地酒

2009年6月14日 (日)

白浜温泉でナギサビールを飲む   BARLEY バーリィ

社員研修会を主宰して白浜温泉に泊まる。もう10年ぶりくらいだ。一度ここで飲んでみたかった、ナギサビールさんの直営レストラン「BARLEY バーリィ」まで歩いてたどりついた。電話していたんでオーナー夫妻が出てきて、じきじきに上面発酵と下面発酵の違いやここのブルワリーの特徴その他をお話いただく。製造チームを引き連れていたから、今後彼らと何らかの技術や情報の交流、協力関係ができたらすごくうれしい。和歌山の白浜温泉でご兄弟で手作りしている地ビール、名前も「ナギサ」というノリは、絶対いい。少なくとも当地のレストランではイメージも一致するし、無濾過を現地で飲むと必ずファンになってしまう。正直なところ和歌山で清酒醸造やるよりはイメージは作りやすい。白浜というのは、海へ西向きに突き出した半島というイメージで、崖の上をめぐる県道沿いで、三段壁や千畳敷といった名所の近くにあり、ちょうど半島の西端あたりだから、当然客席からは海が見渡せる。崖の上のバーリィねぇ。夏は当然家族連れから何からでごった返す場所で、カレーがヒットしているらしいが、ビアレストランとして夏以外の時期の夜もごった返すようになるはずだ。Img_1444

今度の地元のイベントでは、樽生を使うとオーナーに宣言したから、8/14の蔵の周りで行われる下駄市で、海南でもナギサビールが飲めるはずだ。

〒649-2200 和歌山県西牟婁郡白浜町2927-557
TEL:0739-43-7373 FAX:0739-42-3635
【営業時間】 午前11時~午後10時迄
【定休日】 毎週水曜日 【席数】 55席

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2009年6月 9日 (火)

日本酒フェスティバル2009 7月12日(日)東京プリンスホテル

夏に年1回開催される日本酒イベントに今年も参加します。

59蔵が参加、展示で、出品のみは68蔵。やる気のある127蔵の酒が試せる。

昼の部12:00-15:30 夜の部 16:30-20:00

東京プリンスホテル 2F プロヴィデンスホール。

03-3432-1111(芝公園3-3-1)

当日各回9000円、一日通し券12000円、ペア券各回16000円、前売りもあります。

お申し込みは、

主催 川島酒縁の会 03-3785-8806まで「SCAN0223_0002.jpg」をダウンロード

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2009年6月 7日 (日)

和歌山県内でも山田錦を栽培しています(田植えⅡ)

土曜に続いて山田錦の田植えだ。今度は和歌山県内、有田郡有田川町清水だ。ここは有田川中流域の山の中で、昼間と夜の気温差が大きく、いい米ができると和歌山県内ではかつらぎ町の天野と並んで評価される所ではある。久野原地区は標高が270m程度、資料では縄文時代の遺跡内だから人が早くから住み着いた安定した高台地だ。

Img_14262 ここの栽培田は電柱も写らない、いいアングルなので大好きなスポットでもある。6日に田植えしたが、20日苗で葉令は1.5、かわいい苗でちょっと肥料をやりすぎたので背が伸びているようだ。また種まきが連休明けでその頃は気温が高かったということもあるそうだ。昨日は低温の話ばかり聞いていたので、さすがに場所によるようだ。やはり坪50株植えで、だいたい山田錦は薄く蒔いて植えるというのが定着しているようだ。今後の努力に期待しよう。

3人の栽培家が来てくれたが聞いていておもしろかったのは5年前に建設業から農業へ移ってきた方の話だ。兄弟で経営していたが公共工事減少で、共倒れにならないように自分は違う分野へ出たという。それだけに柔軟で新しい栽培方法に意欲的だ。兄貴も1ヶ月は遊んでるんじゃないか、と言うからきっと正解なのだろう。養蜂の手伝いもされているので、秋は忙しいようだ。

Img_14242

清水の名所といえば「あらぎ島」でホタテ貝のような有田川ヘアピン屈曲点内側に発達した緩やかな河岸段丘の棚田は、県中部の観光の看板になっている。ここもすっかり田植えが終わっていて、農夫がひとり手入れをしているのが見て取れた。

コシヒカリの話ではあるが、箱植えした苗は1100円くらいで買うこともできる。これを22箱、1反に植えれば24200円、肥料代は反当たり2.5万から3万だそうだ。用水費がただか1万かは場所による。減反を無視して自分で売るとすると、10俵とると60㎏12000円手取りを目標にして12万か。土壌改良に努力して800㎏取れた例もあるというから、きっちりした収穫予想はできない。できないのが農業だ。乾燥ともみ擦りコストが1反当たり1万とすると、さていくら残るだろう。検査に出すには指定の米袋がいる。JAの袋は80円くらい、コメリのは35円だが2重で検査には使えない。検査料も要る。苗は買わずに自分で作るとなると箱代がJAは400円、コメリのは100数十円、培土が㎏30円程度、籾代が㎏800円なら2600円ほどかとか、シート、燃料費、公租公課、保険料と積算はきりがなくなるのであった。地代はゼロとせざるを得ない。

人件費と機械の償却費をのけて反6万残るかなという、おおざっぱなイメージを得て、1000万円設備投資を5年くらいで回収として単純に200万、自分の給料を目標500万として700万の粗利を得るには約12ヘクタール必要だという単純計算がでる。まぁその規模やるなら、苗でも何でも自分で作ってコスト削減するだろうし、だいいちそんな広い田は和歌山県では確保できない(産地なら30でもやっておられる専業は多い)、増収だって高付加価値化はめざすはずだ。酒米はもっと高い。わざわざ高い米を買いに来るこういう蔵元だっている。ブランド差が米ははっきり小刻みで見える。反10万残る経営なら7ヘクタールで済む。問題は大部分が兼業で米だけで生活しているわけでもないので、そんなに細かく計算していないようなのだ。償却後の機械設備で小規模にしか行われていない。しかし品質にはこだわってほしい。

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2009年6月 6日 (土)

山田錦の田植え見てきました

早朝からレクサスLS460の送迎付きで兵庫県西脇市の山田錦栽培田での田植えを視察した。1000円高速の渋滞を避けるための早出でもあるが、7人ばかりの栽培者が集まるので、早く済ませて他の作業の邪魔にならないようにとの配慮でもある。

Img_1338 自分も植えるのに汗を流せ、というお叱りがあるかもしれないが、私の務めはやる気を出していただくための励ましと彼らのことを消費者まで伝えることだと思っている。

今年はどうも気温が低く「悪い風」が吹いていると聞く。まぁこれからだが、雨の不足も心配だし、真夏の高温障害も、そして台風もだ。こういう時期に涼しい年は台風がよく来るというがどうなんだろう。

5月5日の種まきで、6月6日の田植え。周りがいい苗だと誉めていたが、どういいのかを聞くと、葉令(何本葉が出ているか)は3葉、最初の葉までが高いと倒れやすいそうだが、これが4センチで、グッドという。Img_1335 苗長は16センチ、深さは3.5センチ、根元の茎の直径2.5㎜(ゲージを米屋の担当君は持参、詳細にデータを集めている)。これがプラスチックのプレートに盛られた培土上に種籾をまいて1枚当たり1合ちょっと約120gくらいを植え付けたという。通常の食米では180~200gなので、山田錦はそこから薄蒔きなのだ。これを1反(1000㎡)当たり20箱使う。どうやったら箱の培土上に密植できるのかは何らかのシートが必要のようだが、またそのうち実見することになるだろう。

Img_1337 これをカートリッジのようにして田植機で機械の指が田に苗を押し込むのだが、今日のピッチ設定は坪50苗、ロータリーの具合でもう少し濃く植えているようだが、1苗4本植えのようだった。これも薄い方で、苗の間隔が大きいほど分けつしやすくよく根が張る。4条植えのイセキ製のロータリーサナエ、たぶん5年落ちくらいかのかわいらしい機械で進んでいく。その気になれば1日1ヘクタールも可能だという。手伝いがいれば1.5ヘクタールは可能だという。

さて今年の作柄はどうなるのか。

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2009年6月 5日 (金)

限られた予算の中で

どんな業種、業界でも事情は同じことだろう。次の設備投資をどうするのか、何を買うのか、ということは経営者なら必ず悩むところだ。何しろ予算は限られている。

季節的に造りが一服すると売る方は日々の取引に加えて都会での行事になるし、蔵では修繕、設備投資、もちろん原料米は田植えになる。そう、この週末は田植え視察と顔出しで兵庫と和歌山県内へ出かける。

さてどの機械、設備を買うかということについて、社員の自発的提案があればいいだろう。しかし立場上必要に迫られないと要望しないのもわかった話ではある。自分でこれがおもしろそうだとか販売業者や設備屋の提案で決めてしまうと現場のニーズに合わず、最悪の場合使わないで放置されるケースまである。ここは現場との擦り合わせが必要だが、本音はなかなか言わないものだ。結局リスクを冒して挑戦するのは大企業でも零細な家業でも同じ、孤独な経営者の仕事のようで、ろくでもない機械を買うのは経営者の努力と見識の不足に他ならない。借金しても買うとか、果ては新築だとかはとても社員が提案できるものではない。

昨今の設備投資は生産量とか効率拡大よりも、よりこだわった品質確保とか少量小口化対応にウエイトがあり、モーターのついた「機械」ではなく、道具に近い対象を買うのか、今ある機械の修繕、交換、改良が多い。このままだと動いているのは中古機械ばかりということにもなりかねないが、田植えを見ながら考えるしかない。

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2009年5月30日 (土)

田植えの季節に

 水を張った田を見かけるようになった。明日から代かきだとか言う人もいて、6月に入ると田植えだろう。紀北の低地ではこんなものだ。兵庫の山田錦は6/10頃からと聞く。兵庫のコシヒカリも有名だが丹波が産地で山田錦よりやや日較差のある寒冷な土地のものが高いそうだ。つまり山田錦はコシヒカリより暖地の銘柄で、温暖化というが東北ではそう簡単に定着はしないだろう。コシヒカリより反収1~1.5俵少ない山田錦であるが、今や兵庫県の看板である。

ちょうど20年産の米価の精算が終わったが、例えば兵庫県産山田錦の特等米で60㎏当たり25,110円(税抜)とある。JAは3000円ほど取るらしいから農家は22000円ほどの収入だろう。つまり㎏当たり366円だが、種もみは800円ほどする。もみにするとだいたい20%嵩張るというか重量が増えるから粒当たりならもっと高い。まともな産地は毎年種子更新するから農家の「原価」も馬鹿にならない。さらに肥料等の資材も要る。

種籾農家はある意味エリートで、交雑しないよう田に入って葉の色、形やタレ具合を見て、違う品種が入っていたら抜き取る作業が毎日要るらしい。もみでは見分けがつかないらしく、そう言えば去年、どこかの産地で、植えてみたら違う種類の酒米だったとかいう、ちょっと信じられない話もあった。種籾作りの場合はとにかく登熟させていくわけで、味をおとさないようタイミングを見て刈り取るという発想ではない。つまり最初から種籾目標で作るのであり、都合で種籾にするというか、普通に作って一部を種籾にするということではいけないらしい。乾燥機械の掃除もきちんとやらないとここでも混ざるらしい。

何でもまじめにやると大変なのだとは、最近やっとわかってきたことで、「適当」信奉者だった自分を恥じるばかりだ。

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2009年5月27日 (水)

黒牛ベース梅酒 500ml

限定50ケース(600本)の500mlサイズの梅酒(ホワイトリカーベース+日本酒混和)です。試験販売ですので、容器等の変更があり得ます。

エキス分19、アルコール分13%、すっきりまろやかタイプの酒質です。

税込1050円を参考小売価格としました。

売りとしては、紀州産の完熟南高梅を使用し、ホワイトリカーでよくエキスを抽出していること、純米酒として定評をいただいている純米酒の原酒をそのまま使用していることで、無理に日本酒だけで漬けるよりは香味のやわらかさやなめらかさが優れているのではないかということです。またクエン酸等の有効なエキス分も一旦ホワイトリカーで引き出した方がよく出ると思います。

Img_09793 先行定番化した1.8L(税込2800円)、720ml(税込1400円)もございます。

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2009年5月19日 (火)

長崎で仕入れたネタは結局中華だった

日本に孔子廟はいくつあるのだろうか。東京の湯島聖堂とはまるで違うというか、これが中国人の作ったオリジナルで、博物館も付いている。廟内に歴史上の儒者の石像が並んで名前を台座に刻んでいるが、まるでわからん。弟子の一人くらい思い出せないかな。何人かは、そう言えば聞いたような程度か。中華蘊蓄が濃密に蓄えられた世界で、書ききれないし、一部でも覚えて帰るのも苦しい。圧倒、そう、そうやって東洋文明を作ってきたんだろうか。俗な我が身に一番近いネタが門前に建つ石碑をささえる贔屓だった。「贔屓の引き倒し」とは、肩を持ちすぎて駄目にするとかいうことなんだとか、阪神の選手や相撲取りにただ酒を飲ませて新地を引っ張り回すタニマチのおかげで結局優勝できないというアレのことやろ程度に、漠然と思っているのが常人で、「ひいき」って、引っ張る勢いか?とかそんな語呂合わせ的イメージだったから、ここの石碑の解説に驚いた観光客はきっと多いことだろう。華僑達もその辺りを考えて偉く丁寧な解説をつけている。

Img_1013 竜というのも神獣ながら親であり九頭の子がいるが、その中で力持ちで重い物を好んで背負うのが贔屓(竜蝠)だという。勲功人徳の士を称え石碑を建てる際、神力を持った贔屓の背にのせ石碑が永く倒れないことを祈った?そうだ。日本の石碑台の亀趺はこの転化と考えられるとしている。何故日本の石碑台が亀に変わったのに慣用句は竜のままだったのか。正しくはこうなるが、孔子様くらいでないと日本では、石碑は竜には乗れないようだ。

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2009年5月11日 (月)

高知 地酒

自県酒消費県として有名な高知県で営業上まず関係ないなと思う所だが、ちょっと縁あって下手なゴルフをもったいない黒潮カントリークラブでやり、こういうときにでも行かないとまず機会のない室戸岬にまで足を伸ばした。それでも1店酒屋さんにご挨拶に伺うくらいのことはする。

ここも路面電車が残るいい雰囲気だが、坂本龍馬生誕地の前の通りで撮ってみた。Img_6726

室戸岬には中岡慎太郎の銅像が立つ。いっしょに斬られた二人だが、龍馬は桂浜、彼は室戸岬。何故かと思えば、生誕が岬へ向かう途中の奈半利から少し山側へ入った北川村の出だったから。大庄屋の子で、龍馬も聞けばけっこう豪商の子、それなりに経済力があったのだ。

県外からのお客が「おきゃく」(高知では宴会をこういう)を郷土料理店「仙樹」で行う。6人のうち3人が焼酎派で、私がいなければもう1人は焼酎へ流れただろう。もうひとりの清酒派は私より優秀で、燗酒にこだわる仁だ。それで3分の1ほど残ったダバダ火振りは翌日結局、私が車に積んで帰った。飛行機組には面倒だからな。何でも手に入りにくいという四万十川奥の蔵のものらしい。東京の専門店で時々見かけるが、実際の稀少度は専門外でわからなかった。地元産栗50%使用が売りでたしかに栗の淡い香りが楽しい。清酒は何種か舐めたがたしかに量を飲むと言われるこの地では低濃度できれいなタイプの銘柄が優勢なのは理解できた。セル酵母は明らかに香り系だが東京用じゃないのかと思っていた。あれでは量が飲めない。最近はメーカーによっては少し違いを出すようにしているらしい、とは歓楽街のそばにある酒屋さんの話だ。隣がディスカウンター全面主張の他店があり、土佐らしい、と言っては恐縮だが、厳しい競争場裡も垣間見えた。

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2009年5月 6日 (水)

減反廃止は諸刃の剣

十津川村も国道168号の改良が進んで随分所要時間が短縮した。0011 こんな混でる休日、迂回規制や工事によるの交互通行箇所ありでも、川津から賀名生まで1時間、トンネルがいくつもでき、建設中の橋脚が谷間にそびえている。信じられないほど便利になってもますます過疎化する一方らしい。山の話を聞きに行ったオイやんももう還暦を過ぎた。自分もそう若くはない。林業の話はまぁいいとしよう。直接本業に関わるのは農業、それも米だ。連休が明けると米がらみの動きが増える。これだけは自分で仕入れに行くんだと日頃豪語しているからには、農業関係の動きをウォッチしないわけにはいかない。

もう限界だから減反は廃止しようと言い出した人がいて、そのとおりだ、農協と農水省、自民党は利権と票ばかり考えていると同調したのが、質と経営規模で戦えると思っている一部の農家、参入と支配力強化には有利と思っている大手流通、メーカーだろう。もちろん「先生」がマスコミで主張する形をとっているけど。何も農協や役所に勤めながら補助金をもらっている小規模兼業農家がこのままでいとは思わない。何しろ清酒メーカーには補助金はない。しかしそんなに消費者主権という大義名分がたしかなものなのかも考えた方がいいだろう。価格競争なんかない身分保障された立場の人間の意見はあまり聞かない方が良いだろう。で、減反を廃止するとどうなるんだろう。食米の話は米屋に聞けばいいだろう。酒は安くなるか、これ以上?。冷静に考えるともう水より安いのもある。

減反廃止で米は半値になるというが、もちろんパック酒用の米は相当下がる。それでも酒はそう下がらないが、下がるのは確実だ。一方、たぶん二極化で、まともな産地の上位等級の酒造好適米はあまり下がらないだろう。だから純米酒なんかも、そう極端には下がらない。ただし、同じ種類の酒米でも産地や等級で価格差がものすごく大きくなると予想され、安いものを使った酒が出回るから、価格引き下げ圧力は自然と高まる。質的な差を表現できないと悪貨が良貨を駆逐するのは火を見るより明らかだ。

 避けられない流れならば、せめてこれを機会に、表示基準をまた変えて、清酒も甲乙丙くらいに分ける必要がある。醸造アルコール使用のものはリキュールにしろとまでは言わないけど、何もしないで減反廃止と並以下の米価暴落となると、いわゆる地酒もとうとう壊滅かもしれない。それなりに値が通っているのは、売り方の部分もあるが質的にある程度差があるからで、大差ないなら安い方を買うのは当然だ。表示基準を決める発言力が大手にある限り多くは望めないだろうが、小規模メーカーにしてもストイックな自己規制をして、使用米の品等、産地の明確な開示などどこまで受け入れるだろう。事故米、すり替え米でこれほど信用のない時期だ。それでも減反廃止は、酒サイドでは、表示基準見直し、検査強化とセットでなければならない。

日本酒業界の唯一の言い訳は、日本の「国酒」であるから高い国産米を原料にしているということだ。ビール、焼酎(芋を除く)の原料のどれだけが国産というのか。そのハンデを克服するためコスト削減の努力をしてきたというのが経済酒メーカーの言い分で、わからないではないが、小規模でそういう部分はあきらめてしまった地酒メーカーというのは、あくまで国産、それもトレーサビリティーのあるものに執着するしかないのだ。輸入は別問題かもしれないが、減反廃止で、大規模専業農家だけを残すという考えは、パラレルで小規模な地方蔵も相当な淘汰圧力になることは覚悟した方が良い。するなら表示基準づくりからだろう。

関税引き下げもどうせ迫られるだろう。海外産使用ものの表示や検査を厳重にしないと、連中のやることなどわかりきっているからな。立場を変えればまたチャンスだろう。

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2009年5月 3日 (日)

日本酒フェスティバル2009参加 予告

FAXで参加を取り決めたが、7月12日(日)の「日本酒フェェスティlバル2009」に参加を確定した。主催は川島酒縁の会、日本酒伝承の会、場所は東京プリンスホテル2Fプロビデンスホールだ。(東京都港区芝公園3-3-1 03-3432-1111)。昼の部が12時~午後3時半、夜の部が午後4時半~8時)、今や恒例となった日本酒のイベントだが、今年で第9回だそうだ。アットホームなムードで、杜氏兼蔵元の蔵も多く、参加蔵元数は同種のイベントでは最大と思われる。来場者も主催者の関係からか飲食店、特に日本酒に力を入れて扱う店が多く来場する。当然熱心な日本酒ファンが多く、参加蔵元のなめてかかれない所であるし、いい意見が聞ける等、情報収集の恰好の機会なのだ。最低1200名は来場が期待される。

参加申込みは主催者まで、03-3785-8806川島まで(武蔵小山の駅近くの居酒屋まで飲みに行ってもいいのでは)

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2009年4月27日 (月)

チーズも日本酒に合う?

