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2008年3月17日 (月)

糠(ぬか)から見る市場動向

精米所は2月末で解散だ。但馬から来ている精米主任は吟醸の搾りとかに廻り、就職活動中とかの長期アルバイトさんはお別れだ。3千数百俵を削った糠は仲買人が引き取っていった。急に蔵が静かになる。

ハロー、今年はいくらで請求書くの?

赤と中は少し上がるけど、上白と特白は下がるよ。

呑気な電話でおまかせ買取単価を近日中に知らせてもらい、引き取ってもらった糠の請求書を送ることになる。比べようもないし、安定的に全部きれいに引き取ってもらいたいので、突いたり引いたりできないのだ。

精米機から出てくる糠は、当社では赤、中、白、特白と4段階に出てくる。それぞれ玄米が30㎏入っていた紙袋に20㎏づつ詰められ引き取られていく。米粒の外側は油分や蛋白質が多く、糠は赤い、というか、通常イメージされる糠は赤い。しだいに内側まで削れていくと、糠は黄色く、さらに白く、上白ではややクリーム味があるが、特白となると純白に近くなる。赤や中は、肥料や飼料、米糠油の原料になる。変わった所では肥料カプセルの殻の原料というのも聞いた。エサが高騰しているので、まぜる糠の買取価格も上がっているわけだ。片や上白、特白はというと、焼酎、酢、そして主に紙パックに入ったエコノミークラスの清酒の原料(の一部)になる。一昨年の酒税法改正で、さすがに糠は米扱いされなくなったので、原料米の半分までしか副原料を入れられなくなり、糠の需要は減ったというわけだ。そもそもそのクラスの「清酒」は需要減少が激しい。

 聞いていると酢の場合は米粉も米扱いできて、特白糠を使っても純米酢になるらしいから、酒とは基準が違うらしい。当社では関知しようもない。後はせんべいとかの途もあるらしいが、仲買からの行き先はさっぱりわからない。ただ米が余っている時代なのでおおよその傾向はわかる。ただ、コスト競争の末端から経済動向を窺うのみである。

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地酒」カテゴリの記事

コメント

常々精米後の糠の行方を知りたかったため今回の内容は勉強になりました。各商品のイメージと実際との差に愕然としました。表示規制が違うため商品によっては原材料表示をそのまま信じてしまうのは・・・消費者も勉強が必要ですね。

投稿: なお | 2008年3月21日 (金) 07時42分

一応、私も業者なので、コメントは微妙?というところですけど、お酒については「純米酒」には米ぬか糖化液は使えませんが、「米だけの酒」ならOKでした。H18.5の改正で米粉を酵素加工した糖液は米ではなくなったので今はダメです。そもそも「米だけの酒」というのは、純米酒が精米歩合70%以下という制限があった時にそれを満たさないものを、そう称しただけなので、その制限がはずれたため、純米酒の基準を満たさなければならないそうです。
では2Lパック770円の「米だけの酒」と書いた純米酒は何だというと、液化仕込みはOKだからだそうです。
 麹はたいてい丸米ですが、蒸し米部分を液化してしまいます。細かい所は私もわからない世界です。

投稿: 不断齋 | 2008年3月21日 (金) 10時30分

はじめて訪問しましたが、興味深い内容の日記で楽しみが増えました。私は、熊本の県北で地酒専門店を営んでいますが知らない事がまだまだ沢山あるな~と、本に書いて無い事をもっと教えて欲しいと思います。

投稿: お酒案内人もっこす | 2008年3月21日 (金) 19時54分

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