これについては杜氏にまかせて後ろで立ち会うに限る。地元税務署も職員を同行させるから、毎年恒例のかなり重い儀式といったところだ。

今年は米が溶けないというからよく言えば酒はきれい、粕歩合は高くなる。斗瓶で取った大吟醸の何本目が最高かは、当然その酒にもよるが、今年は後の方の斗瓶が良くなるようにずれるかもしれない。これは所謂、斗瓶取りについてだ。

一方、求めに応じていったんタンク受けした原酒を斗瓶に入れて冷蔵保管することがある。区別するため斗瓶囲いとしている。先生によれば、斗瓶で囲うのが酒に特に良いとは見られていないようだった。酒を容器から容器へ移す回数が少ない方がいいから、最初から1升瓶に入れて貯蔵すればいいというわけだ。同体積当たりでの空気や容器壁面に触れる面積についてはもちだすのはやめておいた。たしかに演出という面もあるだろう。小売り店頭で量り売りする場合にはインパクトはある。

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2008年2月19日 (火)

リアル対eコマース

SC開発コンサルティングの松本大地先生のお話を聞いた。今年のテーマは深耕だそうで、ニッチとは違うのだと。ニッチというのは他の人がやってないことをやるのだそうで、深耕とは、スタンダードなものをずっと掘り下げることだと定義される。

商業施設も売り場面積も売上げも伸び悩みで販売効率は低下している。百貨店、スーパーよりましらしいが。でどこに食われているかと言うとインターネットだそうで、通常程度気を遣ったくらいのサービスは、ネットででも顧客は受けることができるようになった。       だから、リアルな現場を感動の魅せ場にしなければeコマースに負けるという危機感を持って、顧客と情緒的なつながりを造ることを目指さなければならないと説かれていた。「顧客感動」とか「感動マーケティング」として提唱されている。

 まぁ価格パフォーマンスが良くて定評のある酒を買うだけならネットででも買えるが、この前飲んだ酒についても意見を交換したり次に買うものの提案を受けたり、蔵の情報を交換したり、同好の仲間と知り合ったりという場を提供しないと、店に来てくれない、という主張として酒業界に翻訳できるだろう。

 正しいことは正しいし、SCですらこのレベルに到ったのだから地酒ワールドならなおのことヒューマンな顧客との関係が必要になるだろう。ただしネットについての制約は、商品が安くて重いので送料の壁があること、リアル店舗の側もそうだが、品揃えには自ずと限界があり、顧客への充分な情報提供は品揃えが広がれば広がるほど難しくなる。結局、ある程度の範囲に売る側も絞らざるを得ないことだろう。蔵にしても、品質確保や販売店との関係を気にしてむやみに売り先を増やすわけにいかない。だからおもしろいのだが、SCやアウトレットのように成長性を追求できない。

 もともと地酒というのは対面のヒューマンなコミュニケーションから生まれた世界で、成功者が規模を拡大して、あるいは無理に引きずり出されて、「まともな?」流通の世界の流儀を一部取り入れてデータベースやネットで対応せざるを得なくなってきたのが、最近の流れで、苦悩の元だと私は思っている。当然元来の世界にこだわる者も多いが、なかなか周りが許してくれないはずだ。

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2008年2月18日 (月)

EU基準

日曜は美術館へ行きもしたが、得意先から依頼の書類を作ったりする。電話や来客がない時間の方がやりやすい。ひとつは、取扱い商品に相性のいい料理を載せて検索出来るようにするから、扱っているアイテムについて、合う料理を記入してくれという依頼だ。自分で考えるから利き酒の力や顧客への提案力がつくのではないのかとか思うがどんなものだろう。

 もうひとつは、輸出商社から、ごくわずかしか取扱いもないが、出しているのがEUなので、先方から、商品と企業についてアセスメントを出さないといけない、と言って、大量のチェック項目の報告を求めてきたものだ。

 どう見ても大規模な食品加工工場を前提にしているような内容で、明らかにアルコール入り飲料と生鮮食品を混同していると思うが、地球の裏に向かって腹を立ててもしかたがなかった。細かな社内規程の有無や設備の内容まで問うている。仕入先に対して、そのまた仕入先についての、それも海外企業の詳細なアセスメントを求める、これがいずれ世界標準になるのだろう。今に日本にも波及するはずだ。ここでは地酒なんて企業の世界じゃないから関係ないで済ませるのか、この際少しづつでも規程や設備を整備するのか、覚悟はいるところだろう。

