今年の酒米は豊作です-圃場見回り(1)
早起きして岡山の雄町と山田錦、兵庫に移動して山田錦と圃場を廻ってきました。米屋さん、農業法人、栽培農家と意見交換もできました。今年は例年にない豊作のようです。ちょっと夏が暑すぎたので、高温障害が気になりますが、見たところ大丈夫のようです。
まず情勢をめぐる検討会です。商社によれば基本米余りは変わらないので、今の高価格はそう続かないとの意見ですが、これは食用米のことなので、酒造好適米や加工米については異なるようです。やっぱり農家さんはTPP反対の意見が多いようです。加工米はあがるでしょうね。食用米が高いので、酒米の作付けを減らし、配分削減を通告してきた品種、産地もありましたが、そう趨勢に影響はありません。東日本からの酒米シフトはそうないとの感触を得ました。
まずは雄町から見ていきます。雄町は山田錦より刈り入れが遅い、一番晩熟なんだそうで、まだ穂は青々としています。10月の20日から25日頃の稲刈り予定らしく、生育は上々と見ました。ちょっと勉強しようということで、収量をざっと見積もります。1坪当たり45株植えています。これは聞けばわかります。見てもある程度わかるでしょう。これに分けつ数を掛けます。要は1株から何本茎が出ているかで、発育の良否に左右される数字です。畦沿いは片側が開けていて邪魔がないので分けつが多いため、田の中ほどに分け入り、標準的な株を引っこ抜いてきて、数えるのが本当です。勝手に真似はしないようにして下さい。今回目の子で20~22と評定しました。まぁ20としましょう。さらに1本の茎に何粒実がついているか、数えるなり観察経験で100~110だと査定しました。この前120とか数えた年もありました。100とします。雄町は穂の長さが山田錦より長い。さらに千粒重を23gと仮にします。そして登熟歩合(実が空とか未熟、異常なもので使えないのがあるから、有効な実の割合らしい)を0.8としますと、
45株×20本×100粒×23g÷1000×80%≒1656gが、1坪当たり収量として求められます。1反=約1000㎡は、300坪相当なので、1.656kg×300≒497kg 1俵=60kgですから497÷60≒8.28俵というのが、反当たり収量、いわゆる反収となります。さて当たるでしょうか。
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コメント
雄町米も造っていたのですね
雄町黒牛まだ販売していますでしょうか
投稿: | 2012年10月 3日 (水) 11時22分
しています。そう大量にはありませんが、メール等で蔵までお問い合わせください。ブログは個別対応には使用しませんのでご了承下さい。
投稿: | 2012年10月 3日 (水) 13時11分