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2008年11月24日 (月)

酒粕タンクを一部処分して置き場を作るの感

人によっては三連休初日になるが、今日は酒粕を踏み込んでフンゴミ粕を作るためのタンクを2本ばかり引き取ってもらった。酒を搾って粕ができると、一部は切り揃えて袋詰めして売ります。そしてヘタの部分とか、そんなに売れないから大部分を、昔はそれ用のタンクに放り込んでいって、上から人が乗って足踏み作業をします。それで踏みl込み粕というのですが、春の製造が終わってからの地元側の仕事でした。粕内に残存した酵母の発酵により、濃い茶色に半年もすれば変わってくるのですが、これを奈良漬用とかにするのです。今でもけっこう農家さん等が野菜を漬けるのに買いに来てくれます。ただこれがそんなに売れるわけでもないので、大部分は糟屋に引き取ってもらって、それをまた漬物屋に売る、そういう循環だったわけです。タンクからシャベルで掘り出して運送用の小桶に入れるのが、酒屋で最もキツイ仕事です。なにしろ酔ってくる。今まで知らなかった私など呑気なもので、世の中は大抵そんな踏み込みなどせず、搾ってすぐ米袋にでも入れてバラ糟として糟屋へ運んでしまうのがとうの昔に主流になっていたのでした。人件費をかけ時間をかけて少しばかり高く売れるよりは、場所も節約できる、ということです。以前は春になったら仕事が減るから作業量確保の意味だと思います。

昨今、本当に酒粕の需要も減ったようだし、不透明で検品に限界のある粕をリスクを冒して売るのはもういやだとメーカーが考えるようになりました。そもそも糟ですから酒袋等の糸、ササラの竹先の破片など、入り込むのが普通なんですが、それが今の消費者には通用しません。機械部品なら金属探知機というのも効果があるでしょうが、発酵タンクの上で割れたんだろうか電球の破片のガラスが問題になったようですし、米の中に入っていた砂とかも最後は糟までついて行きます。事故米だの偽装、農薬混入だのでメーカーは信用もなく、何があってもImg_06392 ひたすら恭順ですが、ちょっと質の違う問題だと思います。それもあって安くても専門業者に引き取ってもらおう、売るならそこでPBで製品化してもらってまた仕入れればいい、ということになったのです。

それは質だけなら、蔵で純米酒の板粕を丁寧に袋詰めしたものがいいに決まっていますが、正直、自社の売店くらいでしか売りたくありません。スーパー等で大量に売れというなら、何か入っていても意義は唱えないという約款を付け、それでクレームは敗訴という判例を定着させない限り不可能です。そうでなければ、酒粕は専門業者で製造した各蔵用のプライベート表示のものになっていくでしょう。どこか現在の流通というのはおかしなことになっているように思われてなりません。

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2008年11月22日 (土)

純米化率ランキングを酒造組合総会の後作る

酒屋の社長の仕事としては、税務・組合関係だけは社員を使えない部分です。今年も総会を、海南でやってまた県でやって、二重構造で年に2日も費やします。自分もいい年になってしまったのに、そのまた親と同じ年くらいのメンバーが中心だとなると、下を向いて資料を読んでいるしかありません。総会時期だからか全国の統計が年間でついていて、最新の統計データとなります。平成19年9月から20年8月までの課税移出数量があり、全国で669,629キロリットル、約372万石(一升瓶で3億7200万本)、対前年96.0%とあります。和歌山は2668キロリットル、約14800石(93.3%)、輸出が全国で10,298キロリットルありますから、当県の4倍ほどは輸出されているということで、いかにシェアが低いかがわかります。それにしても昨年に比べて出荷を増やしているのが、山梨と山口、沖縄、輸出だけというのはいただけません。酒質の内訳まで見ると東日本が純米酒カテゴリーでは数量を伸ばしており、明らかに販売方針のシフトが伺えます。それでも全国の純米比率で8.7%、まだ1割もいってません。我が県は純米化率18.9%、これは結構高順位です。あまり大きくないメーカー主体の我が県で当社が1割程度の構成ながら95%くらいが純米ですから、そういうところに貢献できたのは光栄です。当然商売上は他社が当社の分を狙ってきますから、いやいやながらであれ純米比率が増えるわけです。同業者を動かすというのは、かくも難しいもので、絶対感謝などされません。

トータル数量の対前年比で和歌山以下のところが18県、7割台というところもあって悲惨な状態です。千葉、栃木、福井あたりは純米で2割以上伸ばしていますから、かなり地域間格差もついているようです。

ちなみに純米+純米吟醸の構成比、純米化率といっても良いでしょう。これのトップは石川42.9%、2位山梨35.5%、3位宮城29.9%---で9位が和歌山です。近畿では奈良が5位26.6%、滋賀13位13%。つまり近畿の灘・伏見以外が差別化のため純米化に取り組んだ傾向がはっきりでています。エクセルでたまに遊ぶとおもしろいものです。7年ほど前のそれと比べると、杜甫のように涙があふれてしまいます。開けるかどうかわかりませんが、ファイルを付けておきますから、お暇な方は見てやってください。