チーズに賭ける青年が訪ねて来てくれた。輸入チーズの販売にも携わろうとされている。ワインが一般的だが日本酒も合うということでPRの協力要請のようだ。ウェルカム、ウェルカム。ミモレット、コンテ、グラナを持参。こちらは純米の火入れ、本生無濾過、純米大吟醸、それから梅酒2種で相性を試す。日本人にはパスタでよくつかうグラナが親しまれやすいようで、自分も生原酒と味わうのがフィット感あり。どれも熟成タイプだったので、結晶化したアミノ酸が表面に付いていてザラザラ感があるが、それだけに旨味が豊かだ。当然、相性となればやや濃い味わいの、純米特に生原酒がいい。繊細で清涼な大吟醸などは、元々アペリティフ向きなので、悪くはないがしいていっしょに試さなくてもいいという感じだ。古酒も試してみたい組み合わせだがここの蔵にはないので機会を譲った。梅酒もいい、特にエキスの低い辛口タイプの梅酒には。ただ最後にやや乾いていたが、大吟醸粕とグラナやコンテだけでひとつのオードブルになりそうだった。もうちょっとウェットな大吟粕ならなおよかっただろう。

チーズの人口当たりの消費量が全国最低クラスだと言われるが、この前入ったバーでもワインの人口当たり消費量も最低クラスだと言われた。保守的なんだな、和歌山は。それで日本酒がこの程度か。焼酎県でもないし、何を飲んでいるのか少し気になった。それにしても何でもこだわると深いものだし、それで生活しようという人は必ずいるものだ。

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2009年4月26日 (日)

瓶燗急冷を社員ががんばるのを横目にうろつくの図

朝4時に但馬の4人が帰って行った。地元組は朝から瓶燗急冷作業をしている。4人でできるようなので、だいぶ慣れてきている感じだった。ここで手伝うか瓶場は蔵元が中心になってやる蔵も多いが、そうすると昼からやってくるお客の応対ができない。そう、こちらも忙しいので遊んでいるわけではない。自然と蔵の点検、特に修理希望箇所を見て回るが、いつか大工事になるだろうなと思う所がいくつもある。誰か言ってたね、零細酒蔵が持ちこたえられているのは償却済の資産で商売してるからだって。でも修繕費がかさむんだよね。あれがほしい、これがほしいは子供のおもちゃではない。それにしても狭いな。白米置き場にしてもあと20坪あればと思うな。

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2009年4月25日 (土)

皆造

造りが全部終わるのを皆造(かいぞう)と言います。明早朝に但馬へ4人が帰っていきます。杜氏はだいたい最後の日にならないと帳面を締めることができません。蔵元と今度来る人数、修理の希望箇所を打ち合わせます。若手の地元社員とは別途会議をしたのですが、そこでは今後数年から10年分くらいの修理、投資項目が挙がりましたが、杜氏の方は雨漏りのことだけ頼んでくれました。梅酒に廻す分もあってか少し去年より増えた結果になっています。米がよく溶けた年だったので、粕歩合は低めでした。よく言えば味がのっていることになりますが、言い変えればやや甘い目になったということです。

雨漏りか、梁の修理も。明治初年頃の、100mほど引っ張ってきた蔵だからな。しかも柱や梁はもともと田辺の醤油蔵のものを解体して海を引っ張ってきたのだそうで、それならいったいいつ頃の材なのだと思ってしまいます。いくら太いアカマツであっても強度は弱っていたのでしょう。大工が金槌でたたいて周りも調べていました。

いよいよゴールデンウィークに入る頃、酒蔵の方は修理の期間に入ります。

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2009年4月14日 (火)

地酒メーカーを性格づける要素とは

桜を散らす強い雨、瓶場の床が滑りやすい。まだ搾りが残ってるんだとは、さっき電話していた蔵元さんの話だが、熱心な所は堅調さ、と。同じ洗米器を導入していらっしゃるようで、バッチを連結して、水気の吸引システムを自作しようとされているらしいが、考えることは同じだな。

週末参加していた東京のイベントの資料を整理しているんだが、出展蔵元の一覧を見ていると、出荷石数と純米比率(出荷量に占める純米酒、純米吟醸等の割合)を記入する欄があって、当然言いたくないと空欄の蔵もあるし、もちろん適当に書いてる所だってあるだろうから、自主申告を前提として、一部推定も取り混ぜてあそこはどういう状態でどういう方向性なんだろうかとか、考えていた。

銘醸蔵だから純米の比率が高いというわけでもない。本醸造系が強いのも結構なことだ。出荷石数が小さいほど品質が高いという保証はないが、最近では規模の大きい所は空欄にしているのが目立つ。サバよんでないかとか、未納税は?とかまでは蔵の人間くらいしか考えまい。あとは杜氏が伝統的杜氏集団に属するか、流派はどこか、また自社の社員杜氏か、それも経営者かその家族なのか、採用した従業員なのかも読み込むことができる。養子さんもあるか。水が自主申告で硬水か軟水かとかもある。あとは出品アイテムの内容で、会場できき酒できたのならそれは当然第一の情報だが、どういう米をどの程度の精米歩合で、どういう価格のアイテムを出されているかも一覧表で知ることができる。商売柄どういう経営者でどういう販売スタイル、販売先かは当然考えるだろう。しかし地酒メーカーの性格を分類していくには、あと何がわかればいいだろう。

もちろん出荷石数と純米率でりっぱなグラフができる。あとひとつ加えられるなら私なら地元県出荷比率を挙げるだろう。それでだいたいの所はわかるはずだ。当然飲み手なら香味で分類を試みるだろうし、金融機関やコンサルなら財務情報がないなら意味をなさない。出荷L当たり単価がなんとか知りたいところだが。

それぞれ飲みながら想像してみるのもおもしろいはずだ。

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2009年4月12日 (日)

火入れ

こちらが日曜のイベントに出ている間も蔵では火入れが続く。一部の吟醸は先に火入れをするが、大部分は甑を倒してから蛇管で連続して行う。とはいえまだ上槽が10本近く残っているから、一回滓引きしてからやらないといけないので、最後の片付け間際にも最終の火入れ作業を組んでいるはずだ。

もっと大きい蔵ならタンク単位の火入れもプレートヒーターでやるんだろうが、このクラスの蔵なら圧倒的にまだ蛇管が主流だろう。蛇みたいなというよりはコイル状にステンレス管が巻いてある。このユニットごと、釜の中や火入れ用の桶に設置して湯に沈めると、ステンレス管を酒が通過する間に周りから熱せられる。温度調整は湯温と流速を微妙に調整して行うという方式で、杜氏が温度計の前に張り付いている必要がある。Img_6318

熱せられた酒はタンクに移されるが、早く冷ますため、ジャケットに冷水は流されているが、さらに上から水を掛け流す。おかげで周りは水浸しになる。いい設計の蔵なら土間コンクリート面がわずかに傾斜をつけているのはこれへの対策もある。床が濡れていると、かびや雑菌の繁殖の元となるからだ。冷え切ったら、貯蔵タンクへ送られる。そこは冷水ジャケットも巻かれているが、庫内も冷房されている。ゆっくり熟成されて出荷を待つことになる。

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2009年4月11日 (土)

本生製品出荷始まる (お花見での飲酒について)

今年も本生(生酒・原酒・炭濾過なし)の出荷を開始、しぼりたては終売です。4月から10月くらいまでですが、毎年緊張感をもって取り組んでいるアイテムなので、ぜひお試しください。この週末は最後のお花見になるかもしれませんが、火入れ製品でも結構ですけど、ぜひお供にお持ちください。

なお花見のように昼間に飲酒すると、体の代謝が活発な状態ですのでよく酒が体に回る、つまり酔いやすいのでご注意下さい。俗に言う、「昼酒はまわる」というやつです。また原酒はアルコール分が高く、「本生無濾過 黒牛」の場合、18.1%くらいありますから、18.1÷15.7≒1.15で、約15%濃い、ということも注意が必要です。ミネラルウオーターやお茶と併せて飲まれることをお薦めします。

Img_63092 写真は黒牛の像がある中言神社の境内です。氏子が社務所座敷で花見をします。私は今年は欠席でした。

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2009年4月 6日 (月)

新品種の導入余地

4月になると、酒造の方はお仕舞いに近づいてくる。明日は甑倒しだし、米屋さんからは、平成21年秋収穫分の申込数量を早く固めてほしいという話だ。この景気が秋以降どうなるか、内需産業までどう波及するか、当社がどれだけがんばれるか、わかるはずもないのだが、まぁこのくらいでいくかという決めつけになる。それは総量のことで、山田錦の品種割合、産地や等級の構成をどう配分するか、また悩むがこれもエクセル上での作業で調整されるだろう。

晩稲の山田錦が6月田植えとしても、5月初めに種まきをしないといけないから、4月下旬までには申込数量を決めないといけない。契約栽培のつらい所だ。

兵庫県特A、A地区での出荷時の選粒方針などを聞くとおもしろいが、出荷側もいろいろ苦心しているのがわかる。1回目に粗い2.2ミリの目で通しておいて特等、1等の質を上げる。たくさん落ちるから、それを1.8ミリとかの目で再度通すと、残るのが2,3等になって、掛け米用になる。それも落ちれば中米とも呼ばれるが小米、規格外で経済酒に回るそうだ。

いろいろあっちでこういう品種ができたとか、こういう米で仕込んでいい結果がでているとか提案ももらうのだが、アイテムが少ない目の蔵としては、なかなか採用は難しい。

どこかで事故米から差し替え問題に行ってしまった事件については、私もよくわからなかったが、米屋さんからも理解できないやり方らしい。1等と3等をすりかえるくらいなら、最初から3等を買えばいいだろうに。不当表示はないそうだし(普通わざわざ上撰の裏に何等とかは書いていない)、察するにこれは税金の話だったんだろう。30年前ならまだ儲かっていたろうからね。

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2009年3月30日 (月)

酒米の産地証明書は必要なんだろうか

もう3月も終わろうとしている。地元の大野中にある春日神社の裏通りには短いながらも桜のトンネルができていた。寺山修司だったか、「さよならだけが人生ならば、また来る春は何だろう」というフレーズがよぎるな。やけに眩しい午後だ。Img_6268

何だろう、というのは今日届いた酒米の産地証明書だ。米屋からだが、送ってくれと頼んだ覚えはない。気をきかせてくれたのだろうが、ということは送ってくれと言うメーカーが多いんだろう。酒造協同組合からも来ていたから、相当そういう動きが広まっているに相違あるまい。

 しかしなぁ、そういう米を買っていますという証明は、あるアイテムの原料米の産地が表示とおりだとか、問題のある米を買っていませんという証明になるのだろうか。あるメーカーの製品はすべて同じ原料で作られていて、製品もすべて同一のスペックである場合にのみ、この手の証明書ですべてが済む。大部分が経済酒で一部が高級酒の場合、その高級酒用の米の仕入れについて証明書があった場合、どれだけの証明ができるのかという問題がある。たぶん組織小売業あたりから言われたのだろうけど、突き詰めるなら、原料資材の帳簿と桶の異動帳を精査しないと論理的には証明にはならない。またはすべての仕入れた米に産地証明を求めるのか。どうも言い訳づくりのお手伝いのようだが。

それなら出荷製品の構成比率とか蔵とかを見てもらった方がいい。経営姿勢から信頼を勝ち得る方が望ましいと思うのだが、性善説的に過ぎるだろうか。でも仕入先に税務署でもないのに帳簿を見せるのもどうかと思うし、流通側もいちいち全国の仕入先をしかも毎年見に行けるのか、ということになるので、証明書集めになっているようなのだ。

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2009年3月10日 (火)

コシヒカリと山田錦

節約ムードでコシヒカリと一般米の価格差が縮まったと新聞の報道。おおまさしく、山田錦と五百万石の価格差の縮まり傾向と合うじゃないか。と言っても酒造メーカーが節約して売れなくなってもしかたがないのでね。市場というか業務卸筋が求めてくるのが、価格を抑えていい酒を出せということなので、技術的に解釈すると山田錦以外の原料米で山田錦の酒のようなものを造れ、もしくは香りが高くてきれいな切れの良いのを、ということで、地元産米の重視だなんだのオブラートでつつんでいても、要はそういうことなのだ。そこで蔵も腕に自信があるのかどうかは別にして山田錦以外での純米以上の比率を増やす、となると山田錦の需要が減って価格差が縮まる、となる。酵母の種類や、処理の方法のバリエーションで付加価値をつけようとする所も増えるだろう。とは言え各メーカー方針がまちまち、余裕の有るところはこの際どんどん山田錦を使って一気に他社と差をつけようと考える者が居ってもおかしくはない。懐具合を考えるとそうもいかんけどな。

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2009年3月 7日 (土)

柑橘類と清酒の相性

蜜柑屋さんが酒も置く売店を始めるとのことでお見えになった。酸味の強い柑橘類のリキュールとして柚子酒、じゃばら酒が県内で出されている。聞いた話ではリキュールにすると清酒は柑橘に合うというんだが、どう思います?。人まねはいやだから数百種に及ぶという柑橘類で清酒ベースのリキュールに適したものってないですかねぇ。そんな馬鹿な質問をしてしまって、気をきかせて「有田産 春かんきつ」を1箱送っていただいてしまった。

箱から出して風通しの良い涼しい場所で保管して下さい、か。ノーワックスですから果実自身が呼吸できる、か。ということはワックス塗ってると窒息するわけ?。で、果実が呼吸をするときクエン酸を消費するから、酸味が強いと感じた場合は、追熟させるとクエン酸が費消されて酸味と苦みが薄れるというか甘く感じるということらしい。しばらく食べずに置いておくと甘くなります。酒もそうだと便利だけどね。少し渋い、苦い、もしくは若い場合は冷蔵貯蔵しているとまろやかになります、ということはあるし、実践?しているマニアな酒販店や居酒屋さんもいらっしゃいますが、メーカーからそうしてくださいとはとても言えません。ただし、少し渋い目のお酒は燗をすると酸が旨味に変わるので、ぜひ試してみてください。

清酒は酸がワインとかに比べると低い。柑橘の酸を加えればボデーができて洋食と合わせやすくなるんじゃないかと思うんだけど。しかし家人が言うね。清酒に夏蜜柑しぼってうまいと思う、うげっでしょ?。実際のところ糖類を足しているんだろうけど、柚子酒なんかどういう造りなんだ?。試行錯誤してデザートを食えというわけかImg_60372

しかし蜜柑箱も説明書きは随分丁寧で勉強になりました。http://store.shopping.yahoo.co.jp/bunza/index.html

湯浅のシラウオ祭りは行けないけど、「ゆあさ行灯アート展」4/15-19の18:30-21:00はぜひ行くつもりだ。(湯浅伝統的建造物群保存地区)

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2009年3月 5日 (木)

かくもイメージは伝播する

3月に入ると米の話も出てくる。平成21年産の予定価格を米屋が農家に提示し始めているようで、メモが廻ってくる。こちらにはどれだけ買えそうですかという話だ。イメージでは山田錦の下落が感じられる。五百万石の方が安いが安定的だ。どちらかと言うと、山田錦、特に兵庫の本場が気の毒な印象を持つのだが。この20年、趨勢として兵庫の山田錦を何とかいただこうとして他県が山田錦の栽培を始めたのだが、モノはやはり兵庫産がいいにもかかわらず、ちょっとどうかという他県産の山田錦の存在や、珍しくなくなったということもあって、価格的に互いに足を引っ張ることになったのではないだろうか。地酒屋サイドでも山田錦使用だから売れるわけでもなくなっていて、鑑評会が販売に結びつかない動向もまた山田錦には不利益に働いている。酒造特性がいいのはわかっているのだから大事にしたい米種であるのに。それにしても兵庫産の山田錦は特等と1等が80%を占め、2等が残りのほとんどで、3等などほとんどないという理由がわからない。和歌山あたりで栽培するとカメムシで3等、悪くすると等外になる割合が高く、精米するとカメムシなんて酒に影響はないのにもったいない話だなと思ったりする。聞けば、酒米など見たことのない検査員が検査をすることも新参産地では多く、酒米は青っぽいので印象が悪いようだ。1等はほとんどでない。良くて2等どまりだ。兵庫ではグレーダーを通して、中米として売ってしまうんだろう。それでも兵庫産の山田は山田、どこへ行ったのかは知らない。

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2009年3月 3日 (火)

新酒を楽しむんだか

100人以上満員の新酒を飲む会にでかけた。30数アイテムだが、過半は鑑評会用の新酒で、香りは似た感じだった。IWCのテレビビデオをかけてくれたが、実は初めて見た。

お客様の盛況度からいうと全然不景気とも思えなかった。先進地のY県の蔵元と話せる機会があり、全県で清酒の出荷は100億もないと言われる。こっちは全県でその会社1社の売上もないだろう。梅酒とかを足すと上回るかな。規模じゃないと言ってこの業界に生きているので、スケールのことは言いたくないが、定評有る銘醸蔵の蔵元さんでも妙なコンプレックスをお持ちなのがわかって、妙に安心した。東北じゃ地場産業の中核だからね。

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2009年2月28日 (土)

隣接県が難しい

隣接県=大阪府へ出かけて純米大好き酒店さんを訪問、地元の販売店が支店を出していくので、ちょっと今後に難しい課題を感じながら帰ってきた。2月の月末、社員会に出席。開けてるだけまだ当社も恵まれてるかな。今まで御得意の販売店だった場所をやめて、元気のいい飲食店に貸されたので、営業の方から提案があって開催となった。メニューも凝っていて味もいい。簡単なコースなんだが焼肉やお好み焼きが鉄板上に出てくる。刺身、サラダは当然別盛りだけど。こういうパターンではきれいな香味のタイプはソースやタレの臭いや味、油分で正統な評価は受けないだろう。黒牛もつらいのは、かつての零戦のように多業態に1アイテムで出撃せざるを得ないことだが、こういう場では健闘できるだろう。だいぶきれいになったとは言え、素がごついという気がする。

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2009年2月20日 (金)

香港では誰が日本酒を飲むのか

今日は香港の日本料理店の方の訪問を受けた。同県人なので帰省したのだろう。オーナーは華人。香港も白人が多いようだが、彼らがよく日本酒を飲んでくれるという。日本料理が世界で知られてきているから、和食と合わせて日本酒でも飲んでみようというのが自然だろう。もしかすると日本のように、安酒の先礼を受けていないでいきなり純米酒や吟醸酒から日本の酒を知ってもらえるので、変な先入感を持たれなくて済むのは結構なことだ。

地酒メーカーの社長が来てるかと聞くとよく知られた輸出熱心な蔵の名前が出てくる。よくそれだけ地元や都市部から時間配分のシフトができるなと感心するばかりだ。ほっといても売れるのか、世界ブランド化の先行投資なのか。さて自分の場合、行動半径をどの程度にしようか悩むところだ。

現地駐在の日本人もいるんだろうが、どうも海外では日本食レストランがメインのターゲットとして特定されそうな印象だった。地酒だけではない、調理関係者もこうして多くが渡海している。もっと経緯とかお聞きしたいところだけど、それは現地で聞きたいものだ。

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2009年2月15日 (日)

温かい2月の蔵で

蔵に帰った週末だが、やたら温かいので、将来が心配になる。酒造業界から地球温暖化対策について何の提言もないというのは、極めて問題で、少なくとも冷蔵冷房設備負担が増えることは確実なことだ。

精米機メーカーの代理店さんが、メーカーの解散方針の通知を携えて来られた。気の毒としかいいようがないが、最近5年新しい機械が売れず、中古市場になってしまったということだ。後のメンテは支障ないとのことだ。自社精米はいいと思うんだが、市場縮小ではどうしようもない。結構銘醸蔵でも委託精米で通している蔵が多いからな。最近精米所を作ったというのは西日本の方で1社あったかくらいだ。解散とか廃業とかできるのは恵まれている方だと申し上げておいた。

ブルーな気分でいると麹用のもやし屋さんも来社していた。こちらはまだ吟醸用がでるから元気そうだ。新しい麹室や日本酒復調の話がでていた。次の時代の麹室はどうするべきかなど、将来を向いて考えるほうが当然人間は気分がいい。やはり少しずつ技術や視点は違っていくようで、大型の自動製造から、コンパクトなもの、シンプルなもの、もしかしたらまた手作業中心に戻っているのかもしれない。平台だけというのもありかもしれないのだ。

