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2008年6月12日 (木)

米価の予測は微妙の時期

大手清酒メーカーがドタキャンで値上げを見送り、死んでもシェアは減らしたくないと宣言した一方、地方清酒の一部が散発的に値上げを実施し始めた。大手がまず値上げして地方中小がこれに追随するという構図に変化が生じたと業界誌が取り上げだしたが。確かにA重油の値上がりはひどいもので、以前のハイオクガソリンのような値段になってしまった。しかし酒の話はここでは書けないので、興味のある人はメールでも聞いていただきたい。

 心配なのは農家も同じで、肥料も暴騰している。化成肥料の値上がりがひどく再値上げが7月に予定され、一袋3000円(20㎏)を越えるようだ。これには窒素が15%ほど含まれている。ところが有機肥料の方はさほど値上がりしていない。400円(20㎏)ほどらしいが、このたい肥肥料の窒素分は約3%ある。窒素がすべてではないがこの計算で化成からたい肥へシフトの動向が出てくれば、全体に特別栽培に近づくというわけで、嫌みな言い方ではめでたいことにもなる。特別栽培米というのは、農薬と化学肥料の使用量が在来の慣行農法の半分以下の使用であるものに許された表示で、有機無農薬との中間的位置づけにあたる。もっとも本当の有機は次元の異なる困難さがあって、距離が中間というわけではない。さてその米価は結局どうなるのか、値上げした蔵の言い分では新米は上がるのが確実だから、とあるが、確実とは言えないようなのだ。いかにひどい生産過剰、需要低迷、これまでの高米価維持(国際価格に比べ)がひどかったかだろう。上がるのが確実なのは加工用米(低価格酒、味噌、酢等用)で、純米・純米吟醸の地酒用の酒造好適米の価格はちょっと予測を書けない情勢らしい。少なくともJA経由での農家手取りは下がるだろうから、契約栽培には農家はより熱心になるとか、楽観的観測をされる人もいるが、では肥料代のあがった農家はどうなるんだろう。流通ルートカット、資材購入先の見直し等で対抗してくるのは当然だ。というわけで、蔵も動きにくい。やせ我慢大会は続くということらしい。なお、昨年の当社の原料米の少なくとも3分の1以上は特別栽培米である。主産地は品質とともに環境意識も高い。それは見てきたように価格競争力にもつながっている。

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コメント

確かに全てが値上がりで大変にござりまするなぁ>< それがしはディーゼル車に乗っておるのじゃが、軽油の値上がり幅もそれは酷いものにござる。ガソリンをあまり上げるのは国民の反発を買うから、取り易いとこから取ってやれ^^といった考えが見え見えで嫌らしゅうござる。
それがしの知り合いのスポンジ会社などは、原材料を生産致す大企業より一方的に値上げ報告を受けて困り果ててござった。
今後日ノ本のみならず世界はどのように激変致すのか...困ったものにござる。

投稿: さすらいの武士 | 2008年6月17日 (火) 19時16分

うーん。同感ですね。それより最近年のせいか因果応報とか霊感みたいなものを信じるようになってきました。相手のことを考えていると何か関係したことが起こるというような。
実はたった今、F神社のKという料理屋へ会合に自転車で行ってました。S屋敷を後で皆でのぞいて夜でも入れるうえに庭にテーブルまであるから、そら花見もできるわなと、侍さんのネタを思い出していたところですわ。何か感じましたか。

投稿: 不断齋 | 2008年6月17日 (火) 21時46分

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