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2009年12月14日 (月)

ケシキスイの話と梅の相場

梅酒に関わりだして米だけでなく梅との付き合いが始まり、「農」を見る幅と機会が増えたことがうれしい。和歌山では米よりはみかんやウメといった果実のウエイトが圧倒的だし。例年米農家と収柄の予想と米の見方の勉強に精を出してきたが、米と比べて、果実は、収穫量や値の変動が非常に激しく、農家の収入は不安定なものだと知った。米作に執着する傾向のある農家の気持ちは徐々に理解できてきた気がする。

梅農家は青梅のままか塩漬けにしてJAまたはブローカー、青果市場経由で梅加工業者、つまり梅干製造業者に出荷していく。外から見える値は青梅の値と塩漬けの梅の値だ。清酒業界は苦境打開の一策として、最近は青梅もしくは完熟梅を買って、梅産地から離れた清酒の蔵で梅酒を漬け始めたが、産地で各種の梅がいろんな形態で取引されるのを聞けば聞くほど、とても入っていけないと思うのだった。

今年の地元でのテーマはケシキスイという、産地以外なら和歌山県内でもみんな知らない昆虫の話だ。アカマダラケシキスイという小虫は梅の害虫で、収穫の時地面に梅が落ちるとすぐ入り込むらしい。金をかけた畑は地面近くにネットを張って、梅が地面に付く前に採集できることをめざしている。たいてい地面に触れるからこの虫の進入を防ぐことは非常に難しい。塩付けすると実の中で死んでしまうから、梅干のクレームの元になる。そこで塩漬け前に水に浸けると急いで飛び出してくるから、20分以上はネットでつり上げて水槽に沈めるという、簡単と言えば簡単ながら当事者にはやっかいな工程を梅加工業者が、迫って農家に強いるような感じで加えたようなのだ。聞けば設備投資の代わりに10㎏1桶当たり1年目は500円、2年目は300円とか買値に上乗せしたとか聞くが、処理済みのものの相場がそれだけ高いとすればいいじゃないかと、産地外の者には理解できないことだった。別の人によればその関連で去年はすごくフォークリフトが農家に売れたそうだ。会計関係に聞けば、買値が上がって、出荷が不調だから加工業者は今年はみんな苦しいとか言う。加工業者に言わせれば、梅干需要がものすごく悪いから塩漬けの梅の買取価格はとんでもな下落だというから、だったら農家の出荷価格は上がったのか下がったのかわからなくなってしまうのだった。たぶん下がっているんだろう。塩漬10㎏7000円が5000-6000円とか聞くが、サイズに品等とあってこれも詳細には不明だ。梅酒原料は塩漬け不要なのでそんなにしないが、安ければいいとも言えず、どこの業界も大変だなと思うばかりだ。

これまで和歌山では梅産業と言えば唯一といっていいくらい恵まれた環境であったが最近はそうでもなさそうだ。この虫が存在する意味とはいったい何だろう。

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