甑倒し(こしきだおし)
そろそろ甑倒しですね、と言われる時期になりました。この土日あたりで大吟醸を上げる(搾る)と言っていましたから、そろそろ蔵もペースダウンでしょう。それでも純米酒の仕込はまだ大分あるようです。最後は普通酒と純米普通酒(アル添しないが普通酒表示)で締める予定ですが、4月上旬とかになりそうです。
甑というのは、要は大型の蒸籠(せいろ)のことで、一度に大量の米を蒸すためのもので、底に穴のあいた木の桶と思っていただくといいでしょう。洗って水を切った白米に底から蒸気を通して、アルファー米化します。デンプンの組成をアルファーにしないと麹菌はハゼ込まないからだそうです。もっと簡単に言えば麹が作れません。
甑倒しというのは、その年の仕込みに使う全ての米の蒸す工程が終わったので、甑を釜のうえからはずして、倒すして片付けることから、そう呼ばれるのですが、これが終わると後は2日後に最後の出麹があり、3日後が最後の留めの仕込みのはずで、発酵工程だけが残ることになります。蒸しが終わるとかなり手がすいてくるようで、大きな節目になっています。
甑は、本来は木でできたもので、今でも木甑にこだわる蔵もあるのですが、ステンレス製の二重壁やら、蒸気の清浄・加熱器と改良を加えたものに変えているので、今や倒すことは出来ません。大きな蔵では箱型の横型蒸米機で内部をコンベアで動かしながら蒸しています。それでも甑倒しという語は共通の用語として残っています。
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