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2008年9月29日 (月)

知らないのはお互い様

酒造業界の苦境が伝えられて久しい。今や他業界の人との日常会話において、酒造業界の枕詞に「構造不況の」とか「不振で苦しむ」とかがつけられるようになった。妙に偉さぶる田舎の旦那も減ったが、採算を考えずに需要家に甘い対応をとるメーカーもやや減ってきたのはいいことかもしれない。この日曜は大阪で8年ほど、地酒の蔵元を集めての会に参加してきた。そんな印象を強くもし、結構苦しんでいそうな話も聞いたが、PRイベントに出ていられるならまだましな方だろう。3次会まで付き合ったが、当社が地元で過半を出荷しているにもかかわらず、県外ばかり売っている蔵だと思っていたという人がいた。大変な誤解だが、他県の蔵なんてそう情報は入らないのか、歪めて伝わるのか。お互い何か参考になることはないかとか探る感触がまた楽しいんだが。何も売る話だけではない、設備や技術、人材、原料とかテーマはいっぱいあって、各種イベントに参加して思うのだが、会場だけで帰ってしまう人が多いのは、自分には信じられないくらいもったいないことだ。毎年少しづつではあるが人も蔵も変わっていく。これには終わりがない。

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2008年9月28日 (日)

こりゃいかんな

販売店さんが遠方の御得意やらを連れて立ち寄られた。新和歌浦の番所公園でバーベキューをしに行くのに寄られたとのことだ。あそこの20060521r080928 芝生と眺めはいいですよね、とか言いながら、時間の関係で久々に資料館だけご案内すると。去年の4月の一部延焼以来、清掃業者に一部洗わせはしたものの、博物館の先生まで来ていただいてあとの相談までしたのに。どうもそれから、そのまんまじゃないか。あんまり観光的な蔵だと見られたくないんだと日頃人にも話しているので、怠け者の性格が出てしまった。気づいたところでどうしようもないが、少しづつでもやらないとな。

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2008年9月26日 (金)

迷惑はかけられないだけか(玄米袋)

9月20日から精米作業は始まっている。今年は富山の五百万石からだった。数日後の今、精米機比較の意味で大吟醸クラスの精米を一部委託している先から通知が届く。玄米袋を再使用しなくなったという知らせだ。委託して精米する場合、玄米は購入した蔵の物で、精米所に預けて精米してもらい、また玄米をいれていた袋に詰め直して、酒蔵に搬入されていた。これが昨今の関連業界全体の信用毀損事件で、不要ではないかという見直しまでなされるということだ。つまり、蔵へ白米が運び込まれる時の荷姿が、中身は白米で外の袋が玄米で一致しない。農産物産地検査証明は一度使用した後は証明の表示を除去、または抹消したうえで流通させないと違法になる。したがって、その精米所は、今期から新袋の紙袋に入れて酒蔵に届けるというのだ。当然と取るのかやむを得ないととるのか、私のようなひねくれ者には、新袋にするコストアップはどうなるんだと思うのだ。ただでさえ、その農産物検査証明を得るために新袋に入れないと検査しないという対応はJAの手数料稼ぎではないかと勘ぐってしまうのだ。検査証明を除去または抹消せず、再び米の袋に入れて流通させた場合は、農産物検査法に基づく罰則が科せられる。1年以下の懲役または100万円以下の罰金だ。契約栽培で農家から直接、蔵が米を買う時に、これがどれだけ足を引っ張るのか。相手もよくわかって直接持って来られるのにわざわざ、新袋1枚80円くらいか、を買って、検査料1俵2,30円だかも払って、伝票だけはJAを通じて、ひどいときは経済連、そして酒造共同組合まで通して何重にもマージンを落として蔵までたどり着かねばならない。一度使った米袋は酒蔵構内、つまり精米後の枯らし期間に白米を入れて積み上げたり、糠を入れて仲買人に売ったり、農家が親類や自家消費に使ったりするしか使えないことになる。お薦めは検査証明欄の抹消後の再使用(中身をシールで張り直す)だが、営業上そんなことができるとは思えない。

