« 柿の木は虫除けになるのか | トップページ | 積雪 »

2008年2月 9日 (土)

直径

 酒を搾って槽口から出てくるものは、「もろみ」から「酒粕」分を取り去ったもの、これを本当の原酒とすると、何とかしてしぼったままに近い酒を飲もうという努力と、いかに手間と時間をかけて練れた酒を飲もうかという努力を、我々が試みてきたかが解る。一方の現在の到達点が「活性にごり酒」、これは法的には清酒だが、実質は濁酒である。後者の到達点が古酒だろうが、洗練と繊細な技の追求が一夏越しの大吟醸で、また別次元の限界への挑戦を続けている。

 搾った後の濾過や滓引きという処理は、「うまい=原酒に近い香味」かつ「保存に耐える安定した品質」という分裂した要請の中で試行錯誤の中で技術開発が続けられたきた分野だろう。

 今日濾過の用具を話をしていたが、原酒から取り去るべき野生乳酸菌の一種、火落菌の直径は0.6~0.9マイクロメートル(μm)。1メートルの百万分の1×0.6~0.9ということは、1000分の1ミリの60~90%程度の大きさらしい。これを熱で殺す技術を錬磨してきたわけだが、当然濾過の段階で取っておければそれにこしたことはないだろう。火入れ温度、活性炭を使わないその他で、熱処理して生で出荷しない場合でもメリットは大きい。 一方、酵母菌の直径は、4~8マイクロメートル(μm)、中空糸繊維の濾過は、いろんな穴のサイズはあるが、酵母はカットできるが、火落菌までは保証できませんという、中間の穴サイズらしい。「精密濾過」レベルともいう。精密濾過で酵母はカットできても、火落菌はカットできないし、さらに小さい酵素、蛋白の粒子を、ゼラチンやタンニンで絡め取って大きい塊にして沈殿させようというのが、滓下げである。濾過だけで熱処理はしない生酒というのは、限外濾過というレベルの物が大手で発売されておいり、所謂「生ビール」とかはこういう処理をしている。これで火落菌もカットしてしまうから、安心して買える度合いは格段アップするが、穴のサイズが2~200ナノメートル、0.002~0.2マイクロメートル(μm)となる。そこから先は逆浸透膜の世界だ。

|

« 柿の木は虫除けになるのか | トップページ | 積雪 »

地酒」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/169220/40050445

この記事へのトラックバック一覧です: 直径:

« 柿の木は虫除けになるのか | トップページ | 積雪 »