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2009年2月 3日 (火)

プレミア和歌山

優良県産品推奨制度「プレミア和歌山」が年末にスタートしている。今日は、3月のFOODEX JAPAN和歌山県ブースへの展示品を県庁へ持参した。自社では参加できないイベントとの関わり方を試す。商品登録も県のサイトに出来ると言うが。推奨品目数が181件、72業者。うち製造物の加工食品139で大部分を占める。リストを見ていると梅干し及び調味梅干しで64件、15業者ほど。ここを見ていてもだいたいわかるな。ジャム類及びマーマレードが2件2者、蒲鉾5件3者。魚貝類の水産加工品11件7者、海藻類の水産加工品2件2者、麺類1件1者(もちろん和歌山ラーメンだが、店ではなく製麺所がパッケージ品販売のため認定を受けている)。

そして酒類だが、11件5者。すべて清酒である。当社もちょっと迷ったが基本アイテムだけ入れることにした。梅酒等のリキュールは別の括りになっていて5件5者が登録している。これはパスした。

その他、酢が1件1者、醤油が3件2者、菓子類25件15者、寿司米飯類9件5者、食べ物はここまでだが、どのジャンルもリストを見ているだけで、何処はわざと受けなかったのかとか、各社の方針や県の思惑を想像するのはおもしろい。

当社の場合、アンテナは張ろうというところだろうか。

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2009年1月25日 (日)

ミナミ

大阪のミナミとはどの範囲を指すんだろう。阿倍野、難波千日前と、1月のアルコール週間はミナミで締めることになった。まったくタイプの違う店を2店まわって、あれこれ酒談義して過ごしたが。

1店目が、魚に徹底して凝った、でも格式ばらないお店でこれは割烹居酒屋というのか、安定して当社のお酒を使ってくれているので私の大阪の重要な拠点ではある。あくまで魚主体だから、普通酒オンリーの時代に、お客からこの酒ちょっと甘いのちがう?とか言われても、そうかぁ、で済まして来たと言われるので、恐縮する先だ。当社が純米蔵に変わっていった過程もご存じなので、そのうち品質指向になるやろと待っていただいたのかどうかはわからないが、高いのまで置いていただいているから喜んでいただいているとは思う。

2店目はバー風にしているが、酒を前面に出したお店で、どんどん置いてるお酒を買えていくから、そこで自社の酒を飲むことは期待できない。最近話題のとか、ラベルとかも参考になる。どちらかというと今の地酒業界が追いかける対象の業態だ。この日飲んだのではとうとうワイン用のマグナム瓶1.5リットルの清酒も初めて飲んだ。まぁワインも造ってるところだから。

もちろん中間もあるだろうし、規模の大小もあるだろうから、本当に様々な地酒が飲める店というのがあるということだろう。そしてさらに清酒なんかどうでもいいという膨大な数のお店がある。どういう所で飲みたいのかはお客が決める。それだけのことだろう。ちょっと気になるのは、この景気とそれへの対応だ。一部で「儲けられるのは酒しかない」?という価格設定で余計、清酒離れに繋がらないか心配だ。そうならないことを祈る。

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2009年1月22日 (木)

鍋でも食べていよう

今週はハナから飲む日程で、日曜は大阪で勉強会だった。堀江先生と言えば斯界では有名でここの会では顧問をお願いしているが、今日は特に間近でお話を伺うことができた。さすがに丑年で今年は年初から幸運だ。もっとも先生もあまり日本酒の需要については楽観的ではない。もっと食中酒としてどんな料理にも合わせやすい面を世間に知らしめないといけない、ますます需要が減ると危機感を持たれている。鑑評会も10年ほど凝ったけど今は奨めないそうだ。で、となると熟成酒をやれということらしく、狭い蔵はどうしたらいいのですか、とかどういう方法で貯蔵するのがいいのですかとか、厚かましくもお聞きしてきたので、これからその対策に入っていくことになる。

まぁこの日の利き酒については会費分を軽く回収できるすばらしい内容だったが、自分の舌についての何とも言えない無能感とこれくらいまではわかるんだという確認になった。13種類ほど純米吟醸から特別純米クラスをラベルを隠してきいて、それぞれに自分で採点しておく。そのうち最後に別に利くアイテムのどれかが同じ蔵の酒だというんだが、絞り込んだ中には入っていたけどとても見切れるものではない。後でどれがどこの銘柄のどのアイテムでいくらの酒だというリストをくれる。自分で一番気に入ったとメモしたアイテムは良く練れた吟醸で純米系ではなかった。でも小売価格が一番高い物で価格審査としては成功ということだ。自社の製品はよく見ると一番安いではないか。ということは値段の割に健闘か?と言えばいいが蔵元ならこれが一番いいとメモできないのかという、問題は残る。つまり自分の舌はスムースなものは好むがゴツイとか飲み応えにそう高い評価がないのかもしれない。しかしわかるやつは全アイテムきちんと評価できてるんだろうな。

結局鍋でも食ってるしかない、というまとめだった。

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2008年12月30日 (火)

2009まずはアイテム整理から

本年もお引き立てありがとうございました。

連絡が徹底していなかったようなので、年末年始で公告もさせていただきます。

特定名称酒以外の、普通酒と呼ばれるカテゴリーですが、上撰と佳撰はアル添アイテムで一本化します。旧佳撰は同価格で、醸造アルコール抜きの「仕込み其の一 菊御代」に替えます。軽快な?アル添タイプがやっぱりいいと言われる方は、上撰へどうぞ。日常使用のアイテムを切り捨てたくない、という姿勢や、契約栽培を維持したい、という所からの組み替えです。ご案内文も添付いたします。

酒屋だけでなくどの業界も厳しい年の瀬ですが、希望をもって共に努力して新年を切り開きましょう。

Img_1564 「20081230.pdf」をダウンロード

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2008年12月27日 (土)

干支ラベルのご案内

どうやら今年の商戦は終わりを告げそうです。詰口能力の改善をなかなか図れず、今年もかなりの売り漏れが出ました。お詫び申し上げます。とはいえ、ひとつこの年末特有の事情もありました。2009(平成21年)は丑年です。12年に一度、当社も酒としては珍しい牛が酒銘に入っていることもあって、11月から年末年始の出荷は干支ラベルです。専門店にはあまり関係ないようですが、ギフトセットとしては地元でかなり影響がありました。なにせこの景気です。巣ごもり消費なのか家庭でお酒でも飲んでいようという方も多いかと思われます。そうしますと、実用的な純米酒1.8L×2本入りのギフトセットがかなりの需要増となりました。そのしわ寄せが他のアイテムの出荷にも及んでしまいました。

第一、牛というのは、株の世界とかでは強気相場を意味します。弱気の方は熊ですね。どこかの宅建協会から注文が来ていましたが、たぶん新年会で相場の上昇を祈念しようということでしょう。とにかく商売は牛のよだれともいいます。粘り強く行きたいものです。

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2008年12月20日 (土)

歴史に終わりはない-酒類流通の次を占う

地酒の宣教師が1000キロ以上移動して訪問したのは、あるボランタリーチェーン本部の会議室。12月に中継地を経由して3日を費やしたのには、次の時代への期待とか、そんなものを感じたからだろう。まだ地酒専門店の体制や設備は充分ではない、でも地域で生き残った規模と力がある。看板はディスカウントだが、これから情報を集めて地酒に取り組もう、要所に冷蔵庫を買って、本部で店長を集めて利き酒会をしてという、最もおもしろい所だ。Img_4973

戦艦や戦車が航空機に分が悪いことが明らかになった時期のように、スーパーと酒ディスカウンターの勝負はこと大手メーカー製品についてはついたかに見える今日このごろだが、それで歴史が終わってしまうはずもない。こと地元のメーカーを除けば全国スーパーは全国問屋で取り扱わない銘柄を揃えることなどないし、その本質にも反するはずだ。まともな製品を普通に売るという当たり前なジャンルは、高度に特化した個人専門店、業務卸の他、たぶんかつては「ディスカウンター」と呼ばれた販売店が変化して担ってくるような期待がある。もちろん高級スーパーとか、スーパーも変質する。

メーカーにせよ販売店にせよ、選べる楽しみや知る喜びとか、文化や地域を守る使命とか、そんな生きがいをお客様と共有できれば、互いにハッピーになれるんだろうなと思う。いくつかのレベルやチャンネルで、規模とかスタイルとかの、「生存空間」ができるんじゃないかな。

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2008年12月15日 (月)

桶はなぜ上口が底より大きいのか(桶屋さんの話)

12月くらいは地元の配達を手伝う。忙しそうで結構だと言われもするが、瓶詰が間に合わなくて発送が遅れる遠方の販売店にしてみれば、そんなことより瓶詰能力の強化とかに取り組むのが経営者の仕事だろうと叱られそうだが、諸事情ご賢察のほどを。さて帰ってきたところ桶屋さんが寄ってくれていた。和歌山も梅酒は好調とて中古タンクの移動が多いそうな。そんなことは当社に関係もなく、木桶仕込みもする場所がなくて、そう仕事も頼めないのだが、ここには資料館がある。その整備保守には彼の桶屋さんは余人を以て代え難く、そっぽを向かれれば廃館は確実、重要技術供給元なのだ。

せっかくの機会なので桶についてお尋ねする。ニューヨークのビルでも飲料水は木の桶であり、FRPでは絶対いい飲み水は得られないという。そういうビル、マンションの貯水槽も手がける彼の製桶所の仕事でも貯水槽の側面は垂直、ワイヤーで側板を縛ってある。それが何故、日本の酒や醤油の仕込み貯蔵に使う大桶は上側の開口部というか上辺が大きいのに底面はすぼまってやや細いのか。

ちなみに酒蔵用の大桶の標準は30石桶、上辺の直径約2.3m、高さ約1.95mである。

作業がしやすい?発酵にいい?。最近のステンレスの吟醸用のタンクだのといってもみんな側面は垂直だろが。

答えは材料の木材を効率よく使うためらしい。吉野杉の80年生から120年生のものを大桶を組むには用いるらしいが、木というのは根元がより太く上へいくほど細くなる形状をしている。その中で大桶用の側板材を無駄を少なくして効率良く取れるようにするために、底がやや細い形状にするそうだ。米国のビルの貯水槽が単純な円柱形直なのは向こうの木の成長が早く(と桶屋さんは言うが、樹種による形状の差だろう)、木の形状がより円柱に近く、丸太にした時、末口径と元口径の差がはるかにちいさいということらしかった。

木を伐るときに地面から3mだの4mだの6mだので刻んでいくのだが(倒してから小ぎる)、根元に一番近い部分を元玉、次を2番玉と呼んでいく。大桶は元か二番だかを用いるが、節のないものを選ぶ場合は2番玉にするというが。

ということは木が高かった時代の工夫で、昨今のように木が安いなら側板はまっすぐでできるのでは?という感じもしたが、伝統とはそんなものではない。また底が細くなった形状だからこそ、竹のタガが効くんだという。細く切って平滑に削った竹を編んでベルト状にして巻いているんだが、これがたぶんその形状の方がよく食い込んで吸い付くらしい。内容物があるときとないときで、側板は伸び縮みするようで、竹のタガも同様に変化する。

日本の伝統技とは、可動的で柔軟さがあるようだ。繊細微妙で奥深いが故、修得が難しく守っていくのが難しいらしい。

今も木甑にこだわる蔵もあるくらいで、木の熱の伝わり方や通気の具合、何より伝統を感じさせる文化性だわな。

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2008年12月 8日 (月)

酒造講話会で利き酒の向上法を聞く

毎年12月の上旬あたりに大阪の国税局が講話会をやってくれる。どちらかというと杜氏や蔵に入っている現場が対象で、毎度最近の事故の発生状況が最初に述べられて注意喚起となる。今年は、2人の鑑定官さんが、もう一歩いい酒を造るポイントとかアドバイスの外、利き酒の勉強法などをお聞きする。

いろいろな立場と場面で利き酒能力が必要とされるが、鑑定官や技師の世界となると、職業とは言え大変なようだ。お前もそれくらいやれよなァ、とか言われかねないが、自分の場合、どうもごちゃマゼの体験の中で、何のために利き酒しているのかわからなくなっているような気がしたので、今日のお話はいい薬になった気がする。

技師のやる努力たるや、くせのない酒というかホワイトリカーを15%から20%に薄めた500mlに、標準試料1mlを入れもので訓練するらしい。香りの標準参照物質で20ほど例をテキストではあげてくれているが、酢酸エチルの場合調整後濃度で14.4PPM。そりゃ香りには敏感になるだろう。ちょっとやる気が。

判断基準をもって、きき酒用語を覚え表現する訓練をすること。これはたしかに。

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2008年12月 1日 (月)

黒牛「純米しぼりたて」 今年も発売しました

今年も純米酒の原酒「しぼりたて」を生酒で出荷を開始しました。本生無濾過はまた来年の3月末までお休みになります。毎度ご説明させていただくのは、同じ精米歩合に米種なのに、「本生無濾過」と「純米しぼりたて」と商品アイテムを変えるのはどういうことか、ということです。

「純米しぼりたて」は秋に仕込み始めて上槽した最初の1本目か2本目を早急に瓶詰めします。フレッシュ感を優先しています。対して「本生無濾過」の方はひとシーズン数十本仕込んだ純米酒の中でテイスティング、選考のうえ、春から秋にかけて、今年はこういう出来でしたと言えるタンクを選んで生囲いして出荷していきます。最初温暖でどうしようとか言ってましたが、しだいに冷え込む日が多くなり、いい仕上がりになったようです。お値段も据え置きます。

Img_06352 http://www.kuroushi.com/shinshu/siboritate.html

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2008年11月24日 (月)

酒粕タンクを一部処分して置き場を作るの感

人によっては三連休初日になるが、今日は酒粕を踏み込んでフンゴミ粕を作るためのタンクを2本ばかり引き取ってもらった。酒を搾って粕ができると、一部は切り揃えて袋詰めして売ります。そしてヘタの部分とか、そんなに売れないから大部分を、昔はそれ用のタンクに放り込んでいって、上から人が乗って足踏み作業をします。それで踏みl込み粕というのですが、春の製造が終わってからの地元側の仕事でした。粕内に残存した酵母の発酵により、濃い茶色に半年もすれば変わってくるのですが、これを奈良漬用とかにするのです。今でもけっこう農家さん等が野菜を漬けるのに買いに来てくれます。ただこれがそんなに売れるわけでもないので、大部分は糟屋に引き取ってもらって、それをまた漬物屋に売る、そういう循環だったわけです。タンクからシャベルで掘り出して運送用の小桶に入れるのが、酒屋で最もキツイ仕事です。なにしろ酔ってくる。今まで知らなかった私など呑気なもので、世の中は大抵そんな踏み込みなどせず、搾ってすぐ米袋にでも入れてバラ糟として糟屋へ運んでしまうのがとうの昔に主流になっていたのでした。人件費をかけ時間をかけて少しばかり高く売れるよりは、場所も節約できる、ということです。以前は春になったら仕事が減るから作業量確保の意味だと思います。

昨今、本当に酒粕の需要も減ったようだし、不透明で検品に限界のある粕をリスクを冒して売るのはもういやだとメーカーが考えるようになりました。そもそも糟ですから酒袋等の糸、ササラの竹先の破片など、入り込むのが普通なんですが、それが今の消費者には通用しません。機械部品なら金属探知機というのも効果があるでしょうが、発酵タンクの上で割れたんだろうか電球の破片のガラスが問題になったようですし、米の中に入っていた砂とかも最後は糟までついて行きます。事故米だの偽装、農薬混入だのでメーカーは信用もなく、何があってもImg_06392 ひたすら恭順ですが、ちょっと質の違う問題だと思います。それもあって安くても専門業者に引き取ってもらおう、売るならそこでPBで製品化してもらってまた仕入れればいい、ということになったのです。

それは質だけなら、蔵で純米酒の板粕を丁寧に袋詰めしたものがいいに決まっていますが、正直、自社の売店くらいでしか売りたくありません。スーパー等で大量に売れというなら、何か入っていても意義は唱えないという約款を付け、それでクレームは敗訴という判例を定着させない限り不可能です。そうでなければ、酒粕は専門業者で製造した各蔵用のプライベート表示のものになっていくでしょう。どこか現在の流通というのはおかしなことになっているように思われてなりません。

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2008年11月22日 (土)

純米化率ランキングを酒造組合総会の後作る

酒屋の社長の仕事としては、税務・組合関係だけは社員を使えない部分です。今年も総会を、海南でやってまた県でやって、二重構造で年に2日も費やします。自分もいい年になってしまったのに、そのまた親と同じ年くらいのメンバーが中心だとなると、下を向いて資料を読んでいるしかありません。総会時期だからか全国の統計が年間でついていて、最新の統計データとなります。平成19年9月から20年8月までの課税移出数量があり、全国で669,629キロリットル、約372万石(一升瓶で3億7200万本)、対前年96.0%とあります。和歌山は2668キロリットル、約14800石(93.3%)、輸出が全国で10,298キロリットルありますから、当県の4倍ほどは輸出されているということで、いかにシェアが低いかがわかります。それにしても昨年に比べて出荷を増やしているのが、山梨と山口、沖縄、輸出だけというのはいただけません。酒質の内訳まで見ると東日本が純米酒カテゴリーでは数量を伸ばしており、明らかに販売方針のシフトが伺えます。それでも全国の純米比率で8.7%、まだ1割もいってません。我が県は純米化率18.9%、これは結構高順位です。あまり大きくないメーカー主体の我が県で当社が1割程度の構成ながら95%くらいが純米ですから、そういうところに貢献できたのは光栄です。当然商売上は他社が当社の分を狙ってきますから、いやいやながらであれ純米比率が増えるわけです。同業者を動かすというのは、かくも難しいもので、絶対感謝などされません。

トータル数量の対前年比で和歌山以下のところが18県、7割台というところもあって悲惨な状態です。千葉、栃木、福井あたりは純米で2割以上伸ばしていますから、かなり地域間格差もついているようです。

ちなみに純米+純米吟醸の構成比、純米化率といっても良いでしょう。これのトップは石川42.9%、2位山梨35.5%、3位宮城29.9%---で9位が和歌山です。近畿では奈良が5位26.6%、滋賀13位13%。つまり近畿の灘・伏見以外が差別化のため純米化に取り組んだ傾向がはっきりでています。エクセルでたまに遊ぶとおもしろいものです。7年ほど前のそれと比べると、杜甫のように涙があふれてしまいます。開けるかどうかわかりませんが、ファイルを付けておきますから、お暇な方は見てやってください。

「200808.xls」をダウンロード

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2008年11月20日 (木)

クレア・イーツ

株式会社文藝春秋が「クレア」という、女性向け雑誌も出している。そのまた特集号を「クレア・イーツ」としてクレアの2007年9月号と2008年8月号掲載の記事の一部を再編集して、第1号(2009冬)を出されたテーマが、「地元の通が教えてくれた47都道府県のクチコミ手土産」。地元局女子アナ&タウン誌編集長のお気に入り手みやげ、とある。採り上げていただいたのはうれしいのだが、何と表紙の左下に。たまにラベルに凝ったこと、地元の写真家に撮影してもらったこと、そしてまずコラボ製品で地元県のイメージを出しやすい日本酒ベース梅酒だったことがポイントだったんだろう。

あまりこういう対策に熱心でなかっただけに読んでみると、これはりっぱな調査だ。対象からして甘い物が多いが、和歌山では菓子類以外でいうとラーメン、梅酒、茶粥の缶詰め(これを採ったのはエライ!)、ちゃんと黒江漆器の盛り器も選んでくれている。それはいいんだが、全国を見ていくと、アルコール類に限れば、ワイン5、梅酒4、清酒4、ウイスキー1、地ビール4、焼酎1。女子アナと編集長ね。さて、どう見ますかね。清酒については、低濃度微発泡、普通の純米、槽木しぼりの純米大吟醸、カップ酒のコンテスト受賞品、という具合だ。

各県の名物や食文化をいろいろ考えて見るのにはいい材料だ。980円。そのうち居酒屋向け雑誌も合併再編で別冊だすかな。

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2008年11月 8日 (土)