600㎏入る再使用できる大きな袋、フレコンを早く使えるように設備を改良しないとコストアップするばかりだ。Img_0786

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2008年9月21日 (日)

週末の利き酒

この1週間は非常に効率的な利き酒を固めてして、蔵元とかにもたくさん会えた。水曜と土曜は東京と神奈川の酒屋さんで取引のある蔵元を集めて情報交換会をやろうというのに乗ったのだが。どうも酒イベントも消費者とか飲食店を集めて営業拡大というのもワンパターンになったみたいだし、仕入先との関係強化に目を向けてみたのかも知れない。駅であった顔見知りの蔵元とちょっと早めに店へご挨拶に伺うと、機嫌が良かったのかいろいろ飲ませてくれた。懇親会に出る前には結構入っていたのだが。やっぱり売れてる銘柄はキレがいいなとか、ラベルもよく考えてるし、何のかんの言ってもスペックが高い(ラベルの精米歩合が価格の割に低い。たぶんいい米も使っているのだろう)なと納得して退出した。これだけで有名居酒屋では10000円になるかもしれない。だいいちアイテムがそろってない。しかし雄町の酒をこれだけまとめて利いたのは初めてだ。懇親会でも随分飲んだので、日曜の帰り道に仕組んでいる大阪での参加行事では悪いができるだけ飲まないですごそうと、珍しくお冷やのチェイサーをパントリーまで取りに行って、水をどんどん飲んでいたが、乾杯用に自社の酒を使ってくれたので方針をやや変更せざるを得なかった。とは言えさすがに「和らぎ水」は酔いを抑えるのには有効だ。いつもよりさらに多く水を採ったのでほとんど残らなかった。やれやれ。

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2008年9月20日 (土)

溝は深い

大阪で内橋克人氏の講演を聞く。1カ月前だかに竹中平蔵氏の講演も聞いていたので、今の日本の識者の考えの分裂の深さを思うのだ。片や格差社会を作り自分も利害関係者だと呼び(名指しはしないが)、片や経済構造を合理化し国際的競争について行けないのでは結局国民は貧しくなるという。極端に言えば、貪欲・冷酷と無知・非合理と互いに批判しているようなものだ。

多国籍企業と地域を担う中小企業を対置して、対抗する思潮を持つように、誠実に内橋先生は話された。曰く、多国籍企業は30社で外貨の半分を稼いでいるそうだが、利益は法人税の安い海外に残すか投資し、国内では商店街を潰し格差社会を作り、地域になどトリクルダウンしない。これはそのとおりで大企業と付きあってもうかったやつはいない。だがそんな二分法が適当だかどうか。株式公開したとたん、あるいは従業員が300人を1人でも超えた瞬間、善玉から悪玉に変わるものだとは思えない。現実の競争環境はそんなに単純なものではなく、立場が強い者が自分より少しでも弱い者には酷薄である連続の結果にすぎない。もちろんそういう者ばかりではないが、「公正」な競争という概念が日本には未熟で、戦国時代の国盗りか中国の孫子だ三国志だのと、軍事闘争の延長的発想で競合とつぶし合いをしてきたのが事実に近い。公取なんぞもその辺の理解はなく消費者利益のための競争促進が先行して、不当廉売だの差別対価だのへの取組はまるで充分ではない。

現在、対置しているのは多国籍企業ではなく、4社で10%程度のシェアしかないNB10数社か地域の中堅?程度であるが、地酒界などまさに蝸牛角上の争に過ぎない。内橋先生には喜ばしい傾向だが、しだい地酒については「小さいことは良いことだ」の考えが強くなってきている。大仕込みよりは小仕込みの方が丁寧だとなればスケールメリットなどないに等しい。

