« ひやおろし | トップページ | たぶん今日は稲刈り »

2008年8月29日 (金)

山田錦メモ

兵庫県の方から小冊子をいただく。「兵庫の酒米 山田錦生誕70周年記念」で県と兵庫県酒米振興会が作ったものだ。データはもう3年前のものだが、経過の記載は整理されている。

山田錦は昭和11年に兵庫県が育成した晩稲品種。平成17年時点では兵庫県下の酒米栽培面積の8割以上をしめ、3773ha栽培されている。(酒米トータルで約4600ha)

播州では慶長年間には酒米取引の記録があり、歴史は古い。周縁部の当蔵でさえ、祖父から初代(そのまた祖父)が同業と連れもて、帆船に乗って加古川まで酒米を買いに行ったのだと聞いたことがある。紀淡、明石海峡を通っていくのだが、明石は蛸が有名だ。きっと海は透明で何しろ帆船ではゆっくりしたものだったんだろう。沖の話か岸辺の話かはわからないが、船方が大蛸が海中で泳いでいるのを目ざとく見つけるや、「アっ、蛸や」と叫んで船から勢いよく飛び込んで採りに行く。蛸と格闘して、腕にからめてくる蛸の足を口にグッとつっこむと、炭を噴き出して仕留められてしまったのを見た、と聞いたことがある。

明治の中期から大正にかけては山田穂、渡船、藍那穂、奈良穂など30種余りが栽培されていたが、明治45年に県最初の奨励品種として山田穂と渡船が指定された。

村米制度をよく聞くが、背景としては、明治7年の地租改正の結果、年貢が地価に基づく金納になったため、農家が収量偏重となって品質低下したらしい。当時需要を増やしつつある灘の酒造家が、良質の酒米確保のため動き安定販売先を求める農村と結合したのが成功したということだ。

|

« ひやおろし | トップページ | たぶん今日は稲刈り »

地酒」カテゴリの記事

コメント

 いやはや山田錦にはただの日本酒マニアであるわたくしも脱帽しています。麹の作りようでたんれいな酒からどっしりとした味わいの酒にまで変化する。その変貌ぶりも杜氏のなせる業ですが山田錦はその業によく反応して様々な顔を見せてくれる、まさに酒米の王と思います。

投稿: 中谷 | 2008年9月 1日 (月) 14時41分

何だかんだ言っても山田錦が最高だ、という蔵も多く、全量山田錦を使用する方針だという蔵もDさんとかIさんとかいらっしゃるのですが。大事に使ってほしいですね。当社で約1300俵。去年約30万俵収穫されているようです。当然増やしていきます。地元米育成もいいのですが、酒がうまくないと言われてはどうしようもないのです。

投稿: 不断齋 | 2008年9月 3日 (水) 00時04分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/169220/42312167

この記事へのトラックバック一覧です: 山田錦メモ:

« ひやおろし | トップページ | たぶん今日は稲刈り »