どこまで書くんや

何ということもないが多事な一日だった気がする。

いやー大変ですね、と資材屋さんが兵庫県の紙パック清酒メーカーの廃業を告げるので、こちらはローカル紙で読んだ県内椿温泉の老舗旅館廃業の話をした。いやー、第二次大戦中のそこの旅館の領収書が出てきたから、一度それを持って温泉行ったらウケるんじゃないかなんて思ってたのよ、という軽いんだか重いんだかネタを出したんだけどね。

かつて新婚旅行のメッカとなた和歌山市の和歌浦の温泉街が寂れた話もしたが、カジノは話だけだろうけど、シニア向け施設の立地とすれば医大病院は近いし、海の眺望もそれ向きだな。観光分野とどう組むか。昔の協賛スタイルは意味がないし。研究もしないとな。

思い出してもショックだったのは、最近のイベントでの来場者との会話だ。ある年金生活の方は利き酒はすごくできるが、ふだんはパック酒だそうな。こういう時だけ良い酒を飲める、と。またある方はリストラにあって、普段は大容量甲類焼酎だがこういうイベントがあるとまともな酒を飲めるそうな。これではそういうイベントへ「中取り」だの「斗瓶囲い」だの持って行く意味があるのかということになる。

 最近元気がないとか聞くややDS+地酒もありのお店のオーナーの話も思い出したな。いくら何でも家庭でキュービテナー(18Lのポリ容器。大きめの飲食店用)の甲類焼酎が売れてる?。これは中毒だろ。確かその○○発酵も少し前に何とかなったよな。もっと辛かったのは、異業種交流の飲み会で時々あう歴とした自営業の奥さんの話だ。普段は大手の紙パックだが、ちょっと気分が良いときだけお宅の純米を飲んで下さるということだ。「生活に親しまれる本物の純米酒」という私が標榜しているような所とは食い違っている。どうなってるんだ。1社ですべての層もカバーできないのはわかっているし地域差もあるんだろうが、全体的には下方修正は避けられないだろう。

欧米の景気悪化も気がかりだ。日本食ブームというが、今回の金融危機でダメージを受けるのは、その顧客層の飲食店のはずだ。ちょっと輸出の変調は避けられないのでは、と思った。

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2008年11月 5日 (水)

地球温暖化と酒造り 機械屋さんの発想

酒造シーズン到来で蔵に醸造機械屋さんが訪ねてくれた。聞けば今日同じ街にいて同じように山の中をすっ飛ばして来たようだった。昨日はそこに泊まってある蔵の「米洗い」の祝いの席に呼んでもらったらしい。蔵によって酒づくりの始めにあたって蔵人に一席設ける会の呼び方が微妙に違うんだな。うちだと「もと始め」だが。

へぇーどこか機械屋が倒産したって。全然驚かないよ、この時勢と関連業界では。とは言え、例によって何か見積もり書いてよで終わったけど。年々高温化する環境において、ある意味温暖化対策は大手の方が進んでいる。長いシーズン大量に酒造りをする必要上、タンク、水や蒸し米を冷却したり放冷機やエアシューターの空気を冷却したりする必要があったから。銘醸地はかえって蔵の冷房化が遅れていたりする。しかしその仕込み水を凍らせて仕込水を一部氷と代えるという発想は機械屋さんらしいや。確実だけどな。

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2008年11月 3日 (月)

つきだし

連休でもあるが、懇意の飲食店を訪ねる。この時勢に8月から前年同月を大幅に上回る成績。心なしか客は若い。いや、そんなことないですと。カウンターもあるが、BOX席中心、座敷もあるが普段は締め切っていて、大口が入る時だけ使用する。郊外店なので家族の食事主体になってきているそうだ。たしかに車でないと来られない所だ。私は別格で鉄道駅からこそこそ歩いてやってくる。

マスターの分析ではメニュー改正において、「つきだし」をやめてしまったのが良かったそうだ。居酒屋という場合、座るとまず小皿に何か入れて出してくる。一杯目のドリンクの当てにしてくれというわけだ。注文客も大抵心得ているが、店にもよるが何百円かがチャージされる。こういうスタイルがいつ頃から定着してきたのか不明だし、どれだけ普遍的なのかもわからない。

これが、恐慌も予感されるような引き締めモードとなると、そういう注文してないものでの料金付加への抵抗は、殊に家族客には強まっているらしい。大体、運転する方が飲まないのが常識の時代、ドリンクは瓶ビール1本で、あとは食事メニューだというから。カウンターで2人共アルコール飲料をすするアベックなど昔日の光景になってきているのか。他で好調の店も同じ理由だと聴いた。とはいえメニューをよく見ると、肉類の産地を明示する変更をして、少し単価を上げているのだが、それはまた好評なのだそうだ。つまり少し高くても安心したい、でも意味不明の料金請求はノーというのがお客の動向なのだそうだ。アルコール飲料を供給する立場ではもう何か言う気にもならない。とは言え郊外でも農家集落も分譲住宅地域に混じって残るあたりで、祭りのあとの打ち上げだそうで近くの在所の婦人会が歩いて帰っていくのを見ると、外呑みもゼロにはならないだろうなと思ったが。こちらは反対の駅方向へ歩いて帰る。

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2008年10月31日 (金)

和歌山県産米にこだわる蔵元の会

1週間前になりますが、10/26(日)に和歌山県産米にこだわる蔵元の会という形で県内3社(当社とかつらぎの初桜酒造さん、新宮の尾崎酒造さん)による利き酒会を開催しました。

趣旨としては、酒産地のイメージ向上が狙いで、和歌山県内でも酒造好適米の栽培が行われ、それで仕込まれた純米酒があるんだということが自然と広く伝わればいいということです。

平成17年に山田錦が和歌山県の指定品種に登録されています。よく酒米マップというのがありますが、今まで和歌山県は空欄でした。小さいことですが、それを変えることに貢献できたことを、少し誇らしく思っています。

当社では県内2地区で美山錦を農家(JA経由)と直接、山田錦は3地区で米穀業者に取りまとめていただいています。

地元の米で酒を造るというのは、必ずしも伝統の酒づくりと一致するわけではありませんでした。既に江戸時代でも離れた酒米産地から米は買われており、仕込水や消費地への出荷の利便から蔵と田は結構離れた場所だったことが多いのです。ここがワインとの違いですが、穀物酒と果実酒との違いでもあります。製造工程が長いので、清酒蔵は、水とか技術とか設備とかでも、個別蔵間、産地間競争の大きな要因となり、すべてにこだわらねばなりません。

とは言え時代の流れが、フードマイレージだとか地産地消だとかに向いてきました。棚田を守るとか地域の農家と連携してとか、意義も叫ばれてきています。たしかに原料を近くで調達すれば製造過程で発生するCO2は減らせるでしょう。でもこれをあまり言い過ぎると、地元だけで売って大都市へは出荷するなとか、言われかねないことになります。地球の裏でできた酒類を現代人は飲んでもいますが、環境のことを言い過ぎると鎖国になってしまいます。せいぜい製造を地元にこだわるくらいでいいんじゃないでしょうか。

いずれにせよ地元の米で造りさえすれば質が低くてもいいということにはなりません。一歩づつ米質、酒質を上げていかねばならない。当社でも2アイテムの地元産米のアイテムを造りましたが、大部分の主力品については、酒米産地を選んで最良の原料を集まることに主眼を置いています。

現状課題も多く、そう簡単に米にしろ酒にしろ産地イメージなどできるわけがないのです。でも大きな目標を持つことができれば夢をもてることにもなります。何でも感謝の気持ちを持てとか言われるのはこうしたことかなと思ったりします。

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2008年10月28日 (火)

酒林の製作風景

奈良県の西吉野郡に野迫川村という山村がある。高野山の南東側で奥の院から村役場まででも約20分は対抗車に注意しながら走らないとたどり着けない。まぁ裏高野とも奥高野とも言われるが。林業が盛んだった頃からの縁で、酒林をこの地の山守さんに作っていただいている。麓の街の木工業者が杉の葉以外の資材、用具を支給して委託している。山守は山から杉の葉を集めて製作して、木工業者に玉は引き渡され、屋根等をセットして発注者に出荷される。それはけっこうなことだから頑張ってな、で紹介だけしたつもりだが、販売面の問題から引きずりこまれてしまった。それなりにノウハウもあってできのいい酒林は作りにくい。しかも杉葉は必要量を都市部ではとても自由に集められない。また街のものと比べ、葉の香り、照りや弾力が断然強い。

何はともあれ取材の案内ということで同行することとなった。こちらは山の話もしなければならないのでちょうどいい。

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2008年10月21日 (火)

ことしは豊作だったって 「もとはじめ」

今年もささやかながら、「もと始め」(最初の酒母を仕込み始めたのを機会に景気づけに蔵が蔵人に一席設ける)をやった。もう後はスケジュール通りに造って行くしかない。さて杜氏の家の作柄なぞを問う。2町なにがしの田で米作、たぶんコシヒカリかを作っておられる。ここでも近年にない豊作らしい。8月下旬にけっこう雨が降ったのがよかったんじゃないかとの意見だった。稲に根をしっかり張らせるために水を切るんだが、やっぱり稲刈り前のできたら5日前くらいまで水があった方がいいんだそうだ。また直前まで水を入れて下がぬかるんでいると、コンバインの作業に支障がでる。二条刈りだそうだが、これくらいの方が操作しやすいそうな。

近所の農家の分まで乾燥してやってるそうだが、JAへの予約外の出荷が多かったというから、みんなよく採れたらしい。また米余るな。

和歌山県内の美山錦も入荷がそろった。2地区で116俵ほどか。なんとか3等以上でそろった。ちょっとカメムシ来てるけどな。

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2008年10月 6日 (月)

金融危機とは無縁なんだか何だか

東京で週末を過ごして帰ってきたが、来そうだね、下の方へ。これは不動産、金融ネタだ。経済誌を2時間くらいかけて移動中読み込む。酒については例によって緩慢かつ得体のしれないアメーバのような市場の動きだ。金融危機と同様どうなっていくのかわからないが、より身近なだけに必死にさぐるしかないのだ。

土曜日に地酒イベントを開いてくれた銘酒居酒屋では、斗瓶囲いばかり集めて9品を廻してくれた。冷静に考えると少しずつ味を見ていくという意味では一人50CCにも満たないから、そう大量に使用したわけではない。うまく演出していたな。しかしこういう部分を見た一般の参加者が普段どういうものを飲むことになるのか、ちょっと考えこまされる。もしかしたら、日常はチューハイか発泡酒で、日本酒はこういう店で稀少品を舐めるだけになりゃせんかな。そもそも通常の純米酒が日常生活の食中酒として行き渡るように、こういうときだけのために稀少品を配分しているのだが。

日曜日に参加したイベントは、ファン感謝デーの性格を強めていた。新規顧客の開拓や既存客への顔見せと今期製品をチェックしてもらおうという意味合いはなくなりつつある。地方の酒販店はテーブルに立ち寄ってくれるが。

そんな会場からの帰り道、明日から開店のお店のスタッフといっしょになり、何だ自分のねぐらの近くじゃないかと、ご挨拶におじゃますることになった。オーナーと話すと、あるお店に安定的に自社の特定のアイテムを置いてもらおうなどというのは不可能なことだと思わざるを得ない。この店だけの話ではない。この20坪ほどの地酒に尖った店の保有アイテム数は160にも及ぶ。メニューにのって居るのは一部で、隠し銘柄も多い。1,2本づつ入っていくしかないし、どんどん入れ替わっていく。特定の客の指名がないと追加しないだろう。わざと切らせることも彼らは厭いはしない。

オーナーはきちんと有名蔵元で一冬製造に従事してきている。たぶん、これから来ると予想される長期の不況にも充分な耐性はありそうだ。地酒に注力するお店もそれぞれ戦略があり、多様性がある。聞いてはいたが実感した。

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2008年10月 4日 (土)

マッピング

電子地図帳の活用を遅まきながら進めてきた。半ば仕事、半ば趣味、幾分かの好奇心、いずれにせよ今までとは比較にならないほど理解が進む。出会った蔵や訪問した店なんかをユーザー図形にして貼り付けていくと、行った気分にもなれる。衛生写真で見るともっとすばらしい。とは言え余計に一度実際に行きたくなるから、IT技術が進歩しても事務所のペーパーレス化が進まないのと同様、旅行の需要が減るものでもない。

昨日蔵入りした社員の契約書類から住所をマッピングしてみた。4人しか但馬から来ていないが、ハチ北高原の麓、北側の谷筋あたりから来ているのがわかる。一人だけ香住の漁村で離れている。

一度泊まり込みで訪問したり、儀礼等で通った地域だが、冬はスキー、夏は沢登り、滅多に採れないスズタケとか、但馬牛のイメージで、一言でまとめると奥深い高原という感じだ。正直、うら寒そうな印象だったが、山は高いが傾斜は紀伊山地よりはなだらかといったところだ。でもハチ北のスズタケなんかは、ロープで体を釣って崖を降りて宙づりで採るんだそうな。杜氏集団の根拠地としては最も高齢化が進んでいる地域のひとつであるが、今年も蔵人達を送り込んでくれ、地元採用の社員達と協働、指導にあたってくれているのは、感謝に堪えない。

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2008年10月 2日 (木)

蔵入り

杜氏達がやってきたのは1日の夕方だった。半年分の生活道具を車に積んでくるので、宿舎のある2階まで、パレットに積んでから地元の社員がフォークリフトで揚げている。その辺は楽なようだ。外でアパートを借りていたら本当の引越になってたぶん荷物かかえて階段を上がるハメになるだろう。今年は4人で1人増えている。これは地元が1名減なためで、増減を繰り返しながら地元化を図るという流れだ。全員過去来たことがあり、去年は呼べなかった人もいるが、どうしても1才づつ年はとってくるな。自分もだけれど。早速2日朝から掃除、用具の煮沸、消毒、井戸替えに入る。こうなるとこちらも米の手配の確認、製造計画の作成、現場との打合せとなって、引きしまってくるのだ。資材会社の訪問も増えてくる。エクセルで当てはめていくのだが、米屋や酒造組合と電話をしながら日長、計画をああでもないこうでもないと作り込んでいく。杜氏の所へいって相談もしないといけない。勝手に作って無理ですと言われても仕方がないのだ。米屋も巧みに取扱い高を増やそうとするし、まだ収穫量が決まらないところは仮数量で作っておく。これを何度も直して確定させていく。おもしろいんだがな。

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2008年9月29日 (月)

知らないのはお互い様

酒造業界の苦境が伝えられて久しい。今や他業界の人との日常会話において、酒造業界の枕詞に「構造不況の」とか「不振で苦しむ」とかがつけられるようになった。妙に偉さぶる田舎の旦那も減ったが、採算を考えずに需要家に甘い対応をとるメーカーもやや減ってきたのはいいことかもしれない。この日曜は大阪で8年ほど、地酒の蔵元を集めての会に参加してきた。そんな印象を強くもし、結構苦しんでいそうな話も聞いたが、PRイベントに出ていられるならまだましな方だろう。3次会まで付き合ったが、当社が地元で過半を出荷しているにもかかわらず、県外ばかり売っている蔵だと思っていたという人がいた。大変な誤解だが、他県の蔵なんてそう情報は入らないのか、歪めて伝わるのか。お互い何か参考になることはないかとか探る感触がまた楽しいんだが。何も売る話だけではない、設備や技術、人材、原料とかテーマはいっぱいあって、各種イベントに参加して思うのだが、会場だけで帰ってしまう人が多いのは、自分には信じられないくらいもったいないことだ。毎年少しづつではあるが人も蔵も変わっていく。これには終わりがない。

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2008年9月26日 (金)

迷惑はかけられないだけか(玄米袋)

9月20日から精米作業は始まっている。今年は富山の五百万石からだった。数日後の今、精米機比較の意味で大吟醸クラスの精米を一部委託している先から通知が届く。玄米袋を再使用しなくなったという知らせだ。委託して精米する場合、玄米は購入した蔵の物で、精米所に預けて精米してもらい、また玄米をいれていた袋に詰め直して、酒蔵に搬入されていた。これが昨今の関連業界全体の信用毀損事件で、不要ではないかという見直しまでなされるということだ。つまり、蔵へ白米が運び込まれる時の荷姿が、中身は白米で外の袋が玄米で一致しない。農産物産地検査証明は一度使用した後は証明の表示を除去、または抹消したうえで流通させないと違法になる。したがって、その精米所は、今期から新袋の紙袋に入れて酒蔵に届けるというのだ。当然と取るのかやむを得ないととるのか、私のようなひねくれ者には、新袋にするコストアップはどうなるんだと思うのだ。ただでさえ、その農産物検査証明を得るために新袋に入れないと検査しないという対応はJAの手数料稼ぎではないかと勘ぐってしまうのだ。検査証明を除去または抹消せず、再び米の袋に入れて流通させた場合は、農産物検査法に基づく罰則が科せられる。1年以下の懲役または100万円以下の罰金だ。契約栽培で農家から直接、蔵が米を買う時に、これがどれだけ足を引っ張るのか。相手もよくわかって直接持って来られるのにわざわざ、新袋1枚80円くらいか、を買って、検査料1俵2,30円だかも払って、伝票だけはJAを通じて、ひどいときは経済連、そして酒造共同組合まで通して何重にもマージンを落として蔵までたどり着かねばならない。一度使った米袋は酒蔵構内、つまり精米後の枯らし期間に白米を入れて積み上げたり、糠を入れて仲買人に売ったり、農家が親類や自家消費に使ったりするしか使えないことになる。お薦めは検査証明欄の抹消後の再使用(中身をシールで張り直す)だが、営業上そんなことができるとは思えない。

600㎏入る再使用できる大きな袋、フレコンを早く使えるように設備を改良しないとコストアップするばかりだ。Img_0786

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2008年9月21日 (日)

週末の利き酒

この1週間は非常に効率的な利き酒を固めてして、蔵元とかにもたくさん会えた。水曜と土曜は東京と神奈川の酒屋さんで取引のある蔵元を集めて情報交換会をやろうというのに乗ったのだが。どうも酒イベントも消費者とか飲食店を集めて営業拡大というのもワンパターンになったみたいだし、仕入先との関係強化に目を向けてみたのかも知れない。駅であった顔見知りの蔵元とちょっと早めに店へご挨拶に伺うと、機嫌が良かったのかいろいろ飲ませてくれた。懇親会に出る前には結構入っていたのだが。やっぱり売れてる銘柄はキレがいいなとか、ラベルもよく考えてるし、何のかんの言ってもスペックが高い(ラベルの精米歩合が価格の割に低い。たぶんいい米も使っているのだろう)なと納得して退出した。これだけで有名居酒屋では10000円になるかもしれない。だいいちアイテムがそろってない。しかし雄町の酒をこれだけまとめて利いたのは初めてだ。懇親会でも随分飲んだので、日曜の帰り道に仕組んでいる大阪での参加行事では悪いができるだけ飲まないですごそうと、珍しくお冷やのチェイサーをパントリーまで取りに行って、水をどんどん飲んでいたが、乾杯用に自社の酒を使ってくれたので方針をやや変更せざるを得なかった。とは言えさすがに「和らぎ水」は酔いを抑えるのには有効だ。いつもよりさらに多く水を採ったのでほとんど残らなかった。やれやれ。

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2008年9月13日 (土)

おばんです

何故か盛岡まで行ってまいりました。ぴょんぴょん舎の社長の講演を聞いて盛岡冷麺というのがどんなものか勉強したり、近江商人系の酒造家がここでも強いんだとか感心して帰ってきた。それにしても、こっちで壇上に立つ人は「おばんです」とまず挨拶するんだが、宮田輝のふるさとの歌まつりなんか思い出してしまってたけどね。酒林にしめ縄廻すのは東北の流儀かいなとか、駅の地産地消自販機に感心し、さるなしドリンクを飲んでみたり、駅前ビルのたぶんフェザンがSに「”」つけて「ザ」読みさせる看板を見ておもしろがったりと、しょうもない所で非日常をちょっぴり楽しんできた。Img_0746

そば粉が入ってない透明感があって超コシの強い冷麺がブレイクしているのは知らなかった。さぞや苦労されただろう社長の高い社会性に敬服したが、この地で完全に認められたリーダー企業になっておられる。南部の風土も大きな影響を与えているようで、これこそ文化の融合だな。

釜石のウニはお盆まで。次は三陸だ。

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2008年9月 7日 (日)

産地訪問(兵庫県西脇市)