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2008年9月15日 (月)

ブドウ狩り(和歌山県・田辺市)

東北からの帰りに大阪で時事ネタを仕入れて帰ると連休に入るが、一転、のんびりした行事に参加となった。後で当社も見学に来られるとあって迎え行くような具合だったが田辺市の紀南観光農園さんにおじゃました。ブドウ狩りなど20年以上行ったことがない。たしか牛久シャトー以来だ。

ヒキ岩近くの丘陵地で深い山中の趣。静かなことよ。3ヘクタール余りのブドウ園はちょうど収穫期とあって袋に入った房が棚から無数にぶら下がって壮観でさえある。親子2世代の夫妻と中国人研修生が倉庫で家族連れやらにブドウを量り売りしている。こちらは風爽やかな桟敷で弁当を食べてブドウをつまんでいればもうそれで充分なので、房を取ろうともしなかった。Img_0768

最近は巨峰からピオーネ主力に切り換えつつあるらしいが、2005年からワイン用のカイノワールにも取り組まれている。ブドウは植えてから実が成るのは3年目からだが成木となるのは8年かかるというから品種を選ぶのも長期の予測が必要になる。ゴルビーという甘いがサクサクした実が赤いのもあったが、かの冷戦終結の英雄ゴルバチョフ氏の頭が少し赤いのにちなんだというが、そんな担がれ方を氏が知っているのかどうか。

3町歩のブドウ棚の広がりは見渡すと相当の広がりで、べたっとした濃い緑の平面が地形としてできあがっている。Img_0774地形図でみてえらくのっぺりした果樹園だなと思ったのはブドウだったのかと来てみて気づいた。

ワイン用は生け垣状に畝で栽培するのが普通だが、ここでは食用といっしょに棚で作られている。観察すると太い目のピアノ線が60センチ枡くらいで正方形に地上から1.6mくらいの高さで交差させているが、支柱は2m程度の格子になっている。棚の下はえらくスカッとしていて、地面にほとんど草は生えていない。棚栽培は収量が落ちるという。ワイン用なら反に4トンくらいが目標になるが、1.5トンくらいに抑えていらっしゃるそうで、袋へ入れて丁寧に房を取るための方法だから仕方がない。これを甲州のワイナリーに送って、そのブドウでワインを作ってもらい動鳴気ワインと名付けられている。将来ここで醸造に挑戦してほしいものだ。(Img_0779 紀南観光農園

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2008年9月13日 (土)

おばんです

何故か盛岡まで行ってまいりました。ぴょんぴょん舎の社長の講演を聞いて盛岡冷麺というのがどんなものか勉強したり、近江商人系の酒造家がここでも強いんだとか感心して帰ってきた。それにしても、こっちで壇上に立つ人は「おばんです」とまず挨拶するんだが、宮田輝のふるさとの歌まつりなんか思い出してしまってたけどね。酒林にしめ縄廻すのは東北の流儀かいなとか、駅の地産地消自販機に感心し、さるなしドリンクを飲んでみたり、駅前ビルのたぶんフェザンがSに「”」つけて「ザ」読みさせる看板を見ておもしろがったりと、しょうもない所で非日常をちょっぴり楽しんできた。Img_0746

そば粉が入ってない透明感があって超コシの強い冷麺がブレイクしているのは知らなかった。さぞや苦労されただろう社長の高い社会性に敬服したが、この地で完全に認められたリーダー企業になっておられる。南部の風土も大きな影響を与えているようで、これこそ文化の融合だな。

釜石のウニはお盆まで。次は三陸だ。

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2008年9月 7日 (日)

産地訪問(兵庫県西脇市)

いい天気の週末、かねて打合せの通り山田錦の主産地を訪問する。和歌山市から近畿自動車道から吹田で中国自動車道で滝野社まで走り、加古川沿いを10㎞弱北進する。だいたい170㎞くらいで黒田庄町の集荷業者の倉庫まで到着した。高速のサービスエリアには幟が立てられていて、「黒田庄和牛 神戸ビーフの産地」とあったから畜産もさかんなんだろう。