 地酒専門店というのも変わった。かつて裏貼りにバーコードを入れたら地酒らしくないと言って不満を言われたことがある。たしかに企業社会の主流から切断した世界で生きるのを誓い合ったような関係が、地酒蔵と販売店主の間にはあったのだが。

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2008年2月17日 (日)

米産地の表示

 病院給食で米産地偽装という事件が滋賀県で発生と報じられる。やる方もやる方だが、DNA鑑定で調べる方もすごいな。入札でやるうえは検査コストも見込んでいたならりっぱなものだが、同業者の通報とかで動いたのなら、反省要だろう。公立病院で地元産米にこだわるというのは「地産地消」「身土不二」でより健康に、という趣旨だろうが、酒の場合はどうなんだろう。

 自県産の米で作った酒を自県内で売るにはまぁいいだろう、それなりのセールスポイントだ。一方で、都会へ売る時にどれほどプラスに働くのかは、自県産の酒造好適米育成、契約栽培に20年近く取り組んできた私にとっては疑問だ。

 むしろそういう取組もしている蔵ですよ、という姿勢を見せることと、どこそこの県でも酒造好適米は採れますよ、というアピール材料にはなるという感じだ。できた製品そのものについては、「○○産○○○で作った純米吟醸」として客観的に評価を受けるだけである。特に都会へ持って行った時は。もちろん蔵の設備や技術も関係してくるので総合結果というところだ。

 既に米産地としての地位がある所がそれを売りにする場合はまた別だろうが、この地方では実績を積み上げていくしかない。米の品質にしろ、価格にしろ、本場から入手する方がパフォーマンスはいいのだ。しかしテレビやバスに広告するよりはいいだろうということで、苦しみながら続けている分野である。

 だいたい他社がなかなか真似をしてこなかったのが収益に寄与しないといういい証拠だった。やっとここへ来て動きがでてきたくらいだろう。むしろ県外で自県酒のイメージアップのため各社取り組む必要を感じる。

 

 

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2008年2月15日 (金)

徴候

関西でトップの酒ディスカウンター(自称は専門大店)が民事再生法を申請した。しかしまったくの伸び盛りで全国3位、60店舗の酒販店に業務スーパー9店、年商約300億、社長は交替したばかりだが、昨年夏には「賢者の選択」にまで出演している。どこかの酒雑誌は提灯記事を書いていたはずで、業界新聞で取り上げられること再々だった。この状況で売り込みたくないというメーカーはいなかったはずだ、特に中堅以上では。当社に被害はなかったからと喜んで言い廻りたいのではない。何か徴候は出ていなかったのか、そういうものを感じ取れないと、自分もやられるか損失を抑えるのが遅れてしまう。だから今さら調べるのだ。同じ市場の取引先と話すと業務スーパーが足を引っ張ったという。最初の2店はよかったが後は全敗とか。既にサイトに出ている所では、DSの方も最近1年の出店した店は軒並み赤字とあるが、いかにマスコミだけで判断していると恐いかということである。急激な出店で社員教育や管理が追いつかなかったのか、はたまた無理な資金繰りの中でちょっとしたことでショートしてしまったか、想像するのは難しい。サブプライムローン問題の国内への波及から急に融資態度を銀行が変えたのかもしれない。11月以降苦しくなったというのが臭い。支援先候補の名前が最初から出てるのは別の意味で臭いとか、皆勝手なことを言っているが、メイン行が知らなかったはずはない。酒の場合12月に極端に取引が集中するので、売掛金の残高が最も膨らむこの時期にやるというのが、納入先には憤激の的だろう。しかし激しい変転だ。どこかのプロデューサーと先生にも痛い失点だろう。

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2008年2月13日 (水)

蔵の事故

今日は最低気温が2℃で予想最高気温が4℃らしい。これぐらいでずーっと2ヶ月くらい続いてくれればさぞやいい酒ができそうなものだが、寒くて冷害になってしまうだろう。吟醸造りで、もっとも蔵が忙しい時期である。

そういう最盛期になると、今年も蔵での事故情報とかが耳に入ってくる。たいてい重要事故は転落だが、放冷機に巻き込まれたいうのも発生しているようだ。どうやってそこまでなるのかわからない。手を巻き込まれて怪我はあったが。とにかく1件大きな事故が発生したら、すぐ存続の問題になるので、原因等が気がかりだ。