いい天気の週末、かねて打合せの通り山田錦の主産地を訪問する。和歌山市から近畿自動車道から吹田で中国自動車道で滝野社まで走り、加古川沿いを10㎞弱北進する。だいたい170㎞くらいで黒田庄町の集荷業者の倉庫まで到着した。高速のサービスエリアには幟が立てられていて、「黒田庄和牛 神戸ビーフの産地」とあったから畜産もさかんなんだろう。

家族経営の若い業者さんが当社銘柄を知っていてくれたのは驚きだったが、皆営業でこの程度の距離の範囲は充分活動しているということらしかった。都市部でお米の勉強会を主宰している女性を駅でピックアップしてから栽培農家を訪問し、倉庫でお話を伺う。丹波市山南町小川地区になるのだろうかそれから圃場を廻るのだが、酒屋に米屋、集荷業者に農家、環境意識の高い消費者と集めれば漫然と風景を眺めるような雰囲気ではなかったのは当然だろう。

Img_0613 今年は山田錦の作柄は良く104、105くらいかもしれないとか。山田錦を1.5ha、コシヒカリを5ha、減反した3.5haは麦と小豆で二毛作。10ha規模の専業農家が保有する倉庫の機械設備はちょっとした工場で20馬力の乾燥機が3台が唸っている。小さいのを入れれば4台ある。一台は遠赤外線式だ。4条60馬力とおぼしいコンバインが入口に駐車しているがまだ新しい。これなら1時間3反くらい慣れれば刈り取れるらしい。機械の中で籾はフレコンと呼ぶ600㎏の袋に入るが、倉庫ではまず乾燥、そして籾擦り、それから米撰機を通して仕上がる。丁寧にやるぶんにはさらに今でも唐箕を通すらしく江戸時代のような手回しのものと、電動で送風する山形県のメーカーの唐箕が置かれおり、これを見たのは初めてだった。コシヒカリのうち134アールはJAS指定を受けた有機の圃場で、今年はさらに100アール追加するようで、都合2.4haが有機となれば、コシの半分は有機になるから、そういうカテゴリーへの直接販売も増えてくるはずで、唐箕はたぶんそのためのものだ。1年完熟の牛糞たい肥を使用するご方針のようで、いやまったく頭が下がる。

今回の視察では新しく覚えた知識も多かったが、一番の感想は農政の行き詰まりだった。政治家は選挙に勝つため専業農家を苦しめている。何故この農家に1/3の減反をさせる必要があるのか非常に非効率に思えた。土曜のことで通り道、親戚どおしで小規模兼業農家が稲刈りをしている。頭数は彼らが圧倒的で、他に安定収入もあるから余計強い。よって経営規模拡大、担い手育成は進まないわけだ。

他に山田錦と、無施肥無農薬の農林22号、初霜の圃場も見てきた。主産地であるがゆえ問題は目立つ気がした。

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2008年8月29日 (金)

山田錦メモ

兵庫県の方から小冊子をいただく。「兵庫の酒米 山田錦生誕70周年記念」で県と兵庫県酒米振興会が作ったものだ。データはもう3年前のものだが、経過の記載は整理されている。

山田錦は昭和11年に兵庫県が育成した晩稲品種。平成17年時点では兵庫県下の酒米栽培面積の8割以上をしめ、3773ha栽培されている。(酒米トータルで約4600ha)

播州では慶長年間には酒米取引の記録があり、歴史は古い。周縁部の当蔵でさえ、祖父から初代(そのまた祖父)が同業と連れもて、帆船に乗って加古川まで酒米を買いに行ったのだと聞いたことがある。紀淡、明石海峡を通っていくのだが、明石は蛸が有名だ。きっと海は透明で何しろ帆船ではゆっくりしたものだったんだろう。沖の話か岸辺の話かはわからないが、船方が大蛸が海中で泳いでいるのを目ざとく見つけるや、「アっ、蛸や」と叫んで船から勢いよく飛び込んで採りに行く。蛸と格闘して、腕にからめてくる蛸の足を口にグッとつっこむと、炭を噴き出して仕留められてしまったのを見た、と聞いたことがある。

明治の中期から大正にかけては山田穂、渡船、藍那穂、奈良穂など30種余りが栽培されていたが、明治45年に県最初の奨励品種として山田穂と渡船が指定された。

村米制度をよく聞くが、背景としては、明治7年の地租改正の結果、年貢が地価に基づく金納になったため、農家が収量偏重となって品質低下したらしい。当時需要を増やしつつある灘の酒造家が、良質の酒米確保のため動き安定販売先を求める農村と結合したのが成功したということだ。

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2008年8月27日 (水)

ひやおろし

ちらほら、「ひやおろし」の出荷はまだですか、とのお問い合わせをいただくようになった。9月9日の解禁日を待たずもう出荷している蔵もあるらしい。私の考えでは10月1日くらいが本来まともな考え方だと思っている。気温が下がり、酒の貯蔵温度くらいなって、熟成した酒を生詰で出荷するのが本来ではないのか。組合では、火入れでもいいという定義らしいし、9月9日というのも何やら妥協の産物らしく、販売業者の倉庫を先に自社の製品で満たしてしまおうというような戦術を取る者がいてどんどん出荷が早くなったのを抑えるためだったと聞く。押っ取り刀で当社が10月に出すともう終わっていたというわけで、9月中旬に原酒・生詰(春に桶ごと火入れしているが、瓶詰の際は火入れしない)製品を限定発売することにした。乞う、ご期待。

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2008年8月23日 (土)

山田錦作況

今日も続けて酒米だ。富山から帰った翌日、今度は兵庫から米関係の方が来社、山田錦の話になる。

かの本場でも清酒需要の減退の影響は免れず、10年前頃から契約面積は減少、ピークの3分の2になっている(作付面積が、ではない)。とうとう当県まで来られるわけだが。現状の作況は平年作からやや良程度。ただし飯米の作況と山田錦の作況は一致しない。たぶん山田錦は非常にオクテであるからだろう。その出穂は8月の26日から28日頃かららしいが、この時期の天候が影響するらしい。強風が吹いたり台風を食らうと大変なのだ。この調子で9月に朝晩が冷えると登熟歩合があがる。10月第2週が稲刈りと、酒米№1の品種は遺伝子で決まっている。たぶん日照時間の変化で生育がコントロールされているようで、早く植えたりなんとかしても変わらないのだ。人間の邪心を抑える意味でも王者である。

富山同様資材高の話をするが、本格的な肥料価格の上昇の影響は来年で、この春はまだ価格があがっていない。でも7月に7割上がったとか聞くけど。窒素の補給をたい肥に振り替えるアイデアについて聞くと、たしかに安くはなるけど、たい肥を圃場に入れる作業は大変労力がいるという。そう、その側面も考えないとね。「作り三等」の説明がよくわからなかった。特定名称酒は検査を受けた三等米以上に限られる。掛け米として三等の需要が高まっているらしいが、わざとやる意味があるのか、どうやってやるのか不明だったが。もう少し聞き込まないとな。

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2008年8月21日 (木)

五百万石稲刈りは月末(富山)

毎年恒例の圃場見学と農家への挨拶、懇談をしに富山へ行ってきた。山地が迫っていて、用水は豊富できれいだ。酒米産地としての地位向上を真剣に誓っているグループの圃場はいかにも行き届いた管理に見えた。専業で経営面積が30ヘクタール以上、これが今後の「担い手」なのだ。こちらが酒造の担い手になれるかは当確はでていないが、先方はほぼ間違いあるまい。今年の作況は102程度、分蘖数24、25というあたりか。肥料高騰の折、窒素をたい肥から得る方への動向も感じる。政治的配慮もあってやや高い相場で始まっているが、需給関係からそう続かないという観測を聞く。散居村というやつか、大きな間隔で各戸大きな農家が防風林付きで見られる。堅実で豊かな地域なのだ。扇状地なんだろうな。標高は100mないようだが、もう秋の風を感じた。五百万石はここ数年買わせていただいている。山田錦は買ったり買えなかったりだが。五百万石はもう月末には稲刈りだそうで、あっという間にまたバタバタ製造手配に追われるようになる。

けっこう近くを東海北陸道が走っていて、名古屋まで3時間で行ってしまうという。高山あたりは1時間と聞くと、昔電車で延々旅行した感覚が打ち砕かれてしまった。城端線という単線で福野あたりからだと高岡まで30分はかかるから、時間感覚では和歌山から粉河程度まで川沿いを登るのと同じくらい中心都市から離れているわけだ。一度車で縦断したいな。

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2008年8月19日 (火)

和歌山県工業技術センター

どこの県にもあるんだろうが、県の工業技術センターへ今日は技師先生を訪ねる。梅だミカンだ柿だという県だが梅酒は好調、主力の梅干しもま健闘というところか、醤油に味噌、柿酢、漬け物と、とにかく食品工業も範囲が広いから先生も大変だろうなと思うばかりだ。酒については、ちゃんと酵母の分離もされていて、9号系の香りは高い「和歌山酵母」は当社も使用している。今日は紀南で採集分離した「熊野古道酵母」もあるとお聞きした。紀南の酒蔵が試しているらしいが、酸がやや高いらしいが。

南極くらいのディープフリーザーがあれば自社でも分離できるが、センターも地元の資源だから活用しない手はない。培地は自社で作っている。

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2008年8月16日 (土)

置かなきゃ売れない

お盆も当地方では終わりの日、終戦の日でもある。翌日から2日間今度は市役所からJRの駅前周辺で、各団体、商店街で実行する「ふるさと海南まつり」がある。こっちは公園がメイン会場だから、舞台でイベントやら踊りが行われる。普段の練習の発表の場でもあるのだ。

そんなくそ暑い日、県境を越えておいらは居酒屋で酒談義だ。例外中の例外パターンで清酒は当社の製品のみなので当然こちらもケアしなければならない。そう地酒を前面に出す業態でもないのでそれで十分なのだそうだ。理由はどうあれありがたい話だ。オーナーも、最近はいろいろ聞きつけて生酒だの純米吟醸だのを置き始めた。こちらは他社製品もそろえると言われないかと気をもんでいたが、何とかなるもので、生酒(純米酒の本生無濾過)も注文する人がちらほら出てきたという。そりゃ置かないと売れないわな。いろんな銘柄を置かなくとも何とかなる例だ。食材、調理法、サービスにこだわるわりに酒は主でないから無難でいいという人が多いが、そんな風なオーナーと仲良くなって、せめて冷酒に純米酒の小瓶を使うことを提案したんだ。そういうお店を増やさないと日本酒の需要は増えない。

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2008年8月 8日 (金)

高温障害と産地

のみ切りが終わって早速米屋と富山へ行く相談になった。圃場廻りというやつで、私の蔵元としての主な仕事だ。以前は違ったが、今はしぐさ振る舞いも大事な仕事と心得るようになった。鼓舞しなくてはならないのだ。

産地というのはブランド競争の集団戦をしているようなもので、我が紀州は梅では優位にあるが米は残念ながらそうではない。蔵も日本海側まで原料米確保に出かけることになる。年々高温障害による米の品質低下が問題となってきているが、そのわりに最近でも米の溶けやすい年と溶けにくい年があった。気温だけなのかどうか、とにかく米は毎年質が異なる。日本のうち37都道府県で高温障害の影響があるという記事があったが、米屋によれば影響が少ない産地は、日較差(1日の間の最高気温と最低気温の差)が大きい、要は夜涼しいか、また用水の水温が冷たいか、ということで山地はいい傾向にある。反対にそういう所は冷害に弱いが、温暖化というだけなら山地は恵まれている。思えば南砺は恵まれていそうだ。紀州においてもかなりの山奥で美山錦・山田錦を作ってもらっているのだが。

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2008年8月 7日 (木)

呑み切り

今年も呑み切りを行った。当社はこの地方では呑みきりを行うのは時期的に遅い方だが、これが済むともう次の造りの時期がどんどん迫ってくるように感じられる。杜氏には蔵入りの日程、人数の確認、製造本数も大体はしておくことになるし、今年は工事屋も来てもらって、蔵入りまでの修繕箇所を確認した。塗装やら板の張り替えその他、もっと先のことと思っていたのに。

 県の工業センターが新人も含めて3人来てくれたうえ、熱心な地元販売業者さんも参加するから、先生らの一巡後、利き酒に加わってもらう。もう毎年やってると同じ位置のタンクで去年の呑みきりに比べて計測温度が違うとすぐ気づくことになる(採酒するさいに1本づつ液温を計測する)。冷房機器の調子やらが気になるのだ。酒については、今の石数と設備なら、まずは上出来というべきか。相も変わらずちょっと吟醸関係が地味な感じだが、よくしたもので、蔵の酒は蔵元の姿勢や内面を反映する。一見関係ないはずだがな。19本のタンクは17本が純米だか純米吟醸以上、普通酒は2本(うち一本はアル添がない純米醸造の普通酒)だった。

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2008年7月29日 (火)

正一合

「オヤジ、そのメニューの書き方おかしいぜ。」昼食に寄ったお客の店だが、夜用メニューのドリンクページに私は引っかかった。奥さんしかいないが、気に障らないように説明しておかないとな。まぁオーナーは言って聞くタイプじゃないんだけど。

ドリンクメニューに酒(正一合)650円、(正二合)750円、冷酒750円とあるが、どう見ても正一合というのは、450円かなんかの書き間違いだろう。それに、今時、とっくりに「正一合」の表記は、世の中が許さなくなってきている。酒(小)、酒(大)が望ましい。水で試せばわかるが、とっくり小はほとんどの場合、180mlも入らない。正一合=180mlで、これは枡(ます)を呼ぶときの言い方だ。もし正一合なら一升瓶で10本、小とっくりが取れるはずだが、13,14、15本とか取れるはずで、陶器屋に言えば何本取りとかで指定して選べるはずだ。2合とっくりと通称される大とっくりでもまぁ一升瓶で7本取れるだろう。そのうちこうした今まではどうでもよかったようなネタに消費者が過剰に反応する時代がくる。早い目に直しておいた方がいい。

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2008年7月28日 (月)

日本酒フェスティバル2008

7月27日、東京プリンスホテルで日本酒フェスティバル2008に参加してきた。59蔵参加していて盛況だった。ブースに立ち寄る人もさまざまだが、蔵が地元のつまみ(当社は蔵で付けた粕漬と地元で定評のある金山寺味噌を持参)と仕込み水も置いているので、参加者に料理はでないけれどお値打ちイベントだろう。

今回は一人で出かけたので、他のブースを廻る余裕がなく、後で参加リストを見てあそこの蔵と挨拶するの忘れたとか反省したが。

運営の中心にいる川島酒縁の会の川島さんによれば、2001年に開店20周年になるのをきっかけにまともなイベントをやりたかったということで始まったらしいが、地酒業界の恒例イベントに大きく育ったという感じだ。たまたま自分も蔵元20周年だが、何か企画しようという域には達していない。比較して焦るよ。

また飲食店さんが多くていいご指摘もいただける意味では大事な場である。特に清酒にこだわるお店の方が多く、これは付加価値の付いたドリンクであれば、焼酎、梅酒、ワインも集めるというのと少し違うタイプの群になる。焼酎好きよりも日本酒愛好家の方が食べ物にも凝る度合いが高く、肴を提供していて張り合いがあるという意見があったが、たしかにそういう所はあるだろう。

帰ってから製造への会場でもらった意見のフィードバック、販売への指示、整理やらで、帰社してから2日程度は作業が発生する。Cimg0056

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2008年7月27日 (日)

名古屋行ってきました

名古屋に寄ってきたが、駅前のミッドランド スクエア(豊田・毎日ビルディング)はすっかり完成していた。敷地が11643㎡で延床面積193450.74㎡、竣工が06.9なら、この前名古屋へ来たのはいつのことだったろう。

だいたい駅前の正面にブランドショップが1階につまったビルというのは、すごく私の世代には違和感があって、中央郵便局、電話局、銀行が揃っていないと落ち着かない。サブプライム後でまたムードも変わっているんだがな。でもレクサスのショールームはよかった。LS460がどういうものか間近に見ることができる。田舎のディーラーなんか入っていくのは、後で営業に来られるんじゃないかとか(まぁ相手にしてないやろけど)気になって入りづらい。だいたい風体上買わん客やろという目で観察されるのがいやだわな。

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ここよりは少し南のモード学園スパイラルタワーズの方がスタイルもおもしろいし、歩いている人間が若いし活気が感じられる。自分は仕方がないがセンスも良さそうだ。この3月に完成したそうだが、36階建ビルに、名古屋モード学園、HAL名古屋、名古屋医専と3つの専門学校を集めているから、ビル周辺のムードは全然違っている。

Img_4767 こういう感じで名古屋は歓楽街を除いて中心商業施設を駅前に集中させている。大名古屋ビルが駅前で最大だった頃がなつかしい。松坂屋で虎屋のういろを買ったが、入口正面から、後方へ移されていたのは残念だって。

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2008年7月26日 (土)

清酒シェア

京都まで往復したが毎年やってる近畿の酒造家の「人材養成研修会」で、蔵元が100%蔵元の立場で顔を合わせる年に1回夏のイベントだ。灘とか伏見の大手の社長も居れば、100%純米だとか、冬の間は自分で造ってますという所もいて、近畿は幅が大きいし環境が過酷な分、おもしろい部分もある。昼間は国税局の役人までいるからね。

H19.4-H20.3で課税の出荷が374万石、対前年比97.4%、アルコール飲料での清酒シェア7.3%と民族酒の地位はもうないという方が正確だろう。「国酒」を掲げて、よく聞かれるのは、「それどういう意味ですか。」、だ。

組合でやってる対策の中でいいと思うのは「和らぎ水」のキャンペーンだが、「日本酒で乾杯推進会議」の会員集めももっとやるということらしくで、今のところ14000人なのを、3万人目標だそうな。

ビールで乾杯しようって所で「ちょっとまったぁ」と、金色のカードをサッカーの審判よろしく手に持って挙げる会員がどれだけいるのか。年に1回は手を挙げるノルマとか課さないと、カードホルダーのポイントカード扱いになる。

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2008年7月17日 (木)

梅酒特区認定おめでとう

 7月9日付でみなべ町が国に申請していた「紀州みなべ梅酒特区」が認定されたようだ。これから説明会をやるそうだが、局の審査は4カ月はかかるそうだから、第1号は今年中にはちょっと無理みたいだ。一方清酒製造業者の条件緩和の梅酒の方は既に多くあるうえに、それならとばかり皆出そろうような情勢らしい。既に過剰とも言われる中、地元観光需要とか自社売店でうるためといった所を考える限りは多少なりとも売れていくという見込みのようだ。都市部の業務等を狙うにはよほどの特徴がないと難しそうだ。

 梅産業は紀南地方の経済の中核業種なので、過去良すぎる時期もあったがゆえの最近の懸命な取組となっている。特区で梅酒を造ろうとも、青梅は全国相当の梅酒製造業者に出荷されている。その梅の産地ブランドイメージを各製造者が一部依存しているのだから、産地の繁栄は必要なのだ。

もちろん梅にも産地間競争がある。いい梅を適正価格で安定的に出していただきたい。

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2008年7月15日 (火)

この仕事をやっていく上で避けられない悩みのひとつに、クレームなのかどうかわからない部分への対応がある。酒の色がいい例だ。

一般の消費者さんにとっては酒に色が付いているのは古くなって痛んでいるのではないかと思ってしまうことがある。少し金色がかっている方がいいんだが、しかも最近は活性炭使用しなくなっているから余計色は濃くなる傾向にあるし、問題は電話ではどの程度のものかわからないということだ。いきなり最近のいいお酒は色が付いてる方がいいんですなんて言うと大変なことになる。濁っていたり飲んでみて酸味が強いようならやめて下さい、といのもまたNG。不安を持っている人に飲んでみてとは言えない。もし火落ちでも乳酸の一種ですから健康上問題はない云々を電話で説明はできない。丁寧に説明して交換にも応じているが、日付や保管状況によるから、余計難しい。そのまま消費される場合も多い。透明な酒に慣れきっていただけの人も、そして大半そうだが多いのだ。ギフト時期は特にもらったお酒についての質問が出てくる。送る方は地酒好きでもらう方は知らないというケースが多いから。

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2008年7月14日 (月)

