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2009年10月 5日 (月)

神様みたいなお客様もいました

週末ある居酒屋で消費者と語り合える場を設けていただいた。こういうイベントをやるくらいの店ではどうしても特殊商品を全国の蔵から集めて次々と変えていくことになる。店にとって差別化になるからだが、それがある程度ボリュームを確保できるアイテム、要は稼げる主力品の販売につながるのかどうか。オーナーさんはいい人だが、本心で清酒の主な需要先は料飲店市場「外飲み」だと思っておられる。また特別なアイテムで好評となれば、通常品の宣伝になるはずだとも確信されているようだ。さて、こういうところで特殊品を飲んだ消費者が、同じものを買いたいと希望がでてきたら厳密には同じものは数量のこともあってまず不可能になる。販売店間での公平の問題もあってこっそりどの蔵もやるようになる。そんな不安を持ちながらも話を聞いて廻ると、こういうイベントは当然たまにしか来ませんが、普段は家で御社の主力品を飲んでますというお客様に遭遇した。こういう人は神様だな。

多くの蔵が限定した先にしか対応できないものに入りこんでいくと、ハイエンドな部分は多数の小規模蔵に分散、分担されることになる。そんな状態をある専門店の店主は今の地酒市場はいい状態になったと表現されている。大手や量産メーカーに対しての優位を表してもいるが、実際そういう小規模蔵がその部分で経営できているのかを観察していると怪しすぎるし、高級カテゴリーのデフレを促進している。もしかしたら清酒全体の需要をも内側へ爆縮(インプロード)してるんじゃないかとこの前から気になっている。少なくとも評判とか見栄の張り合いにだけはならないようにしたいと思っている。

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地酒」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しております。
この記事、飲み手側としてもまったく同感です。
本当に日本酒を愛する飲み手としては、蔵元を圧迫するような問屋や小売店側からのマニアックな、それも蔵の経営に負担をかけるような要求はペケだと思います。
結局それは、自分で自分の首を絞める、ということだと思いますから。
一時の欲ごときで歴史ある酒文化を疲弊させてはなりませんね。
「希少な」ものよりも、普段使いの酒の品質こそを飲み手側も自分の舌を鍛えることで蔵元にフィードバックさせ、お互いの存在力でより良い製品へと進化発展させるような体制こそが健全ではないかと思います。

投稿: 合氣堂 | 2009年10月 9日 (金) 16時11分

お久しぶりです。トキっていたんでしたっけ。彼らも元気なんでしょうか。そう、このネタのテーマの居酒屋さんでは、魚柄さんも来られていました。囲炉裏を使うなと都の消防に懇願されていらっしゃるようで、お元気です。最近の作品では「明るい食品偽装入門」(株式会社サンガ)がおもしろかったです。紙パックの酒を
茶漉しで甘酒を造る用の麹にかけてまたパック酒に戻して偽装吟醸酒というのが特に笑えました。まぁ吟醸ではなくまともな普通酒にはなるようで、これは経済酒の麹歩合の低さを暗に指摘されているのではないかと勘ぐったのですが。

ただ、私も甘えるつもりでぼやいていたわけではありません。もっと努力もするのですが、はるかに先行して成果を出している人達があまり報われていないなと言う感想なだけです。

投稿: 不断齋 | 2009年10月 9日 (金) 19時59分

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