「200808.xls」をダウンロード

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2008年11月20日 (木)

クレア・イーツ

株式会社文藝春秋が「クレア」という、女性向け雑誌も出している。そのまた特集号を「クレア・イーツ」としてクレアの2007年9月号と2008年8月号掲載の記事の一部を再編集して、第1号(2009冬)を出されたテーマが、「地元の通が教えてくれた47都道府県のクチコミ手土産」。地元局女子アナ&タウン誌編集長のお気に入り手みやげ、とある。採り上げていただいたのはうれしいのだが、何と表紙の左下に。たまにラベルに凝ったこと、地元の写真家に撮影してもらったこと、そしてまずコラボ製品で地元県のイメージを出しやすい日本酒ベース梅酒だったことがポイントだったんだろう。

あまりこういう対策に熱心でなかっただけに読んでみると、これはりっぱな調査だ。対象からして甘い物が多いが、和歌山では菓子類以外でいうとラーメン、梅酒、茶粥の缶詰め(これを採ったのはエライ!)、ちゃんと黒江漆器の盛り器も選んでくれている。それはいいんだが、全国を見ていくと、アルコール類に限れば、ワイン5、梅酒4、清酒4、ウイスキー1、地ビール4、焼酎1。女子アナと編集長ね。さて、どう見ますかね。清酒については、低濃度微発泡、普通の純米、槽木しぼりの純米大吟醸、カップ酒のコンテスト受賞品、という具合だ。

各県の名物や食文化をいろいろ考えて見るのにはいい材料だ。980円。そのうち居酒屋向け雑誌も合併再編で別冊だすかな。

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2008年11月14日 (金)

未知との遭遇 アサヒガニ

横須賀へ久しぶりに行った。挨拶に行って飲ませてもらっていたのでは恥ずかしいかぎりだ。軍港というイメージで、日露戦争の時の旗艦三笠が陸に固定、展示されているのを見学したことがあるし、アメリカ海軍の基地といった印象だが、電車に乗ると通勤圏だなというか。最近では小泉元首相の地元じゃろという記憶なんだが。

もう少し南下した久里浜という、本来は三浦の漁港という街で、「地魚料理かわかみ」さんなんていう看板のお店へ連れていただくと、出てきたのは、アサヒガニだった。これは未知との遭遇で、もともと蟹類は和歌山では少ない。りんごみたいな甲羅で見事な赤、ちょっと初見では不気味かな。甲殻幅5センチ、甲長10センチくらいが普通というから、あれは最大級のものだったのだろう。食べればカニはカニで、さっぱりした茹で味だった。ウィキで引っ張ると、水深20-50mのやや深い砂泥底に生息し、歩脚で砂底を掻いて後ずさりするようにしてもぐり、複眼だけを出しているらしい。食性は肉食で、貝類やゴカイなど小動物を食べているヤツらしい。相模湾は紀伊水道と住人は違うな。Img_4764

しかし人口50万人というから和歌山市より多い。元首相の子息4代目に民主党が同じ年の若手弁護士をぶつけてきて戦機は高まっているそうだ。

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2008年11月12日 (水)

serendipity(セレンディピティ)

セレンディピティ、ふと見たり出会ったりした物の中に思いがけない発見をする能力、というような意味らしい。日経産業新聞のネット版で読んだ。安西巧さんという編集委員が、キャノンの将来の収益の柱があるのかというテーマで、インクジェットという方式の開発のきっかけについて触れられている。不断の努力と洞察力が必要なんだそうだ。

でも機械の開発に限らず何にでも「当てる」というレベルには必要なことだろう。そういうものがないと、真似るとかより安く、というレベルになってしまう。どういうものが売れるかとか、どういう企画がいいかとか。何かについて分析するについてもそうだ。

忙しいから考える暇がないというのも言い訳のようで、インクジェットプリンターの場合で言うと、インクの入った注射針にハンダごてがうっかり当たってインクが気化して噴き出したというのだが、それから17年の試行錯誤があったという。郷里の和歌山でいうと蚊取り線香を発明した人はある草を燃やしているとその煙に当たった蚊が落ちたのを見て、練ったり固めたりで何年もかかって製品化されたという偉人もいる。日常的に試行錯誤していたから起こったハプニングであり、ただ考えていたわけではない。

どうも酒も世界の土俵は狭いような気がするのは無能なせいか。いっそ新しい種類のものを考える方が早い気がする。リキュールは自由度が高いので各社いろんなものを混ぜてトライしている。それはそれで、ということか。

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2008年11月 8日 (土)

どこまで書くんや

何ということもないが多事な一日だった気がする。

いやー大変ですね、と資材屋さんが兵庫県の紙パック清酒メーカーの廃業を告げるので、こちらはローカル紙で読んだ県内椿温泉の老舗旅館廃業の話をした。いやー、第二次大戦中のそこの旅館の領収書が出てきたから、一度それを持って温泉行ったらウケるんじゃないかなんて思ってたのよ、という軽いんだか重いんだかネタを出したんだけどね。