もろみタンク内は二酸化炭素が充満しているので、落ちたら最後、即気絶して間もなく死亡ということになっている。噂というのはいいかげんなので信じられないが、自分で落とし物を取りに行ったとか飛び込んだとか、あり得ない話が聞こえてくると、高齢化のせいだとか、未経験の者が入ることが増えてきたからとか、憶測を呼ぶ。自分で蔵元ないしその家族で造るというケースも増えているが、悲愴感ただよううえに、危険も大きい。

たいてい夏期の杜氏組合の講習会や国税局の講話とかオフシーズンに蔵元や杜氏を集めた場所では、まず前年の事故の話がある。どの製造業にも危険はあるだろうが、安全あってこその品質というのはたしかである。

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2008年2月11日 (月)

ランチェスター戦略

三連休の中日といっても蔵では1年間の変形労働時間制というやつで仕込みが続いている。また1~3月というのは、年末多忙だった、販売業者や飲食店さん達の蔵見学が多い季節となる。アテンドは蔵元が受け持つ、まぁ3000石以下の蔵なら社員ではなくオーナーがやるはずだ。ということで、連休は蔵元も製造部も休んでなんかいない。今日は大阪からお越しいただく。

 お客様との出会いは本当にすばらしい。いろいろ感じるところがある。マダム曰く、「こうして競争ができる世の中というは、恵まれているのよ。」

 そういう考え方があるのだ。「平和だから、どこの酒がうまいとか、で競争できる。」という意味なんだろうなと、思ったが、ひねくれ者は、またぞろ考え始める。

 いったい日本人に正常な競争というものができるのだろうか、つねづね考えていたことだ。フェアな競争には、ルールとそれを破った者への制裁が確保されていないと成り立たない。またそういう社会制度を作るには教育と時間がかかる。何をやっても勝てば官軍式の意識が残存しているから、談合だの偽装だのが耐えないのではないか。アラン・グリーンスパンも法の支配と財産権の保護がないロシアの急な資本主義導入は失敗だったと書いている。どうも在来の日本人にとっては、経済上の競争と孫子流の総力戦を混同しているように思われてならない。談合か、生死を賭けてのつぶし合いのどちらかしかないというなら談合を選ぶ者が多いのは当然だろう。幸い日本人の意識も少々向上してきたかに見えるうえ、情報技術の発達が大きな影響を与えている。ランチェスター戦略を語る経営コンサルタントは多いが、戦争とビジネスの大きな違いがひとつある。直接相手の資源を攻撃して破壊または奪うことはできない。勝ち負けを決まるのはあくまで顧客だということだ。顧客は移り気で困ることもあるが、特に嗜好品の場合、安くて、知名度があるから選ばれるとは限らない。

 

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2008年2月10日 (日)

積雪

 正月も少し降ったが、久しぶりに雪が少し積もった。夕方には消えてしまったが、周囲の岡には残りそうだ。

 ここの年間平均気温は15.1℃、最高月平均気温26.4℃、最低月平均気温3.7℃、年間降水量1472mm。たしか瀬戸内式気候に分類されてたと思う。

 ついでに緯度を言うと、N34°9′35.54″。日本は少し、斜めに傾いているので、香川県の一部を除いた四国のすべてと、山口県の南部3割程度、そして九州全体よりも、緯度は北にある。

 なぜか和歌山=南国というイメージができあがってしまっているが、蜜柑、梅、桃と果実出荷額は全国一という、フルーツの県ということもあるかもしれない。古代律令制で近畿ではなく南海道に入れられていた、つまり五畿ではない。今でも大阪と和歌山市を結んでいる私鉄が「南海電鉄」で、海部郷や海草郡の南部という意味で、ここは「海南市」という行政区画になった。中国にも「海南島」はあるが、ほとんどベトナム北部に覆い被さっている。

 「南」にあるからイメージ云々は間違っているが、まだ少し言われることがある。それだけに頑張る力も湧いてくるのだ。

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2008年2月 9日 (土)

直径

 酒を搾って槽口から出てくるものは、「もろみ」から「酒粕」分を取り去ったもの、これを本当の原酒とすると、何とかしてしぼったままに近い酒を飲もうという努力と、いかに手間と時間をかけて練れた酒を飲もうかという努力を、我々が試みてきたかが解る。一方の現在の到達点が「活性にごり酒」、これは法的には清酒だが、実質は濁酒である。後者の到達点が古酒だろうが、洗練と繊細な技の追求が一夏越しの大吟醸で、また別次元の限界への挑戦を続けている。

