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2010年5月22日 (土)

琺瑯(ほうろう)タンクは意外に長持ちする

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どうやらこういう眺めは、ここがダメでも相当続くらいい。

仮にこの酒蔵が倒産、火災、津波その他で取り壊されても、何やら古くさくて大きな建物にだいたいが緑色に塗装された金属製のタンクが置かれている光景というのは、今後100年やそこらでなくなるものではないという。

琺瑯タンクというのは、ガラス質の釉薬を塗り焼き付けたもので、これまでゴミの山くらいに思っていた。中古の醸造タンクを売ろうにも買い手はなく、この地方では果樹園の水槽とかに捨て値で引き取っていかれたり、漁場の魚の住処にと海に沈められるものとしか思えなかったのだが。

補修に訪れた専門業者さんによれば、醸造業界に琺瑯タンクが導入されたのが、大正2年から3年(1913~1914)頃という。当時は濃いオレンジ色の塗装で鋼鉄製外枠がついている。東京のS社で昔見たことがあるが、あれは貴重なものだ。昭和に入ってグリーン塗装のものが出現、ただし爆発的に普及したのは、好景気の昭和30年代で、当社の資料館を見ても、昭和一桁の頃、まだ木桶を新調していたようだ。それで、丁寧に補修を重ねていくと、琺瑯タンクは100年や200年保つというのだが、さて本当だろうか。

今や白米1トン仕込み(純米吟醸に適合)向きの3KL~4KLの中古タンクは稀少で出物がない。つまり純吟が売れている蔵に廃業は少ない。7KL~8KLの標準的なタンク(2トン仕込の普通酒に適)には買い手がいない。そして酒造業の衰退で、タンク業者も撤退を重ね、今や新品は10KL以上(たぶん化粧品か薬品用だろうね)しか作らないという。つまり今あるタンクを補修しながら使うのか、ステンレスのタンクを新調するしかない、ということらしい。でも100年から200年も保つなら大丈夫だ。誰か言っていたが、今酒造家がつぶれないのは、償却済みの設備で酒を造ってるからだ、という意見があったが、タンクの部分には当てはまりそうだ。

そんなに琺瑯がもつとは思えなかったし、ステンレスタンクは20年くらいしかもたないという主張にも検証は必要と思えた。ステンレスにもランクがあって、タンク屋が力むところなのだが、これからいろいろ聞くネタができた。

この日、いつも社員が自分達で補修材を塗ったりしていたのを、ものの1時間で数本直して帰って行ったが、それで火入に使うなら10年、仕込みだけなら15年もつというが。酒を貯蔵するなら琺瑯の方がよく、ステンレスタンクはどうも、とは自分も聞いたことがある。醸造用品の世界は、それぞれ思い込みがあるようだが。

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