あるオーナーのこだわり

これもその近くの販売先の中華レストランの話だ。だいたい地酒に注力するという業態ではない。もう10年くらい扱ってくれているんだが、「お客さんからおいしいと言われた。在庫もなくなり注文した。」と初めて言ってくれた。当然うれしいんだが、さて最近品質が急に向上したわけでもなく、いったい今になって何だろう。ビジネス以外の付き合いもあって置いてくれるようになった経緯で、失礼ながら味にこだわって選んだ各種各地の酒を置いている店ではない。たしかに焼き飯はおいしいんだ。店も客もあまりこだわらずに時間が経過していたんだろうか。その当時のセールストークとしては、「お料理メインで結構、地酒なんかいろいろ置きたくないのはきっとここでは正しいと思います。でもこのアイテムだけでも置いて頂ければお客様からそう文句は出ないと思います。」だったが。

そんなことより、かつて大繁盛していたお店なのに交通の流れの変化やら何やらで、やや地域内の競争で遅れを取っているので、そっちの提案もチラチラするんだが。

 自分の親もそうだが、どうしても人間年齢とともに自分の経験やスタイルにしばられる所が出てくる。また得てしてワンマンで周囲の意見を聞かないタイプが多い。うまく変わっていくことを期待している。流行ってくれないと仕入れてくれないんだから。

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2008年7月13日 (日)

地酒メニュー作り

居酒屋のメニューもいろんなパターンがあってどう作られているかは千差万別。チェーン本部、オーナー店の経営者、店長、納入の小売り店、誰が主導しているか、あるいはどう任せているかとか、背景事情なんかは見て推定するのも仕事だし、楽しい部分でもある。

メーカーは、というより当社は、一切関与しないのを良しとしてきた。第一このカテゴリーは得意な方ではない。とは言えわずかな先数で、地域的にも販売店には頼れなかったうえ、長い付き合いになっている所からは、定期的に意見を求められる。ここぐらいなら勉強もかねてと、原稿の協議からやるんだが。オーナー店の考え方を知るにはいい機会だろう。偉いなと思うのは、これくらい資材がどうのという時勢なのに酒以外の部分でも、値上げがどうという話はついぞでなかったことだ。ということはこちらも価格は触れないということだ。

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2008年7月12日 (土)

梅酒な週末

御坊市は和歌山県中部、簡単なイメージでは和歌山市と田辺市の中間地点で、中紀地方の中心地と呼ばれる。結構広々した平野が日高川の河口に広がっているが、何故か関連会社がある。

時に見に行くのだが、もっと行けということになって手を打ちに行ってきた。なにしろ酒蔵・倉庫がある。ここで今日聞いた話は、昨日に引き続き梅の話だ。

梅酒特区については、一部地元でさっそく免許取得に動いている人が複数いるということだ。数ヶ月を置かず新規の梅酒製造業者が誕生すると予想される。たぶん地元の常識ではホワイトリカーで青梅を漬ける工程で出てくるだろうということだ。一部旅館でブランデーで漬けている例があったが。その後できた梅酒、できたら一定の熟成後に、日本酒と合わせてまた熟成というパターンはまずすぐには出てこないだろう。いったいこの数年ミニブームだった?清酒メーカーが出した清酒ベースの梅酒というのはどれくらいの構成比なんだろう。

今年は青梅は不作らしい。でも値段はそう上がっていない。理由は九州でミカンからの転作による新産地からの供給があるからだそうな。もっと全般情報で言えば、国産回帰、中国産回避らしいが、国産の低価格品人気なんだそうだ。

JA単位で産地イメージができているようで、本場中の本場「みなべ町」を管轄する「JAみなべ」管内の青梅は「JA紀南」より、1箱1000円高いという。10㎏1箱で3700円-4000円とは何の価格かも知れないし、どの等級のものを示すのか不明だが、仮に3000円と4000円なら30%以上の格差があることになる。米、例えば山田錦の特A地区だA地区だといってもそれほどの率で差があるわけではなさそうで、梅の方が格差付けがきつそうだった。非常に曖昧な、そして変わり気の強い人が隣に越してきたような感覚だ。

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2008年7月11日 (金)

和歌山県と言えば梅酒

和歌山県食品流通課が、和歌山県内で梅酒を製造・販売する14業者と「本場・紀州産梅酒の会」を作っている。梅産地振興の一環として一歩踏み込んだ印象だ。東北の方の県で清酒でそんなことをしている県があるのかどうか。別件で県庁へ行って初めて知ったくらい当社は呑気だが、どう県とこの部分で関わっていくのか、また考えないといけない。みんな素直でいいよな。

県内でも梅がまんべんなく作られているわけでなくコアな本場は「みなべ町」とその周辺だが、みなべ町は特区改正法で「果実酒特区」が設けられるようになったことから先月、「紀州みなべ梅酒特区」を申請している。年間最低6キロリットルの製造量要件を1キロリットルに緩和される。町内産の梅を原料に、町内で製造する場合に限られるが、当然どこで売ってもいいはずで、都会の料飲店や専門小売店へどう取り組んでいくのかが注目される。ベース酒類はどうするんだとか考えてしまうが、当社は清酒を使うなら喜んで協力するつもりだ。

ますます「和歌山県は梅酒」というイメージが前に出るし行政も後押ししていることになるんだがな。清酒も忘れないでほしいね。

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2008年7月 7日 (月)

特別純米酒(2)

「特別純米酒とは?」というテーマの会合に参加してきた。1カ月前くらいにアンケートを集めたうえだったが、蔵元も6社くらい参加した。何でそういうテーマになるのかは、精米歩合55%から60%程度の製品が、会社によって純米吟醸で出されていたり、特別純米と書かれていたり、純米酒で出していたり、でまちまちだからに相違ない。結局は自主基準なのだが、このわかりにくさが日本酒需要を低迷させた一因かもしれないと思うと、「当社は吟醸という言葉を重く受け止めていますから、簡単には使わないようにしてます。」とか、「価格と味の釣り合いですから、メーカーのブランドイメージに関わる自己責任の問題です。」と片づけているわけにもいかない。

試飲酒には30アイテム出品されていたが、なるほど各社の方針が並べて見るとよくわかる。同じ精米歩合と言っても、米の種類や等級、産地でまるで違うし(山田錦とだけ書いてあっても産地や等級まではわからない)、仕込みの大きさ(これも通常書いていない)なんかで変わってくる。これはスペックだけに限定してのことで、設備、技術は同一としてのことだ。酒はスペックで飲むもんじゃないよ、とは業界人がよく言うことだ。

とは言えこの暑い時期に酒を飲もうと集まる人もいるんだから、ありがたく思わないといけない。

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2008年7月 4日 (金)

居酒屋産業展2008

共同ブースになるが、8月19日(火)~21日(木)、パシフィコ横浜A・Bホール(横浜市西区みなとみらい1-1-1)で開かれる「居酒屋産業展2008」に出展することになった。同時開催で、「居酒屋から日本を元気にするセミナー」(NPO法人 居酒屋甲子園)、「居酒屋で日本酒・焼酎を売るための特別セミナー」(日本酒造組合中央会)、出展者による製品・技術PRセミナーが催される。

説明を見ると日本には今約9万店の居酒屋・飲食店が存在するという。食材だけでなく、厨房・管理機器、店舗建築・リフォームから衛生、支援・FC、コンサル関連まで、関連産業の広がりというのは想像がつかないほどだ。

 どうしても供給側のそのまた元の立場なので情報提供が主になるのだが、アンテナは張らないといけない。

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2008年7月 2日 (水)

居酒屋の酒

ある有名なオーナー杜氏の話を聞く機会があった。確信的に「居酒屋の酒」をめざすと表明されている。「家で飲む酒」とか「食中酒」と対比したニュアンスで、そういう方向がいいとか悪いとかではないが、かなり酒に主張が強い姿勢だろう。和食系の料飲店も、あくまで食べ物が主役だから、あまり酒が食べ物の邪魔をしてほしくないので、どちらかというとおとなしいタイプの酒を置くかあるいはこだわらないお店、これを和食屋と呼ぶ人間もいれば料理屋と呼ぶ人もいる。一方、酒を前面に出した「居酒屋」業態もある。ただし居酒屋と言ってもお食事処的な所から和風ダイニング、無国籍風とバラエテーに富んでいて、ここでその蔵元が言う居酒屋とは「銘酒居酒屋」、酒を中心に据えて売ることを前面に出したタイプなのだ。もちろん境界などはない。成功法則にかなったターゲットの絞り込みがなされていると言えるだろう。

さて、自分はどこを向いているんだろう。そんなにはっきりはしていないが、酒もハデな方ではない。たぶん食中酒タイプで家庭でも親しまれるような傾向だろう。今のところは。

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2008年6月20日 (金)

普通酒(レギュラー酒)

この呼び名何とかならんのか、といつも思うのが普通酒とかレギュラー酒としか書けないカテゴリー。これほど激しい内容の格差のある清酒の分類はない。改正された酒税法ぎりぎりのあいも変わらない範疇から、伝統製法で原料米や精白もまあまあ、本醸造並の香味のものまで、とにかく差が大きすぎるのだ。しかも地酒に詳しい人々からは、純米でもないので見捨てられている。うまい普通酒を探そう、などという雑誌や先生の取組は記憶にない。昔、吟醸酒基準まで精米して、基準以上たぶん白米1トン当たり120L超の醸造アルコールを入れて辛口を追求した、普通酒カテゴリーのおもろい酒が関西にあった。少し売れていたように思うが、その蔵はなくなってしまい、商標を買った所が復活させたとも聞かない。今、こそこそ当社が別のラインでその辺を試そうとしている。3等にならなかった契約栽培の酒造好適米と大吟醸の精米途中で割れた山田錦を掛け米にした、精米歩合は特定できないが、醸造アルコールを添加してない、「普通酒」(純米と書けない)である。農家と直接契約栽培をしていて精米所を自社で運営している蔵でないと出てこない、そうそれと「普通酒」をほとんど売っていない蔵でないと。これなら純米ファンはどう思われるだろう。

「きれいですが旨味があります。アミノ酸も少ない。」と製造。高く売ってほしい、のは現場の声として当然。1年大阪の下町でこそこそ売ってきたが、いよいよラベルも整えてH19BY品に変わる。これを売らないと契約栽培が維持できない。しかしなぁ、とにかくいい呼び名がほしい。無添加は書けないし。

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2008年6月17日 (火)

どぶろく

日曜に有名蔵元の講演を聞く機会があった。それはそれで勉強させていただいたが、ここで触れていいネタとしては、会場参加者との「どぶろく」についての会話だろう。「どぶろく」というと、自分は「漉していない、濁り酒」のことだと思っていたから、「もっとどぶろくの免許が下りる見込はないのか」という質問を受けて、「事実上清酒製造業者が多数発売しているようなもので、活性にごり酒がそれにあたる。何故なら相当荒い目の金網で形ばかり漉しても、法律上は清酒になるからだ。」と答えたが、狭く定義した場合、炊いた米で仕込まないといけないという。麹は使っていいと言うが、その作り方も無数にあると言え、最も難しい方法で、水と米だけで「もと」から作るやり方から、蒸した米に市販の生原酒を加える、酒粕も足せば楽勝?スタイルまでいろいろあるわけだ。 しかし炊いた米では麹が生えないから掛け米をそれにして、段仕込みをしない、酸っぱいが米粒の形が残った噛むとプチプチ感がするのがいいという。粥状のものができそうなやつだ。そのうち炊いた米の「にごり」が発売されるようなことがあるのだろうか。何でもやるからなぁ。自分の蔵では、検品の困難さから清酒の無濾過生原酒まではやるが、「にごり」清酒もまだやっていない。

 

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2008年6月14日 (土)

千葉と和歌山

今月は千葉へ一日廻ってみたのだが。

和歌山と千葉はどちらも半島で大都市の南側にぶら下がっているあたりで共通している。歴史的にも紀州の漁民が移住したり醤油業を伝えたりで、何とはなしに親近感はある。とはいえ、何時も訪れて思うのだが、紀州の方が山が海岸近くまで迫っているし山間地に入っても傾斜や標高などどうみても紀伊山地の方が奥深い。富津あたりは結構急な崖が海から競りあがっているが。たしか昔鹿野山やマザー牧場も行かされたことがあったはずだが、都合の悪い記憶だったようできれいに内容は忘れてしまっている。

東京からは平地で千葉に繋がっているし、北の利根川の向こうも広々したものだ。大阪との間に和泉山脈のある和歌山よりはよほど大都会との連絡はいい。和歌山県の向こう側は奈良県南部の山塊か太平洋しかない。第一東京駅や大手町まで直通する千葉はあきらかに通勤圏に多く取り込まれている。県庁所在都市までの時間距離は10分程度しか差はないが、和歌山市は北の端で衝立のような山地が和泉との間を隔てているのに対して、千葉より東京に近いエリアには多くのベッドタウンがあり、海岸沿いのは工業地も広がっている。また中心都市の規模や質でもはや大阪と東京では比較にならない。

そんなことを考えながら地酒専門店を廻ってみたが、やはり彼我の所得水準の差にあるのか、店の専門性の差によるのか、売れ筋または売る気になっている商品の価格帯に1.8Lで500円程度の差は認めざるを得なかった。一物一価であるかぎり違う価格で売るわけにもいかない。2500円以下の商品はあまり売る気にならないというのは機会費用を考えてのことだろうが、何とか値上げせずにがんばっている身には奇異な感覚だ。それに合わせてしまうと地元では需要が離れる可能性大だろう。いろいろ工夫が必要だ。

スプロール的開発の住宅地がにんじん畑とかの合間に広がっている。唐突に現れた地下鉄駅から大手町までそう時間はかからなかった。

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2008年6月12日 (木)

米価の予測は微妙の時期

大手清酒メーカーがドタキャンで値上げを見送り、死んでもシェアは減らしたくないと宣言した一方、地方清酒の一部が散発的に値上げを実施し始めた。大手がまず値上げして地方中小がこれに追随するという構図に変化が生じたと業界誌が取り上げだしたが。確かにA重油の値上がりはひどいもので、以前のハイオクガソリンのような値段になってしまった。しかし酒の話はここでは書けないので、興味のある人はメールでも聞いていただきたい。

 心配なのは農家も同じで、肥料も暴騰している。化成肥料の値上がりがひどく再値上げが7月に予定され、一袋3000円(20㎏)を越えるようだ。これには窒素が15%ほど含まれている。ところが有機肥料の方はさほど値上がりしていない。400円(20㎏)ほどらしいが、このたい肥肥料の窒素分は約3%ある。窒素がすべてではないがこの計算で化成からたい肥へシフトの動向が出てくれば、全体に特別栽培に近づくというわけで、嫌みな言い方ではめでたいことにもなる。特別栽培米というのは、農薬と化学肥料の使用量が在来の慣行農法の半分以下の使用であるものに許された表示で、有機無農薬との中間的位置づけにあたる。もっとも本当の有機は次元の異なる困難さがあって、距離が中間というわけではない。さてその米価は結局どうなるのか、値上げした蔵の言い分では新米は上がるのが確実だから、とあるが、確実とは言えないようなのだ。いかにひどい生産過剰、需要低迷、これまでの高米価維持(国際価格に比べ)がひどかったかだろう。上がるのが確実なのは加工用米(低価格酒、味噌、酢等用)で、純米・純米吟醸の地酒用の酒造好適米の価格はちょっと予測を書けない情勢らしい。少なくともJA経由での農家手取りは下がるだろうから、契約栽培には農家はより熱心になるとか、楽観的観測をされる人もいるが、では肥料代のあがった農家はどうなるんだろう。流通ルートカット、資材購入先の見直し等で対抗してくるのは当然だ。というわけで、蔵も動きにくい。やせ我慢大会は続くということらしい。なお、昨年の当社の原料米の少なくとも3分の1以上は特別栽培米である。主産地は品質とともに環境意識も高い。それは見てきたように価格競争力にもつながっている。

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2008年6月 6日 (金)

特別純米酒

ある酒ファンの会から「特別純米酒」と「純米吟醸」の違いについて、アンケートを求めてこられた。長い答えを書く時間がない。大手なら担当がゆっくり集中できるだろうけど。しかし案外こういう作業は大事なんだよね。まぁ会へ出席してそこで話すのが確実だいうことで、FAXは走り書きで終わった。「吟醸」という語を簡単に使わない方が、その蔵の「吟醸」以上のアイテムの格を高めるという考えで、精米歩合57、58%前後、仕込み規模1.5トン~2トン前後のスペックのアイテムを「純米」で出すところもあれば、それを純米吟醸にすれば、1.8L2500円見当で買いやすい純米吟醸が提供できて需要が広がるだろうと考えるのか、要は蔵の方針しだいということだろう。1.8L2000円の純米吟醸や大吟醸が見られる一方、3500円の純米酒だってある。もっとも、精米歩合と仕込規模だけではない。米の品種、産地だって大きい。消費者の一部(特に関心のある層)にはややこしいから日本酒需要が減ってるのではとのご指摘もあろうが、ここの蔵ならこうだろうとかポリシーを想像してもらうしかないようだ。

 現に当社で純米吟醸の高い方と安い方で1.8L瓶で600円の価格差をつけているが精米歩合は同じ50%、ともに山田錦100%使用なのだ。山田錦でも産地で質や価格はかなり違う。もちろん仕込み規模は高い方がかなり小さい、つまり丁寧に仕込めるということだ。なお特別純米酒と表示したアイテムは当社にはない。

 

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2008年5月26日 (月)

大阪酒の陣

初めてだが大阪酒の陣に参加してきた。ホテル阪急インターナショナルへ行ったのも初めてだった。梅田の北東方向になるが、けっこう雑踏と車道は車の列、若者のスタイルもまぁ穏当といった感じだ。阪急グループの中核エリアだな。

「大阪SAKA好き会」が主催である。イメージとしては高い酒にウエイトがありそうだったが実際そんなことを気にしている参加者はほとんどいない。43蔵参加で、知ってる蔵も多い。つまりイベントに参加する蔵はどこへ行っても共通してくるというわけだ。関西の蔵が少ないのが気になるなぁ。滋賀はないし、後は各府県1なのだ。何かあるんじゃないか、とか、勝手な考えを巡らすが、来た限りはやりすごすまでだ。秋田、山形、山口と3蔵、新潟、福島、石川、広島、佐賀と2蔵だった。鑑評会の発表間なしなので、何年連続受賞とかの掲示をしている所が多い。懇親会でそれに強い蔵の話をお聞きすると、やっぱり原料処理ですよ、とのこと。当社はマイペースで取り組む。

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2008年5月25日 (日)

次の投資先はどこか

製造シーズンが終わると業界は鑑評会だの今年は値上げだのが問題になっているが、通常ペースでは冬の間固めて働いた製造部員が休暇消化モードに入る。その前に会議を開いて反省会とか意見交換を行う。小さな蔵なので、経営が私、地元営業1、瓶場2、これらは配送も兼ねる、そして製造部3という7人で4時間も会議をすると言える話はだいたい出てしまうようだ。私の立場では人員、資金等の経営事項を除いた純然とした酒製造分野については、今後どういう商品企画を考えればいいかとか、米の調達方針、設備面ではどこに次は金をかけるべきかが関心事となる。

世間では、投資として関心が高い市場が、株式、債券、不動産から石油、穀物、金その他商品市場に向かっているようだ。当社において次の投資などというと、製造設備の投資か採用、教育で、およそ規模方向は違うものとなるが、大きな機械、装置から、道具に近い器具や、既存機器の改造、床板の材質とか、小さくあるいは目立たないものにウエイトが移っている。そのうちドカンと金が要る材料もちらつくが。

それにつけても二次会の酒場は和歌山では大穴だった。安い。酒の小売屋の倉庫をコンパネで区切っただけの半個室は、壁紙も貼っていないし、壁が天井まで大きく空いてくっついていない。元は倉庫だったとまるわかりなのだ。これが満員だから、当たれば怖い業種だと思う。

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2008年5月24日 (土)

料飲店で梅酒など混和解禁

税務署からのお知らせなどあまりほしくはないが、何の知らせかと思えば、料飲店でのリキュール混和解禁の通知だった。清酒製造業者にわざわざ送る必要があったのかはわからない。あくまで所轄の税務署へ届出してからやれと書いてあるあたりが役所だが、何にせよお店オリジナル梅酒などで問題になっていたのを、認めたことになる。騒ぎになっている時には非を認めず、そんなことあったかなぁという時期にさっと変えてしまった。年に1KL以下とか、妙な制約があるから読んでみると面白いかも。その場で飲んで、瓶に入れて売るなとかが、そのうちまた限界線を試す者が出てくるのではないか。ブログの1日分のネタになったことに感謝しよう。追記、清酒がはずされている。つまりホワイトリカーに梅と砂糖を入れるのはよいが、清酒には入れられない。それくらいいいだろうと個人的には思うが、ごく一部での不満は続くだろう。