 搾った後の濾過や滓引きという処理は、「うまい=原酒に近い香味」かつ「保存に耐える安定した品質」という分裂した要請の中で試行錯誤の中で技術開発が続けられたきた分野だろう。

 今日濾過の用具を話をしていたが、原酒から取り去るべき野生乳酸菌の一種、火落菌の直径は0.6~0.9マイクロメートル(μm)。1メートルの百万分の1×0.6~0.9ということは、1000分の1ミリの60~90%程度の大きさらしい。これを熱で殺す技術を錬磨してきたわけだが、当然濾過の段階で取っておければそれにこしたことはないだろう。火入れ温度、活性炭を使わないその他で、熱処理して生で出荷しない場合でもメリットは大きい。 一方、酵母菌の直径は、4~8マイクロメートル(μm)、中空糸繊維の濾過は、いろんな穴のサイズはあるが、酵母はカットできるが、火落菌までは保証できませんという、中間の穴サイズらしい。「精密濾過」レベルともいう。精密濾過で酵母はカットできても、火落菌はカットできないし、さらに小さい酵素、蛋白の粒子を、ゼラチンやタンニンで絡め取って大きい塊にして沈殿させようというのが、滓下げである。濾過だけで熱処理はしない生酒というのは、限外濾過というレベルの物が大手で発売されておいり、所謂「生ビール」とかはこういう処理をしている。これで火落菌もカットしてしまうから、安心して買える度合いは格段アップするが、穴のサイズが2~200ナノメートル、0.002~0.2マイクロメートル(μm)となる。そこから先は逆浸透膜の世界だ。

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2008年2月 7日 (木)

柿の木は虫除けになるのか

酒を搾って滓下げをするのに、通常柿渋とゼラチンを使う。一引き(いちびき)してタンクの底の粕分を下呑から抜き去ると一回目の濾過を行うが、その後一回は、この処理をするのが普通で、蛋白混濁を防ぎ、テリや日持ちを良くするのだ。今日は柿渋屋さんの来訪を受けた。社員が作業に掛かりきって居るとき、話を聞くのも仕事である。わからない奴に説明するのも大変だろうが、聞いてみると。

 近畿地方で柿渋屋が固まっているのが京都府南部の山城地方、それも山中だという。3社ばかりがんばっているらしいが、何でも天王柿という渋柿が好適、つまりタンニンが多い品種だそうで、その産地だそうな。何故産地化したかと言うと、宇治茶も歴史とともに宇治田原、和束と山中に栽培地が広がったのだが、茶畑に柿を植えると虫除けになるということで、柿が植えられていったという。ちょっと信じられなかったが、昔の百姓の智恵なわけだ。

 玉渋(たましぶ)というのは柿渋の液体製品で熟成されている。当社製品は力価170ですと言われても何のことかと聞くと、まぁタンニンの濃度と思ってください、ということだった。ググると反応力みたいな定義でまぁ薬学か化学の用語らしい。

 工程も長い。柿の実をつぶして、搾って、濾過して、プレートヒーターで殺菌、発酵タンクに入れ柿酵母を添加して発酵させる。5日程度で発酵は終了し、また火入れして搾る。これを8から9月に行い、貯蔵する。滓引きは冬までしないそうだが、また火入れして滓引きする。3年から5年貯蔵して調合しながら出荷する、か。(聞き書きで正確かどうか知らない)

 結構手間のかかる製品のようだ。酒は伝統の中で中間資材もまた洗練されたノウハウを蓄積しそれらを併せて製造法を完成させている。

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2008年2月 6日 (水)

米に自由市場は可能か

今年も早々と酒米の作付け面積の打診が始まった。来社した米屋さんに、割れやすかったということで、山田錦の栽培面積をどこはダウンだ、どこのは良かったからアップだとか要求し、特に本場産地からの入手ルート拡大をお願いした。

いったい米のような農業に自由市場は可能なのか疑問に感じる。流通だけとかなら自由市場的にできるかもしれないし、そういう流れだが、そもそも生産は種籾から始めてかなり前に作付面積を決めねばならない。いったん苗を植えたら、途中でやめることもないし、天候、災害で予定どおりに収穫されるわけでもない。少なくとも計画経済的なところは残るわけで、未だに価格に政治的影響が出ている。

