ランチェスター戦略
三連休の中日といっても蔵では1年間の変形労働時間制というやつで仕込みが続いている。また1~3月というのは、年末多忙だった、販売業者や飲食店さん達の蔵見学が多い季節となる。アテンドは蔵元が受け持つ、まぁ3000石以下の蔵なら社員ではなくオーナーがやるはずだ。ということで、連休は蔵元も製造部も休んでなんかいない。今日は大阪からお越しいただく。
お客様との出会いは本当にすばらしい。いろいろ感じるところがある。マダム曰く、「こうして競争ができる世の中というは、恵まれているのよ。」
そういう考え方があるのだ。「平和だから、どこの酒がうまいとか、で競争できる。」という意味なんだろうなと、思ったが、ひねくれ者は、またぞろ考え始める。
いったい日本人に正常な競争というものができるのだろうか、つねづね考えていたことだ。フェアな競争には、ルールとそれを破った者への制裁が確保されていないと成り立たない。またそういう社会制度を作るには教育と時間がかかる。何をやっても勝てば官軍式の意識が残存しているから、談合だの偽装だのが耐えないのではないか。アラン・グリーンスパンも法の支配と財産権の保護がないロシアの急な資本主義導入は失敗だったと書いている。どうも在来の日本人にとっては、経済上の競争と孫子流の総力戦を混同しているように思われてならない。談合か、生死を賭けてのつぶし合いのどちらかしかないというなら談合を選ぶ者が多いのは当然だろう。幸い日本人の意識も少々向上してきたかに見えるうえ、情報技術の発達が大きな影響を与えている。ランチェスター戦略を語る経営コンサルタントは多いが、戦争とビジネスの大きな違いがひとつある。直接相手の資源を攻撃して破壊または奪うことはできない。勝ち負けを決まるのはあくまで顧客だということだ。顧客は移り気で困ることもあるが、特に嗜好品の場合、安くて、知名度があるから選ばれるとは限らない。
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