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2009年6月 7日 (日)

和歌山県内でも山田錦を栽培しています(田植えⅡ)

土曜に続いて山田錦の田植えだ。今度は和歌山県内、有田郡有田川町清水だ。ここは有田川中流域の山の中で、昼間と夜の気温差が大きく、いい米ができると和歌山県内ではかつらぎ町の天野と並んで評価される所ではある。久野原地区は標高が270m程度、資料では縄文時代の遺跡内だから人が早くから住み着いた安定した高台地だ。

Img_14262 ここの栽培田は電柱も写らない、いいアングルなので大好きなスポットでもある。6日に田植えしたが、20日苗で葉令は1.5、かわいい苗でちょっと肥料をやりすぎたので背が伸びているようだ。また種まきが連休明けでその頃は気温が高かったということもあるそうだ。昨日は低温の話ばかり聞いていたので、さすがに場所によるようだ。やはり坪50株植えで、だいたい山田錦は薄く蒔いて植えるというのが定着しているようだ。今後の努力に期待しよう。

3人の栽培家が来てくれたが聞いていておもしろかったのは5年前に建設業から農業へ移ってきた方の話だ。兄弟で経営していたが公共工事減少で、共倒れにならないように自分は違う分野へ出たという。それだけに柔軟で新しい栽培方法に意欲的だ。兄貴も1ヶ月は遊んでるんじゃないか、と言うからきっと正解なのだろう。養蜂の手伝いもされているので、秋は忙しいようだ。

Img_14242

清水の名所といえば「あらぎ島」でホタテ貝のような有田川ヘアピン屈曲点内側に発達した緩やかな河岸段丘の棚田は、県中部の観光の看板になっている。ここもすっかり田植えが終わっていて、農夫がひとり手入れをしているのが見て取れた。

コシヒカリの話ではあるが、箱植えした苗は1100円くらいで買うこともできる。これを22箱、1反に植えれば24200円、肥料代は反当たり2.5万から3万だそうだ。用水費がただか1万かは場所による。減反を無視して自分で売るとすると、10俵とると60㎏12000円手取りを目標にして12万か。土壌改良に努力して800㎏取れた例もあるというから、きっちりした収穫予想はできない。できないのが農業だ。乾燥ともみ擦りコストが1反当たり1万とすると、さていくら残るだろう。検査に出すには指定の米袋がいる。JAの袋は80円くらい、コメリのは35円だが2重で検査には使えない。検査料も要る。苗は買わずに自分で作るとなると箱代がJAは400円、コメリのは100数十円、培土が㎏30円程度、籾代が㎏800円なら2600円ほどかとか、シート、燃料費、公租公課、保険料と積算はきりがなくなるのであった。地代はゼロとせざるを得ない。

人件費と機械の償却費をのけて反6万残るかなという、おおざっぱなイメージを得て、1000万円設備投資を5年くらいで回収として単純に200万、自分の給料を目標500万として700万の粗利を得るには約12ヘクタール必要だという単純計算がでる。まぁその規模やるなら、苗でも何でも自分で作ってコスト削減するだろうし、だいいちそんな広い田は和歌山県では確保できない(産地なら30でもやっておられる専業は多い)、増収だって高付加価値化はめざすはずだ。酒米はもっと高い。わざわざ高い米を買いに来るこういう蔵元だっている。ブランド差が米ははっきり小刻みで見える。反10万残る経営なら7ヘクタールで済む。問題は大部分が兼業で米だけで生活しているわけでもないので、そんなに細かく計算していないようなのだ。償却後の機械設備で小規模にしか行われていない。しかし品質にはこだわってほしい。

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