何度聞いても理解しきらないが、19年度も米は40~50万トン余ったそうで、仮払金を60㎏当たり7000円まで切り込んだのに、参議院選挙で自民党が負けると、一転、政府米は買入量を44万トン増やし、60㎏当たり14300円の買取価格になったというから、政治価格でしかない。また余るのは目に見えているから、普通なら4月~6月に安くても売りに出てくるはずだと米屋氏は言う。ところが、衆議院選挙は、議長をやりたい首相が洞爺湖サミット以降に伸ばすはずだから、それまで米価が維持されないと自民党が選挙に負けてしまう。ではそれ以降まで在庫を抱えると、また新米が出てきてさらに余って、秋の価格は大変なことになるだろう、という読みらしい。中核となる専業農家に直接払いする構想は頓挫し、頭数が多い兼業農家を選挙対策のために優先せざるを得ないということらしい。それでは、経営の集約や生産性の向上は進まないから、日本の米農業は衰退の道をいくしかない。民主主義は頭数か。

 これが正しいのか、それだけでないのか、小規模な有機農業をしている人達のことや、酒蔵が自作田に合鴨を放ったりしている様子も頭に浮かぶが、今夜も考えはまとまらなかった。ただ、私は安く買おうとばかり考えているわけではない。どうせ他社も同じ価格で買うのだから。損のないように見ておく必要はあるが。

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2008年2月 2日 (土)

酒呑みであるということ

ちょっとした相談に来られた来られた人が気を遣って黒牛仕立ての梅酒を買って帰られた。「ああ、彼はあまり飲めなかったからな。」

それにしても、日本人の半分は下戸だそうで、酒業界でも、飲めない人も活躍している、いや反って、飲めないかほとんど飲まない人の方が、利き酒の成績もよさそうだし、有名杜氏に有名蔵元、有名酒販店と、そういうタイプが意外に多いのは知られた話だ。もちろん自他とも認める呑み助で利き酒チャンピオンの人もいる。

ではいったい利き酒能力とは何だろう。自分はなかなか実力が向上しないが、見た所では、鼻や舌の感度が半分、後は記憶力と表現力で、感じた感覚をきちんと受け止め整理して記憶できるかが能力という感じだ。慣れればメモを取る要領が良くなる。とは言え、普通利き酒は口に含んで吐くもので、多数の酒を一度に評価するにはこうするしかない。2合程度、温度を変えながら飲んで、翌日の残り具合まで含めて評価するのは、1晩1品づつになってしまう。毎晩2合ずつ20年飲んできたが、純米の方が体にいい、とか昨日も聞いたが、すごく説得力がある。

 あまり飲まないタイプで酒を商売にしている人はより香りに評価の比重があるようだが、しかしごつい山廃を酒を飲めない名杜氏が造るのだから、どうなっているのかわからない。いったい喉ごしとやらは、飲めない人間はどう評価するというのだ。

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2008年2月 1日 (金)

「山廃・生もと」とは

今日は売店に父娘と思われる日本酒ファンの方が駅から徒歩で来られた。1.5㎞コースだから、ここへ来るつもりでないと来られるはずもない。敬意はひょうすべきだろう。いちいち売店の来客者とお会いしているわけではないが、店番の女性から、「ここの蔵は速醸だけで山廃・生もとはやってないのですか」と聞かれていると内線が入ったので、のこのこ出て行くことになった。こりゃまた環境系か、本の読み過ぎか、○○あたりの酒屋に吹き込まれたか、まぁどんなものか聞いてみようというわけだ。ちょうど一息入れたい所だ。

 会って話してみると、要は山廃とか生もとというのを手造りの記号として受け取っているようで、速醸でもオッケー、本醸造も飲むよ、という、至ってノーマルな方だった。こちらから、自然の乳酸菌を活用して酸性環境を作りだす手法だとか、乳酸の製造方法、安全性の話やら、業界の実情だなんだを説明することになったが、これもトレーニングのうちである。正直に当社の実情と体制を話して納得してもらった。自分の感じでは喜んでいただいたようだ。やはり大抵の方は細かいことは知らない、イメージで飲んでおられるし、それはそれでいいんだろう。こっち側の者は厳しく勉強する必要があるが。

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