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2008年5月22日 (木)

男の隠れ家ONLINE

「男の隠れ家」という雑誌があるが、オンライン版の特集で、「適温適度で呑む冷酒-夏に味わう日本酒10+1選」と題して、黒牛の壱六八(加水生酒の純米酒で16.8%が生酒で最も飲みやすいという利き酒結果にこだわって作ったアイテム。18%の本生無ろ過の飲み応え感とはまた別の良さがある)を採りあげてくれている。

夏になると、やはり濃い酒よりは少しは飲みやすい度数の方に手が伸びる人も多い。

冷や酒も温度によって、きれいな呼び方を日本人は付けてくれているが、評者は「艶のある言葉」とまとめている。五感豊かに酒を愉むように、という粋な心か。江戸っ子らしいや。涼冷え(すずひえ・15度)、花冷え(はなひえ・10度)、雪冷え(ゆきひえ・5度)だと。きんきんに冷えたみぞれ酒(みぞれざけ・0度)だけが「冷や」ではない?。

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2008年5月17日 (土)

田植え

去年の米はいくらだったかが確定するのは実は翌年の田植え頃のことになる。組合は商売ではないからマージンなしで米を買い付けてくれるが、組合費とかで担当の人件費をまかなっているから米屋や商社で買うのも同じようなものだが、決算して正確な単価が決まるのは6月にももたれ込む。全部教えるわけではないが、農家はそれとの比較に関心があるから、まだですか、とか聞いてくるのだ。どれだけ作付けするかで、まず1回考えないといけないが、田植えは昔から大変な労働だったので終えると田植え休みというのがあったわけだが、現在でも田植えが終わると勉強会をしたり米屋、酒屋と話し合いしたりという時期になるようだ。ちょっと暑さも感じるようになった。この週末はネタ仕入れの1泊旅行だ。都会での酒イベントを社員に委ねたのは言い訳がましいが自分を楽させるためではない。

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2008年5月15日 (木)

新地の居酒屋

久々に大阪の酒場に連れてもらった。「新地」とはどこのあたりか正確に答えられないくらい大阪には疎い私だが、地酒に力を入れてますという感じのお店で造作は上手に工夫されている。雨であまり忙しくなさそうだったが、メニューは雑誌にあるような銘柄をオープン時に酒販店が提案して整えたようだ。後で補給されないアイテムが出ていたが、そうならざるを得ないものだ。開店時はどうしても販売店の方が情報と在庫を持っているので、まずメニューができあがってしまうが、オープン後しばらくしてからお店の方の考えで、扱い銘柄を少しずつ変えていくことが多い。メニュー表示をこまめに変えるのか、あまり銘柄を気にせず絞り込んだ入手しやすいもので安定運用するか、お店の方針や、地酒のウエイトでまちまちな分野だ。概ねの傾向としては、凝れば凝るほど、扱いアイテムは流動的になって定番というのは減っていくようだ。あそこへ行けば安定的にどこそこの銘柄が飲めるという状況を作り出すというのは、地方都市での地元銘柄は除くと、都市部ではそれなりのビッグネームの銘柄にならないと難しい。

それではと、置いてくれているであろうお店に移動する。しかし、その、酒にウエイトを掛けてるお店はどうしても味付けが辛い。飲ませないといけないからな。豆腐とか野菜とかを頼めばいいのだろうが、突き出しは避けられない。やはり今日飲むとしたら、食べるところは1軒にすべきだろう。

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2008年5月12日 (月)

高知

5月は全国鑑評会を気にしないかぎり、比較的休める月だ。たまたま2ヶ月続いて、これまた仕事に関係なく高知まで往復する。和歌山港から南海フェリーで2時間で徳島港に着く。7㎞くらいで高速に乗れる。あとは徳島自動車道と、高知自動車道を通れば、自宅から170㎞で高知城下に着く。大阪、神戸、淡路と全部高速で廻っていくよりはよほど楽だろう。以前はとんでもないような遠い所に思っていたが、案外近いものだ。

 「ひろめ市場」と居酒屋の「葉牡丹」は最高だった。城の正門前すぐに路上市や再開発の観光フードコートというか地元でも人気の高そうな施設がどうしてできたのかは興味のあるところだった。張り紙とサイトだけでは経緯の詳細はわからない。一見では昭和50年代からあるかと勘違いさせるような妙にローカル感を出しているが、平成10年スタートだという。テナント各店のがんばりや内部の意思疎通やリーダーシップも良くてこういう雰囲気ができあがったんだろうな。今月はドライバー役で飲めなかった。

 

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2008年5月 9日 (金)

今しかないチャンス

今日話した資材業者さんが2件に共通する話題が、値上げについてだ。中間資材業者なら川下側も値上げしてくれた方が自分も値上げしやすい。他社で値上げした話やら大手の状況など教えてくれるのだが。

瓶やデザインを変えて値上げした例もある。ちょっと付加価値をつけて別アイテムでの値上げもある。これはそれ自体が弱気な値上げで、商品をそのままで通常商品の価格を上げるのが本当の値上げである。石油が上がると運賃と紙が上がって波及してくるのだが、今はそこまで来かかっているという段階だろうか。米が仕入時期でないので何ともやりにくい話で、生産過剰の解消がない限り肥料とかは上がっているのだが、ちょっと価格上昇は予測し難いのだが。マーケットの方では相手があげてほしい所ばかりか。おもしろいのは値上げをした所は必ず言ってることは同じである。今しか上げられるチャンスはない、というのはどういう理由なのか?ブランド力や市場支配力のある所から上げていくのだが、強者のコメントには聞こえない。

 そういう合間に、見本用のラベルを作ったりしていたのだが、今月は出かける週末が多い。急げ、急げ。歌処など見て参れか。

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2008年5月 8日 (木)

日々新たなり

遠来の、今回は主に西国から販売店の三人組にご来社いただく。白浜温泉にできた新しいホテルに泊まって来られたそうな。やっぱり新しい施設ができると効果あるのかね。それに高速が田辺まで伸びてるのが強い。朝9時過ぎに出られたようだが、1時間半以内に当社に着いていた。

焼酎ブーム一服に梅酒にゆず酒と局面は移っていく中で、清酒もまた見直しが入ってはいるようだ。とはいえ量は伴わない感じで、和歌山へ来られると関心は梅酒あたりに向かっているようだが、純米酒も取り組んでいただけるようだ。

また出張できる材料にもなるが、こうして少しずつ取引先も変わっていくもので、同じ業者が固定的に何十年も売ってくれるなどという牧歌的時代は来ないだろうし、よく考えるとなかったのかもしれない。業界の四方山話を聞いていると、登場人物や力のある先はどんどん変わっているようだ。たまたま今日ここに居合わせているのはすべてローカルズなので、東京のプレイヤーに対する憧れやちょっとした反感が共通して感じられた。あっちで発信した情報に振り回されないようにしようぜ、ってか。

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2008年5月 3日 (土)

山中問答酒

李白のあまりにも有名な山中問答を思い出したのは、奈良の山中で久しぶりにある酒屋さんと話した時だ。李白が、一生山中に暮らしたわけでもなく、既に有名人の彼が左遷だか気ままだかで碧山中にしばらく住んで、いやもしかしたら創作上そういうシチュエーションにして、桃園に清流が流れる別天地の心境を語りたかっただけかもしれない。それに比べれば今の日本の地方というか山中でこだわってはいるが純米酒や地焼酎を集めて商売をする心中や如何。自分にしても山中ではないが片田舎で日本の低生産性を代表する産業に携わる心境が、アル添中吟を純米化する時に小印名に「碧山」と付けさせている。脇書きが「心自閑」、読めないだろうなぁ。Img_26642 もっともそれに甘んじているわけでもないけどね。

瓶燗の話をしに来たのだが、大変そうな所は見せないオッちゃんはすばらしい人格者だ。しかし山添村で黒牛仕立ての梅酒をネットを使わず売るのだからな。

当然、話は四方の造り酒屋のことや利き酒に及ぶ。東京に問い合わせて得た情報、ここでの話、自分の経験、3者を付き合わせると判然とすることも後であった。やはり歩くことは大事だ。

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2008年5月 1日 (木)

空き瓶が集まらない?

リユース(再使用)、リサイクル(再商品化)、リデュース(削減)、一番環境に望ましいのは削減だが、国民すべてが出家するわけにもいかず、限りがある。意識と教育、法規制の分野だろう。前二者の中なら、再使用の方が環境負荷にいいに決まっている。瓶で言うと、再使用は洗ってもう一度そのままの形で使用することで、再商品化というのは、回収はするが川下側で行いガラス屑にして溶かしてまた瓶にするなり他の商品にするというものだ。

洗浄、検品ミスが重なって異物混入発生を過度に警戒する余り、当社も含めて自社での瓶洗浄を抑制し、専門の洗い瓶業者からの購入や新瓶投入率増加に移行しているのが実態のようだ。

1.8L瓶はまだそれで済むが、720ml以下の中小容量瓶などワンウェーと称して、回収しないと宣言してしまうメーカーが多いのが実態だ。これなら混入事故も少ないだろうし、運んだり洗う経費を考えると、絶対その方が安い。しかし資源浪費が経済的に合理的なのはなぜだろう?新瓶が安すぎるからか?まさか、ね。

これでいいんだろうか、と過去悩んできたので、リスクを恐れず中小容量瓶を引き取ってきたが、たしかにその汚れには辟易する。飲み残しは黴の栄養源で飲食店からの回収瓶ではたばこの吸いさしを突っ込んだのも多い。洗いきれないものが多いのだ。せめて、すすいで返してくれればいいのだが、どうも意識がついて来ない。わがままを消費する空間が飲食店だろうし、なにしろお客様の先のそのまたお客様にお願いするのは、非常に困難なことだ。

いずれ神様の神様にもお願いベースで働きかけをしていくことになろうが、最近もうひとつ悩みが増えた。ある共同作業所に中小容量瓶に限り洗浄を委託しているが、「仲間たち」もコツをつかんできたので、委託する瓶が不足してきているのだ。もっと回収するかもっと売るかだが、特に県外へ出荷したものは100%帰ってこない。720mlの家庭消費分もまず帰ってこないものだ。近郷近在だけでも、当社は安いが買い取っていることをPRしなくてはならない。遠隔地は研究しないと。

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2008年4月26日 (土)

瓶燗急冷

連休前の金曜日、多事な一日だった。今日で造りはお仕舞いで、明日季節の3人は但馬へ帰っていく。清掃や記帳に追われているようだが。

 その脇で通年社員の製造員で、導入されたばかりの瓶燗急冷器の初作業をやっている。機械屋さんも初回だからと付き合ってくれていた。対象は純米吟醸の中取りで、去年は半切り桶でやっていたから、進歩には違いない。機械というよりは道具であって、ステンレスの四角い桶で、まんべんなく湯や冷水が下から行き渡るようにしただけのもので、6本入りのプラスチックの箱が16入る、つまり96本がワンバッチというスタイルである。20分もあれば、液温は65度に到達する。桶中央と端での温度差はなく設計に合格点を出した。1分置けば今度は冷やし工程、都合45分ほどで一桶の作業が終わる。2桶入れたので1日5、600本はできるだろうしそう人出を要するものでもなさそうだった。プラスチック箱を細長い桶の中を徐々に押していくやり方とどっちがいいかは迷ったが、作業が楽そうなので、静置方式にした。

Img_35232

 また最終日とあってか、資材屋さん、もやし屋さんと来訪がある。そうこうしていると予定通り他県の蔵元さんが社員旅行で白浜温泉へ行かれる途中、見学にと寄っていただいた。見せればまたの機会に先方の蔵も見せてもらえるだろうし、やはりわかった人と意見交換をするといい刺激をもらえるものだ。またその脇を梅酒製造工場がベースになる純米原酒を引取に来られた。その工場も自社でされているホワイトリカーベースの梅酒やら他のアイテムも好調で増産のためタンクを増設される等設備投資だそうな。今年は青梅の価格が上昇しているらしい。中国産から国産回帰の流れが出ている。ただし高いものは売れないらしい。良い傾向なのかどうか。

 

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2008年4月25日 (金)

純米酒 黒牛 アロマ瓶180ml

今さらなぁ、という声があるのは承知のうえで新発売。飲みきりサイズで税込300円(180ml)。カップもあるが、こちらは途中でキャップをして持ち歩けるので旅行者には喜ばれるかもしれない。光の影響もカップよりは少ないと見ていいだろう。資材費の関係でちょっと高い(他社比ならこんなものだろう)が、当社売店で様子を見ることになる。お土産需要やバー的飲食店での少量消費には向いているかもしれない。

Img_35193

既に10数年、一時のブームなんぞは無関係に純米カップを製造していたのだが。こちらは最終参入くらいかもしれない。

バーコード№4933999000538

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2008年4月19日 (土)

なぜか高知

この週末なぜか高知となった。ある全国大会参加のためだ。初めて出荷も始まったから酒屋さんも寄りたいが、いきなり行くとややこしいだろうから、観光客に徹する。ところが、宴会コーナーには地酒メーカーさんが市役所の企画か何かで、二蔵出張している。さすが、地酒を地域振興のイメージに使っているあたりは酒どころだな。Img_3407

 二次会のお店の女の子に、よさこいの正調の歌詞と、献杯の正しいやり方を教わる。間違って広めないでください。はぁーい。

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2008年4月18日 (金)

DSよどこへ行く

先日訪問した小売店さんがさっそく蔵を見に来てくれた。自称元DSであられる。「しかしDSという言葉の定義が今やもうわからなくなったですね。」「もうどんどんお客さんが来ているときからスーパーがほっておくはずがないからアカんようになる思とりました。」「スーパーにしたって過剰出店でどうなるかわかりませんよね。」「とにかく付加価値経営や。メーカーみたいに。」ということで焼肉店をやってはやったとたんBSEでピンチになり、今度は女性主体の居酒屋という段階だそうな。別種の食品製造会社も買収されている。一方で良質で安全な食品を中心の販売店に切り替えるために、小規模メーカーや農家を廻っていらっしゃる。やっぱり流通の人は動きがいいわ。専門大店とか大型専門店とか、今やこれが一般酒販店だとか、新聞で酒DSピンチなどと載る時には現実はもうとっくに先の方に行ってしまっているのだ。

もう少し早いと良かったろうが、甑は倒しているし、麹室は空、酒母室では最後の仕込みの四段がといてある程度で、清掃消毒の時期でザーザー水しぶきが降り注ぐ。それでもおんぼろの木造蔵はいいと言っていただいた。また社員さんも来られるそうだが、しゃべりの達人がいらっしゃるそうで楽しみだ。

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2008年4月17日 (木)

泉南を遊弋

糠(ぬか)を引き取ってくれる仲買商は泉南に倉庫と事務所を構えているが、今シーズンも終わりに近づいた時期なので反省も兼ねて、泉北まで行く途中立ち寄ることにした。行ってみれば、当社に粕買いを打診した蔵の粕が置いてある。ここへ買ってもらったわけだ。昨シーズン末から急に変わってきたもんな。経済酒が液化仕込みになって粕が産出しなくなって以来、酒粕は足りないということになっていたのだが、あんまり値上げしたら需要も急減、一転余りだしたというのだが、すべてを理解しきれるものではない。よぉわからんのや、でいいのではないか。居合わせた有力な米商も交えて情報交換してハイヌーンを過ごす。米と酒はよく似てますねぇ、でも米はみんな食べますが、お酒は最近飲まなくなりましたからねぇ。ハハハ(---)。クレームや表示についての意見交換は有意義だったが、明らかに食品産業の方が淘汰が進んだ分、規模は大きく機械化が進んでいる。スーパーに対応しなくてはならないからだ。酒類はその点未熟かもしくはわざと逆行している。専門店領域では規模や販売量が多いのは自慢になどならない。

 彼のイメージでは1.8Lで1000円以上の酒は高級もしくは金持ちの消費するもので、酔えればいい人がほとんどだという認識で、必需品を扱ってDSとスーパーを相手にしているとそうなるらしかった。1.8L2500円に一線を引く私とは1500円の差がある。1.8L3000円が本当のところまたある種の境界なのだが、棲息域が違うようだ。違うから話はおもしろいのだ。

 

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2008年4月16日 (水)

機械に対する世代感覚を想う

4/6に甑を倒して、2日がかりの火入れを終えまだあと3本は搾るという今日の段階、甑倒しのお祝いを市内で行う。慰労会だが貴重な情報入手の場で、現場の意見やらをうまく聞く機会なのだ。

 次に入れたい設備とか、どういう方法ならいいか、そんなことをするにはあと何人いるか、とかである。今年の米は溶けにくかった。昼間糠の仲買や米屋と話し込んでいたのだが、今年の米はよく割れていたよね、ということだった。小米は多いは溶けにくいはで、あまりいいコンデションではなかったというのは合致した意見だが、地球温暖化のせいだけでもないだろう。その前年は溶けすぎて味が多いとか言っていたはずだ。すべて毎年違うわな。

 温度センサーの情報を携帯やPCに飛ばす仕掛は、若手には好評だったが、杜氏にはわかるが信用しきれないという感じだったようだ。目覚まし時計しか信じられないというのも名言だと思ったが、使いつけない機械やソフトへの感覚は、自分にとってのパソコンのソフトと同じだろう。チェックの必要な書類は紙に打ち出さないと信用できないという感覚と、パラレルな意見なんだろうなと思う。では夏の間製品庫の温度管理か金魚鉢の温度管理にでも使うかという感じだ。麹室の板を入れ替える?それもいいね。

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メニューを見てぼやくおじさん

居酒屋のマスターと別の居酒屋で飲むのはスリリングな刺激である。勉強会といってもいいのだけれど、やや接待的な当方に対して相方は当然メニュー、値段、設備、サービス(分量、盛りつけ、器、従業員の態度)と突っ込みまくるわけだ。酒については言いたいこともあるが自社製品を置いてくれていれば通常何も言わないから、相方の「憤り」をどこまで共感していいのか少し悩むのだが。たしかに、もはや燗酒を頼む人間は無視してよいという前提で入った2軒の店のメニューは組まれていた。また燗酒はどうして最も安っぽい銘柄を指定しているのか、他のアイテムを燗にしてくれとは言えないようなメニューの書き方である。

納めている値段などわかっているから、燗酒は儲けすぎで、マズイは高いはという、日本酒嫌い人間を養成するために居酒屋をオープンしているようなもんだな、こりゃ。とはいつも思う事だ。

そうは言って正1合はいる徳利に変えようかと悩む(消費者の表示への関心の高まりを気にしている)人も出てきている。正1合入らなくても、大小表示にしておけば問題ないだろ、と私は言うが、それにしても、150mlはないという器で680円の燗酒、それも店への納価が1.8L1000円以下は確実のやつはダメだ。せっかく純米とかきちんと出してるのに。

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2008年4月12日 (土)

人口密度

風邪が治りきらずやや気分はすぐれないが、軽乗用車で100㎞ほど離れた新規取引ご希望先まで伺う。帰りに知人の店へ2箱降ろしたいからだ。空き瓶回収があると悪いので乗用車をやめたが、やっぱりちょっと不安だ。特に時節柄、対抗車線の大型トラックからタイヤが飛んできたらどうしようかと思う。乗用車でも結果は同じだろうけどな。

それを言っちゃぁオシマイよ、というのが、過積載しないと潰れるってか。運送業が苦しいのはわかるが、偽装しないと潰れると食品会社が言うのと同じだわな。弱いところにしわ寄せが来るというのは実感するな、被害者もバスの運転手さんで、同じ業界だもの。

 ベテランの販売店の社長さんだった。いい食品を取りそろえようと懸命だ。この10年で普通の酒屋さんというのはある意味なくなったと思う。DSという定義も曖昧になった。結局、ケースバイケースで、人、売り方、場所で、先方から見れば商品の品質、販売政策、経営姿勢でお互いに選んでいくしかない。

 社長は、「酒を飲む人間とは金がある方だ」とおっしゃる。「はぁ、酒飲みが金持ちとは思えませんが。」まぁ、たしかに本当に余裕がなければ飲めないし、食えないから、まず食品で、余裕があれば次は酒だから、たしかにそうだろう。大阪は厳しい市場であり生活の場である。そのかわり非常にオープンでもあるし、良い意味で徹底している。

