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2008年9月20日 (土)

溝は深い

大阪で内橋克人氏の講演を聞く。1カ月前だかに竹中平蔵氏の講演も聞いていたので、今の日本の識者の考えの分裂の深さを思うのだ。片や格差社会を作り自分も利害関係者だと呼び(名指しはしないが)、片や経済構造を合理化し国際的競争について行けないのでは結局国民は貧しくなるという。極端に言えば、貪欲・冷酷と無知・非合理と互いに批判しているようなものだ。

多国籍企業と地域を担う中小企業を対置して、対抗する思潮を持つように、誠実に内橋先生は話された。曰く、多国籍企業は30社で外貨の半分を稼いでいるそうだが、利益は法人税の安い海外に残すか投資し、国内では商店街を潰し格差社会を作り、地域になどトリクルダウンしない。これはそのとおりで大企業と付きあってもうかったやつはいない。だがそんな二分法が適当だかどうか。株式公開したとたん、あるいは従業員が300人を1人でも超えた瞬間、善玉から悪玉に変わるものだとは思えない。現実の競争環境はそんなに単純なものではなく、立場が強い者が自分より少しでも弱い者には酷薄である連続の結果にすぎない。もちろんそういう者ばかりではないが、「公正」な競争という概念が日本には未熟で、戦国時代の国盗りか中国の孫子だ三国志だのと、軍事闘争の延長的発想で競合とつぶし合いをしてきたのが事実に近い。公取なんぞもその辺の理解はなく消費者利益のための競争促進が先行して、不当廉売だの差別対価だのへの取組はまるで充分ではない。

現在、対置しているのは多国籍企業ではなく、4社で10%程度のシェアしかないNB10数社か地域の中堅?程度であるが、地酒界などまさに蝸牛角上の争に過ぎない。内橋先生には喜ばしい傾向だが、しだい地酒については「小さいことは良いことだ」の考えが強くなってきている。大仕込みよりは小仕込みの方が丁寧だとなればスケールメリットなどないに等しい。

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