かつて新婚旅行のメッカとなた和歌山市の和歌浦の温泉街が寂れた話もしたが、カジノは話だけだろうけど、シニア向け施設の立地とすれば医大病院は近いし、海の眺望もそれ向きだな。観光分野とどう組むか。昔の協賛スタイルは意味がないし。研究もしないとな。

思い出してもショックだったのは、最近のイベントでの来場者との会話だ。ある年金生活の方は利き酒はすごくできるが、ふだんはパック酒だそうな。こういう時だけ良い酒を飲める、と。またある方はリストラにあって、普段は大容量甲類焼酎だがこういうイベントがあるとまともな酒を飲めるそうな。これではそういうイベントへ「中取り」だの「斗瓶囲い」だの持って行く意味があるのかということになる。

 最近元気がないとか聞くややDS+地酒もありのお店のオーナーの話も思い出したな。いくら何でも家庭でキュービテナー(18Lのポリ容器。大きめの飲食店用)の甲類焼酎が売れてる?。これは中毒だろ。確かその○○発酵も少し前に何とかなったよな。もっと辛かったのは、異業種交流の飲み会で時々あう歴とした自営業の奥さんの話だ。普段は大手の紙パックだが、ちょっと気分が良いときだけお宅の純米を飲んで下さるということだ。「生活に親しまれる本物の純米酒」という私が標榜しているような所とは食い違っている。どうなってるんだ。1社ですべての層もカバーできないのはわかっているし地域差もあるんだろうが、全体的には下方修正は避けられないだろう。

欧米の景気悪化も気がかりだ。日本食ブームというが、今回の金融危機でダメージを受けるのは、その顧客層の飲食店のはずだ。ちょっと輸出の変調は避けられないのでは、と思った。

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2008年11月 5日 (水)

地球温暖化と酒造り 機械屋さんの発想

酒造シーズン到来で蔵に醸造機械屋さんが訪ねてくれた。聞けば今日同じ街にいて同じように山の中をすっ飛ばして来たようだった。昨日はそこに泊まってある蔵の「米洗い」の祝いの席に呼んでもらったらしい。蔵によって酒づくりの始めにあたって蔵人に一席設ける会の呼び方が微妙に違うんだな。うちだと「もと始め」だが。

へぇーどこか機械屋が倒産したって。全然驚かないよ、この時勢と関連業界では。とは言え、例によって何か見積もり書いてよで終わったけど。年々高温化する環境において、ある意味温暖化対策は大手の方が進んでいる。長いシーズン大量に酒造りをする必要上、タンク、水や蒸し米を冷却したり放冷機やエアシューターの空気を冷却したりする必要があったから。銘醸地はかえって蔵の冷房化が遅れていたりする。しかしその仕込み水を凍らせて仕込水を一部氷と代えるという発想は機械屋さんらしいや。確実だけどな。

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2008年11月 3日 (月)

つきだし

連休でもあるが、懇意の飲食店を訪ねる。この時勢に8月から前年同月を大幅に上回る成績。心なしか客は若い。いや、そんなことないですと。カウンターもあるが、BOX席中心、座敷もあるが普段は締め切っていて、大口が入る時だけ使用する。郊外店なので家族の食事主体になってきているそうだ。たしかに車でないと来られない所だ。私は別格で鉄道駅からこそこそ歩いてやってくる。

マスターの分析ではメニュー改正において、「つきだし」をやめてしまったのが良かったそうだ。居酒屋という場合、座るとまず小皿に何か入れて出してくる。一杯目のドリンクの当てにしてくれというわけだ。注文客も大抵心得ているが、店にもよるが何百円かがチャージされる。こういうスタイルがいつ頃から定着してきたのか不明だし、どれだけ普遍的なのかもわからない。

これが、恐慌も予感されるような引き締めモードとなると、そういう注文してないものでの料金付加への抵抗は、殊に家族客には強まっているらしい。大体、運転する方が飲まないのが常識の時代、ドリンクは瓶ビール1本で、あとは食事メニューだというから。カウンターで2人共アルコール飲料をすするアベックなど昔日の光景になってきているのか。他で好調の店も同じ理由だと聴いた。とはいえメニューをよく見ると、肉類の産地を明示する変更をして、少し単価を上げているのだが、それはまた好評なのだそうだ。つまり少し高くても安心したい、でも意味不明の料金請求はノーというのがお客の動向なのだそうだ。アルコール飲料を供給する立場ではもう何か言う気にもならない。とは言え郊外でも農家集落も分譲住宅地域に混じって残るあたりで、祭りのあとの打ち上げだそうで近くの在所の婦人会が歩いて帰っていくのを見ると、外呑みもゼロにはならないだろうなと思ったが。こちらは反対の駅方向へ歩いて帰る。

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