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2008年2月 7日 (木)

柿の木は虫除けになるのか

酒を搾って滓下げをするのに、通常柿渋とゼラチンを使う。一引き(いちびき)してタンクの底の粕分を下呑から抜き去ると一回目の濾過を行うが、その後一回は、この処理をするのが普通で、蛋白混濁を防ぎ、テリや日持ちを良くするのだ。今日は柿渋屋さんの来訪を受けた。社員が作業に掛かりきって居るとき、話を聞くのも仕事である。わからない奴に説明するのも大変だろうが、聞いてみると。

 近畿地方で柿渋屋が固まっているのが京都府南部の山城地方、それも山中だという。3社ばかりがんばっているらしいが、何でも天王柿という渋柿が好適、つまりタンニンが多い品種だそうで、その産地だそうな。何故産地化したかと言うと、宇治茶も歴史とともに宇治田原、和束と山中に栽培地が広がったのだが、茶畑に柿を植えると虫除けになるということで、柿が植えられていったという。ちょっと信じられなかったが、昔の百姓の智恵なわけだ。

 玉渋(たましぶ)というのは柿渋の液体製品で熟成されている。当社製品は力価170ですと言われても何のことかと聞くと、まぁタンニンの濃度と思ってください、ということだった。ググると反応力みたいな定義でまぁ薬学か化学の用語らしい。

 工程も長い。柿の実をつぶして、搾って、濾過して、プレートヒーターで殺菌、発酵タンクに入れ柿酵母を添加して発酵させる。5日程度で発酵は終了し、また火入れして搾る。これを8から9月に行い、貯蔵する。滓引きは冬までしないそうだが、また火入れして滓引きする。3年から5年貯蔵して調合しながら出荷する、か。(聞き書きで正確かどうか知らない)

 結構手間のかかる製品のようだ。酒は伝統の中で中間資材もまた洗練されたノウハウを蓄積しそれらを併せて製造法を完成させている。

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コメント

画材で使う柿渋ってそれ自体モーレツ臭い液体で、独特の赤みがかった美しい発色と、乾燥後の撥水機能を利用します.(蛇の目傘とおんなじですね.)
酒造で使う柿渋ってどのような形態なのですか?

投稿: うこき | 2008年2月 7日 (木) 23時19分

これまでは、一升瓶に入って、ねっとりした茶色の液体で使用していました。最近濃度が均一で失敗が少なくなるとかで、顆粒状のものもあります。使ってみましたが、液体のも使います。液体の柿渋で食品用のものを、玉渋というそうです。たしかに臭い。
 塗装、染め用は基本的に製法は同じですが、力価は少し低いとか聞きました。柿渋をなぜ酒袋に塗るのかについて、私でさえ柿は酒と相性がいいからだ、なんて平気で説明をしていましたが、何度も圧力を受ける布を強化するのが目的です。

投稿: 不断齋 | 2008年2月 8日 (金) 09時49分

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