富山の酒米圃場を見て来ました(五百万石、山田錦等)
年に1回ですが、今年も富山県の酒米栽培農家を訪ねて来ました。当然圃場廻りが主目的です。4月の低温でやや生育が遅れていたようですが、五百万石の田は葉色が濃く今後が楽しみです。
米屋の技術担当君が田に分け入り、標準的な1株を抜いて脇の水路で洗って土を落とします。それから分けつ数(茎の分かれ数)、草丈、茎幅(直径)、根長を記録します。ポット苗2.5葉を3本植え程度、坪50株で、ゴールデンウィークに植えたそうです。苗の生育期間に低温期があり、発芽率が悪くて欠株があったようですが、分けつ数30というのは、結構いいようです。全体の平均はもう少し低いようですが。出穂は7月25日頃と予想され、そこから1カ月程度で稲刈りとなります。反9俵は難しいだろうということでした。
山田錦の田は山に近く、一枚ごとに段差がはっきりわかる傾斜のあるエリアにあります。田植えが遅いので他の田より少し小振りですが、根の色がきれいで、つまり根の本数が多く、よく根毛が付いていていい土ができているようです。見ていると必ず根の臭いをかいでいますが、うまく育てると良い菌が硫化水素を食ってガスが湧かないんだそうです。PSBとかクロマチウム菌とか言ってました。
5月10日田植えだったそうで、2.5葉で坪60株、今のところ分けつ数27です。日照時間に反応する山田錦は8月20日頃出穂します。その後の気温積数1000(30℃×34日とか)で稲刈りとなります。温暖化なのか、少し稲刈りが早くなってきていると聞きました。この登熟期間の温度が米の性質、割れやすいか、とか溶けやすいか、とかに影響してきます。
勉強ですから、コシヒカリ、フクヒビキ、冨の香とかも一緒に見ていきます。さすがに素人では株を見て品種はわかりませんが、言われるとそれぞれ違うようです。加工米用の多収量品種とか新しい酒米とか、いろいろな目的で品種開発され試されているのは感心します。
ということで、あとは諸情勢の意見交換、懇親会となります。構造的にお米は余っているようですが、いい酒米は、できた製品の評価が良ければ減らないはずです。良い米さえ確保できれば良い酒ができるわけでもありませんが、すべてはここから始まります。
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