家族経営の若い業者さんが当社銘柄を知っていてくれたのは驚きだったが、皆営業でこの程度の距離の範囲は充分活動しているということらしかった。都市部でお米の勉強会を主宰している女性を駅でピックアップしてから栽培農家を訪問し、倉庫でお話を伺う。丹波市山南町小川地区になるのだろうかそれから圃場を廻るのだが、酒屋に米屋、集荷業者に農家、環境意識の高い消費者と集めれば漫然と風景を眺めるような雰囲気ではなかったのは当然だろう。

Img_0613 今年は山田錦の作柄は良く104、105くらいかもしれないとか。山田錦を1.5ha、コシヒカリを5ha、減反した3.5haは麦と小豆で二毛作。10ha規模の専業農家が保有する倉庫の機械設備はちょっとした工場で20馬力の乾燥機が3台が唸っている。小さいのを入れれば4台ある。一台は遠赤外線式だ。4条60馬力とおぼしいコンバインが入口に駐車しているがまだ新しい。これなら1時間3反くらい慣れれば刈り取れるらしい。機械の中で籾はフレコンと呼ぶ600㎏の袋に入るが、倉庫ではまず乾燥、そして籾擦り、それから米撰機を通して仕上がる。丁寧にやるぶんにはさらに今でも唐箕を通すらしく江戸時代のような手回しのものと、電動で送風する山形県のメーカーの唐箕が置かれおり、これを見たのは初めてだった。コシヒカリのうち134アールはJAS指定を受けた有機の圃場で、今年はさらに100アール追加するようで、都合2.4haが有機となれば、コシの半分は有機になるから、そういうカテゴリーへの直接販売も増えてくるはずで、唐箕はたぶんそのためのものだ。1年完熟の牛糞たい肥を使用するご方針のようで、いやまったく頭が下がる。

今回の視察では新しく覚えた知識も多かったが、一番の感想は農政の行き詰まりだった。政治家は選挙に勝つため専業農家を苦しめている。何故この農家に1/3の減反をさせる必要があるのか非常に非効率に思えた。土曜のことで通り道、親戚どおしで小規模兼業農家が稲刈りをしている。頭数は彼らが圧倒的で、他に安定収入もあるから余計強い。よって経営規模拡大、担い手育成は進まないわけだ。

他に山田錦と、無施肥無農薬の農林22号、初霜の圃場も見てきた。主産地であるがゆえ問題は目立つ気がした。

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2008年9月 3日 (水)

草刈りをして

今日から裏山の草刈りに取りかかってもらうので、自分も山ナタをとノコギリを振るってしばらく作業がしやすいようにと道作りをした。2時間余りで会社に帰ってシャワーを浴びるという体たらくだが事務の仕事や見学者もくるから着替えないといけないと言い訳をつぶやく。わずかな間にサウナに行った以上の汗をかいていたから、山仕事はキツいものだ。これを続けて数日やってくれるというプロは大したものだと、装備や仕事ぶり、ブッシュをどう払っていくのか手順を見て感心もし参考にした。

酒屋関係のイベントの案内も届くようになった。酒造シーズンに入る前に、懇親会だのPRイベントをやるわけだ。山田錦の冊子を仕事の合間に読む。勉強の合間に雑誌を読む感覚だが、今日知ったことは、気象と品質の関係だ。千粒重は出穂前20日間の日照時間が多い場合や出穂後11日目から20日目までの気温が低いと大きくなる。特に最低気温と相関関係が高く、夜温が低くなる気象条件が良いらしい。特記事項にある。酒造りが安心してでき使いやすい。酒質は味の幅が広く、最高の評価を得ている。うまくまとめている。

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