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2009年12月11日 (金)

最高級とはどういうものを言うのか 大吟醸と純米大吟醸

お客様に自社の製品をご説明する。これは当たり前に日々やることなのだが、販売店様や飲み手にするのとちょっと勝手の違うのが、銀行、県庁職員といったところで、国税関係者もまた違うところだ。よく聞かれるのが、おたくで最高級の製品は何か、どういうものかという質問で、原価や販売価格で純米大吟醸だとお答えすると後がやっかいになる。何しろ数がないし、買ってあげると言われると予約がどうの発売時期がどうのと、ご説明が必要になってこれが大抵相手に面倒くさい印象を与えてしまうものだ。こいつ売る気がないのかというわけだ。地酒に詳しい販売業者なりマニアな人ならまた斗瓶取りの何とかであることは知ってくれてもいるのだが、それはそれで難しい問題もあるが話は通じやすいものだ。「最高級」というのはラベルには書けないらしいが、この意味はちょっと深いものを感じた。級=CLASSというからは、一定量が確保されそう面倒な制約なしに提供できなければならないのではないかということだ。最高級「製品」となると、斗瓶みたいなものは製品ではないのではないかという考えもあるだろう。あれは本来製品ではないが、ということだ。今、これを満たすアイテムとしては大吟醸「一掴」(ひとつかみ)という平成初期までの標準スペックYK35大吟醸がある。絢爛豪華というタイプでもないが綺麗な酒でラベルも重厚感がある。自分で言うのも何だが結構地元ではお客様がついている。720mlで3500円となると普段飲んでいただくとなると相当のお金持ちとなるが、そもそも「高い酒」をどういう時に飲みたいかというと、何かやってうまくいった時、それを実感したいから、というひとつの解答を私は用意している。ギフト用ですなどと答えてはならない。ラベルは明治時代のものの復刻であるが、酒銘の脇にくずし字で「なんのその千萬円も」と書いてある。想像するにバクチか商売で一儲けした者が、「もっとやったるで」という意気で、ああうまくいったと祝杯をあおるという構図なのだ。「一攫千金」が酒銘のテーマである。こういう需要のためにきちんと仕込んで、ある程度常に対応できる量を用意してあるので、最近は最高級品というとこちらに誘導している。年の瀬やお正月、できるだけ多くの人がこういう気分でこの製品を飲んでいただけることを祈っている。Img_3767

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コメント

一掴のストーリー初めて知りました。
てっきり「お米の一掴み」に思いを込めて、みたいな杜氏ロマンかと思っていましたが、一攫千金でしたか(笑)。
むしろ分かりやすくていいわ~。
佐渡も新酒が出揃いつつあります。
今年も楽しくてためになる記事をたくさん発信していただき、ありがとうございました。
それと黒牛の今期の搾りは新しい機器で搾られたとか。年末の飲み会で飲んでみます。そんなことも飲み手の楽しみになります。
それでは来年もご活躍ください。

投稿: 合氣堂 | 2009年12月12日 (土) 09時47分

コメントありがとうございました。12月では火入れは新酒入ってないんじゃないかな。中期、長期では絶対いいはずです。ゴム臭とかはなくなります。換装後しばらく臭い抜きに時間がかかりますが。まぁ年明けから少しづつという感じで。あと製氷機を増設しています。地球温暖化対策みたいなもので、おもしろくないコストアップ要因です。佐渡もまたご訪問できればと思いますが、承久の乱ってたしか1221年頃ですから、800年記念祭くらいはやるはずでしょう。あと12年もあるから、それまでには行きたいですね。

投稿: 不断齋 | 2009年12月15日 (火) 14時10分

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