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2008年4月10日 (木)

甑倒し

4/6(日)で白米を蒸すという作業は終わった。「甑倒し」と呼ぶ。木甑も捨てがたいものがあったが、10年ほど前にステンレス製の二重壁のものに変えてしまった。木製の甑なら、広場へ出して洗えるし、呼び名とおりひっくり返して日干ししている頃だが。甑倒しの日は、最後の仕込みの留めと同じだ。最後の仕込みは普通酒なので20日くらいで揚げてしまうだろう。併行して火入れや片付けを進めて25日くらいには、季節で来ている人達は帰るはずだ。

甑倒し以降は急に蔵は静かになる。こちらは企画に追われているが、その特殊普通酒をどう売ったものか。

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2008年4月 5日 (土)

「新酒を楽しむ会」集計を読む

時間がなかったのでだいぶ経ってからになるが、ある伝統あるお酒のファンクラブの「新酒を楽しむ会」のアンケート集計を読んだ。どうも統計の素養のあるスタッフがいるようだが、98人参加して45人が回答。34品の搾りたて新酒について、好み度を5段階評価、ベストスリーも投票している。出品酒は鑑評会出品酒から純米大吟醸、純米吟醸、特別純米クラスまで、また原酒、加水、にごりとバラバラで、スタッフのコメントにも書いてあるように、蔵元が出席しているかとか、ラベルもつけたままだし、並べる順番とかでなかなか統計処理できるようなものではなかったようだが、分析しようとしているだけでも敬意を表すべきできばえだった。当社からは純米大吟醸を出したが、日程上出席はしていない。好み度が5段階評価で3.7、最高は4.5で著名蔵の大吟醸だ。まぁそんなことは気にしていないが、4以上の5点とも本醸造型の大吟醸なのはちと残念だが、香りは本醸造型の方が良く出るわな。1がなかったのと、ベストスリーの2位と3位に1票づつ入れてくれた人がいただけ感謝しよう。講評もついている。「味が薄い」「もう少し香りをスッキリして」「インパクトが弱い」「熟成が楽しみ」さすが「YKだ」、まぁ山田錦の若い酒、それも純米にありがちな反応で、渋いとか書かれなかったのはよかったとしよう。秋までの熟成を期待しよう。

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2008年4月 4日 (金)

続ビッグサイト 

1日整理やら、新しい機器の設置、面談で追われる。それにしても新幹線は急速に飛行機に敗れつつある、とは紀伊半島に住む者が東京との移動手段を、飛行機と新幹線のどちらにするかの選択においてである。

CO2の排出量は新幹線が少ないくらいはわかるが、自分が1人どっちに乗ろうと便数は変わらない、つまりその日の排出量は変わらない。東京=大阪間の比較はいいにしても、あまりに連絡性(新大阪と和歌山以南)が悪すぎるのだ。関空、もしくは日根野以南をJRは明らかに見捨ててしまった。40分新大阪に早く着いても後発の最終便の快速に和泉砂川で抜かれてしまうなら、「のぞみ」は無用である。19時30分に東京を出ても和歌山へ着くのが深夜零時を廻るなら22時発の遅い飛行機に乗っても、関空から自家用車でその日のうちに帰れる方を選ぶのは、少々CO2排出量が多くても仕方がないだろう。JRは日根野と和歌山間のシャトル列車でも考えるべきだ。しかも新幹線には割引がなさすぎる。ちょっと工夫すれば飛行機の方がはるかに安い。

それにしても、ブースで立っているといろんな人に会える。これまで梅酒が中華にあうと聞いたことはなかったし、イベント企画の勧誘から、美人書家のラベルデザインの営業まであった。http://blogs.yahoo.co.jp/shodosisters/

なかなか、行動力は評価していいんじゃないか。取りまとめのM氏が得意そうに言う。「東京は情報が集まるからどうしょうもないよ。」 そう、どうしようもなく日本は爆縮しつつある。

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4/2-4ビッグサイト

「第3回グルメ&ダイニングスタイルショー春2008」http://www.gourmetdiningstyleshow.com/3gds/index.htm

に4/2-3、参加してきた。4日もやっているはずだが。

3日間も東京の展示場に立っていられるほど余裕はない。

このイベントも顧客開拓の意味はやや薄れ、商売に関係のない人達にも認知してもらうとか商品の反応を見たり、情報を集めるとかの意味合いが強くなっている。そうは言ってもお得意先が何人も来場されて顔を合わせる機会にもなる。直接の顧客のその先、飲食店や消費者に知ってもらうことで、当社の販売先の売上に寄与でき、また当社の出荷に戻ってくる。

実感するが、清酒よりもコラボ製品の梅酒の方が関心を引いているようだ。和歌山は梅だというイメージがあるのと、飲めない、飲まない人でも梅酒くらいは飲んでみようということか。つくづく思うのはやはり製品の優秀性(どのメーカーも良いと思って作っている)だけではなく、ネーミングやデザインも大事だということだった。

カタログもほしがる人はまだいるが、サイトからダウンロードできるという仕掛で充分かなという感触だった。http://www.kuroushi.com/

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2008年4月 1日 (火)

中取り  パイロット・アイテム

自己評価しようが他人評価しようが、当社はそう高級じゃないが本物志向といったところで、1.8L瓶なら2000円~3000円級の純米酒に強みも量も集中した蔵だと思う。それはそれでいいし、幻の何とかとか日本一を目指そうなんて考えたくもないが、こういう姿勢を評価してくださる方も多い。とはいえ、少しずつでも「OVER 3000」対策をしていかないと、これも困ったことになる。ごく少量だが、手造り蔵よりさらにチマチマした作業で、パイロット・アイテムとでも呼ぼうか、「こだわり商品」を出し始めている。Img_32032

 火入れ純米の香味イメージは保ってはいるが高級感が断然出てくる。来ないと困る。前年度より甘みも酸度も強い、ボディー感がある。ただ、それだけではゴツイ酒だが、エレガント感というか引っかかりのないスムースさがあるあたりが、手を掛ければそれなりに何かでてくるものだという納得感につながっている。

黒牛 純米吟醸 中取り(原酒、本生無濾過 参考 税込小売 4000円)

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2008年3月25日 (火)

生酒の瓶詰

本日、今春最初の生酒の詰口を行う。以前から言われていたが、生酒くらいは充填機(フィラー)、封冠機(キャッパー)の周囲の空気清浄度を上げる必要がある。まず瓶は新瓶だし、昨年来、ブースを設置して大幅な改善を行ったので、埃などが入る率や生ヒネ、火落ちの発生度合いに格段の違いがあると思う。そうは思ってもまだまだ改良すべき点は多々ありそうだ。なにしろ最も気をつける必要のある瓶詰めである。これから順次、発送していくのだが、反応が気がかりな反面、楽しみである。

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2008年3月20日 (木)

クエ

休日であるが、小雨もようで出かけるのも億劫だ。温かくて春を感じる。「ああこの冬もクエは食べに行けなかったな」

サラリーマンを続けている知人にとっては、和歌山=クエというイメージらしかった。和歌山市内でどこへ行けばいいかとか聞いてくれるのはありがたいのだが、クエとなれば予約は必要だし、予約していても採れていないのでは、行ってもクエない、という、ちょっと時間に余裕のない人士には難しい名物なのだ。

今日の朝刊では、この「アラ」とも呼ばれるハタ科の「クエ」と称して、岸和田の業者が切り身にして、福岡の料理店が鍋物セットに、それぞれ、ギンダラ科の「アブラボウズ」を売っていたとしてJAS法違反で挙げられている。なんで逮捕でなく指導なのかわからないが。

聞くところによるとブラジル産の何とかという白身魚をクエと食べ比べてもまずわからないとか。そんなことでは、せっかく和歌山へ来てもらって後で恥を掻きたくないので、ちょっとクエは幻もんやからねぇ、と設営を逃げるしかない。観光誘致もなかなか難しい。

JR御坊駅だかにはでかいクエの魚拓が飾られている。つまりは日高地方の崖ばかりの海岸近くに、このやっかいな大魚は潜んでいるらしい。この辺りにはクエ民宿というのが多い。これも聞いた話だが、公務員の釣り好きが珍しく大物のクエを釣り上げたら、さっそく近所の民宿が30万で買いに来た。迷っているうち面倒になって仲間でみんな食べてしまったそうな。駅の魚拓より大きかったという。こういうのがこの辺の人の夢という感じか。

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2008年3月17日 (月)

糠(ぬか)から見る市場動向

精米所は2月末で解散だ。但馬から来ている精米主任は吟醸の搾りとかに廻り、就職活動中とかの長期アルバイトさんはお別れだ。3千数百俵を削った糠は仲買人が引き取っていった。急に蔵が静かになる。

ハロー、今年はいくらで請求書くの?

赤と中は少し上がるけど、上白と特白は下がるよ。

呑気な電話でおまかせ買取単価を近日中に知らせてもらい、引き取ってもらった糠の請求書を送ることになる。比べようもないし、安定的に全部きれいに引き取ってもらいたいので、突いたり引いたりできないのだ。

精米機から出てくる糠は、当社では赤、中、白、特白と4段階に出てくる。それぞれ玄米が30㎏入っていた紙袋に20㎏づつ詰められ引き取られていく。米粒の外側は油分や蛋白質が多く、糠は赤い、というか、通常イメージされる糠は赤い。しだいに内側まで削れていくと、糠は黄色く、さらに白く、上白ではややクリーム味があるが、特白となると純白に近くなる。赤や中は、肥料や飼料、米糠油の原料になる。変わった所では肥料カプセルの殻の原料というのも聞いた。エサが高騰しているので、まぜる糠の買取価格も上がっているわけだ。片や上白、特白はというと、焼酎、酢、そして主に紙パックに入ったエコノミークラスの清酒の原料(の一部)になる。一昨年の酒税法改正で、さすがに糠は米扱いされなくなったので、原料米の半分までしか副原料を入れられなくなり、糠の需要は減ったというわけだ。そもそもそのクラスの「清酒」は需要減少が激しい。

 聞いていると酢の場合は米粉も米扱いできて、特白糠を使っても純米酢になるらしいから、酒とは基準が違うらしい。当社では関知しようもない。後はせんべいとかの途もあるらしいが、仲買からの行き先はさっぱりわからない。ただ米が余っている時代なのでおおよその傾向はわかる。ただ、コスト競争の末端から経済動向を窺うのみである。

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2008年3月14日 (金)

比べ飲み

 地酒なら地酒で複数の銘柄の酒を、少しずつ味わうことを「比べ飲み」と呼んだのは、最初はたしか篠田次郎先生だったと思う。1杯目はA社の大吟醸、2杯目はB社の純米といった具合で、機会によるが、まあ1回3杯から5、6杯まで(小さい吟醸グラスでの話)が普通の飲酒量だろう。筋切65ccなのはわかっているので容易に飲酒量はわかる。言われなくても地酒のある居酒屋のうちグラス売りだとこういう飲み方になることが多い。大型の吟醸グラスだと110cc、表面張力を使うと120ccくらいになって、3杯でもう結構になる。プラスチック製の朱桝にこの吟醸グラス大を入れて、わざと桝に少しこぼして140ccくらい提供する店が以前は多かったが、これは店主が気前の良さを示すアピールみたいなもので、まさに居酒屋そのものだったが、ちょっとこのスタイルはヘビーユーザー向き、まぁ酒蔵直営店向きとなった気がする。少ない種類を何杯も飲むのに向く。これではせいぜい2オーダーだと思う。

 かつては他社の酒など飲まずに自社の製品を固定的に飲む人をいかに増やすか、あるいはある飲食店で自社の酒だけが飲まれる状態にすることに、メーカーは力を注いできたと思う。今でもそういう戦略のメーカーもいるだろうが、しだいに変わってきている。どうせいろんなお酒を飲まれるでしょうが、たまには当社のお酒も飲んでください、というわけだ。ましてや料理との相性だのとまで言われる世の中になって、最初から同じ酒を飲むなと言ってるようなもので、基本的に何にでもあう、合わせやすいのが日本酒のいいところなのだから気をつけた方がいいと思う。相性のいい料理を教えてください、という問い合わせがあるたび、「何にでもあうわい」と言いたいのをこらえているのだが。

 今日は最近、都心の場末?に出てきた、3杯500円という立ち飲みスタイルだった。ここは約20強のメーカーの酒を数種類ずつ置いている。A社のXアイテム、Yアイテム、Zアイテムという選択もできるから、同じメーカーの製品の癖も知ることができる。常連さんに今あんたの蔵のアイテムが2つしかないから困ると言われたが、こんなことを言われるのは、ここぐらいしかない。つまみはほとんどない。しみせんべい、クラッカー程度である。Img_3104

満員御礼のようだが、そら安いわ。

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2008年3月11日 (火)

あるCDを聞くと、大仏を造立されたお坊様が説かれている。世の中の事象はすべて繋がっている。わかりやすく言うと立体的な網をイメージせよ、「関係ねえよ。」ということなど何もなく、うまくいったら「みんなのおかげ」だし、うまくいかないのも無限の過去からの蒔いた種だそうな。これを「空」という。いままで空と言えば色即是空、五おん皆空で、形のあるものはすべてなくなるとか、感じているものも実体はないようなものだ、くらいのイメージだったので、すごく驚いた。

京都の木下酒造さんへ杜氏で行かれたフィリップ・ハーパー氏に本を送ってもらったら、さっそく上手にできた生もと純米も送ってくれた。「ミスター・おやじ」が利き酒会をするからと売店で純米酒を1本買って帰られたと聞く。脈絡はないかもしれないが、繋がってるなと今日も感じた。

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2008年3月 6日 (木)

本生無濾過

19BY分、今春の純米酒・生酒・原酒(本生無濾過)の発売予定が決まった。

3月27日発送開始

日本酒度 +1.0

アルコール分 18.1%

日本酒度 1.8

アミノ酸度 1.4

酒販店に案内を間もなく発送する予定です。

年々洗練の度は加わっていますが、飲み応えやボリューム感も大切にしたいと思っています。

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2008年3月 5日 (水)

蔵見学

この季節になってくると蔵見学のスケジュールが混んでくる。12月は売る方も忙しいから1、2月の手空きの時期に仕入先のチェック、開拓が理想だろうが、お客さん(販売店にとって飲食店、飲食店にとって消費者)には寒い時期よりはもう少し暖くなってからの方が集まりやすいということになる。4月になると酒造りが終わってしまう蔵が多い。というところか。

 通常観光蔵を標榜していないかぎり自由に見学を許す蔵はない。品質重視なのかどうかかえって疑われてしまうからだ。当社においては資料館があるので助かっている。こちらはいつ来てくれても入っていただける。

 片や都会側でもそろそろ新酒を楽しむ会とかが開催され始める。これも蔵元から人が出て行けば受けはいいのだが、この週末は見学会と重なって出て行けなかった。所詮限界はある。

 この週末もいろいろな話が聞けた。糖尿が得意なお医者さんもいれば、マニアなおじさんもいる。引率の大将には、容器の質で酒の味がどう変わるかで補習を受ける。金盃(酒銘ではない)で飲むと何でもうまいそうで欠点を消してしまうらしい。そりゃそうだろうな、雰囲気からして豪華です。すぐ盗られてしまいそうなので、実用されているのは見たことがない。銀、錫は良い点、欠点がより強調されるので、酒質を判別するのによろしい。西洋のワイン製造でも錫の器を首からかけて、樽ワインを利いて廻る写真を見たことがあるが、日本でも銚釐(ちろり)や杯に多く使われているのは熱伝導がよく温まりやすいだけではないらしい。

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2008年2月23日 (土)

斗瓶取りと斗瓶囲い

国税局の技師先生に巡回指導していただいた。これについては杜氏にまかせて後ろで立ち会うに限る。地元税務署も職員を同行させるから、毎年恒例のかなり重い儀式といったところだ。

今年は米が溶けないというからよく言えば酒はきれい、粕歩合は高くなる。斗瓶で取った大吟醸の何本目が最高かは、当然その酒にもよるが、今年は後の方の斗瓶が良くなるようにずれるかもしれない。これは所謂、斗瓶取りについてだ。

一方、求めに応じていったんタンク受けした原酒を斗瓶に入れて冷蔵保管することがある。区別するため斗瓶囲いとしている。先生によれば、斗瓶で囲うのが酒に特に良いとは見られていないようだった。酒を容器から容器へ移す回数が少ない方がいいから、最初から1升瓶に入れて貯蔵すればいいというわけだ。同体積当たりでの空気や容器壁面に触れる面積についてはもちだすのはやめておいた。たしかに演出という面もあるだろう。小売り店頭で量り売りする場合にはインパクトはある。

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2008年2月18日 (月)

EU基準

日曜は美術館へ行きもしたが、得意先から依頼の書類を作ったりする。電話や来客がない時間の方がやりやすい。ひとつは、取扱い商品に相性のいい料理を載せて検索出来るようにするから、扱っているアイテムについて、合う料理を記入してくれという依頼だ。自分で考えるから利き酒の力や顧客への提案力がつくのではないのかとか思うがどんなものだろう。

 もうひとつは、輸出商社から、ごくわずかしか取扱いもないが、出しているのがEUなので、先方から、商品と企業についてアセスメントを出さないといけない、と言って、大量のチェック項目の報告を求めてきたものだ。

 どう見ても大規模な食品加工工場を前提にしているような内容で、明らかにアルコール入り飲料と生鮮食品を混同していると思うが、地球の裏に向かって腹を立ててもしかたがなかった。細かな社内規程の有無や設備の内容まで問うている。仕入先に対して、そのまた仕入先についての、それも海外企業の詳細なアセスメントを求める、これがいずれ世界標準になるのだろう。今に日本にも波及するはずだ。ここでは地酒なんて企業の世界じゃないから関係ないで済ませるのか、この際少しづつでも規程や設備を整備するのか、覚悟はいるところだろう。

 地酒専門店というのも変わった。かつて裏貼りにバーコードを入れたら地酒らしくないと言って不満を言われたことがある。たしかに企業社会の主流から切断した世界で生きるのを誓い合ったような関係が、地酒蔵と販売店主の間にはあったのだが。

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2008年2月17日 (日)

米産地の表示

 病院給食で米産地偽装という事件が滋賀県で発生と報じられる。やる方もやる方だが、DNA鑑定で調べる方もすごいな。入札でやるうえは検査コストも見込んでいたならりっぱなものだが、同業者の通報とかで動いたのなら、反省要だろう。公立病院で地元産米にこだわるというのは「地産地消」「身土不二」でより健康に、という趣旨だろうが、酒の場合はどうなんだろう。

 自県産の米で作った酒を自県内で売るにはまぁいいだろう、それなりのセールスポイントだ。一方で、都会へ売る時にどれほどプラスに働くのかは、自県産の酒造好適米育成、契約栽培に20年近く取り組んできた私にとっては疑問だ。

 むしろそういう取組もしている蔵ですよ、という姿勢を見せることと、どこそこの県でも酒造好適米は採れますよ、というアピール材料にはなるという感じだ。できた製品そのものについては、「○○産○○○で作った純米吟醸」として客観的に評価を受けるだけである。特に都会へ持って行った時は。もちろん蔵の設備や技術も関係してくるので総合結果というところだ。

 既に米産地としての地位がある所がそれを売りにする場合はまた別だろうが、この地方では実績を積み上げていくしかない。米の品質にしろ、価格にしろ、本場から入手する方がパフォーマンスはいいのだ。しかしテレビやバスに広告するよりはいいだろうということで、苦しみながら続けている分野である。

 だいたい他社がなかなか真似をしてこなかったのが収益に寄与しないといういい証拠だった。やっとここへ来て動きがでてきたくらいだろう。むしろ県外で自県酒のイメージアップのため各社取り組む必要を感じる。

 

 

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2008年2月13日 (水)

蔵の事故

今日は最低気温が2℃で予想最高気温が4℃らしい。これぐらいでずーっと2ヶ月くらい続いてくれればさぞやいい酒ができそうなものだが、寒くて冷害になってしまうだろう。吟醸造りで、もっとも蔵が忙しい時期である。

そういう最盛期になると、今年も蔵での事故情報とかが耳に入ってくる。たいてい重要事故は転落だが、放冷機に巻き込まれたいうのも発生しているようだ。どうやってそこまでなるのかわからない。手を巻き込まれて怪我はあったが。とにかく1件大きな事故が発生したら、すぐ存続の問題になるので、原因等が気がかりだ。

もろみタンク内は二酸化炭素が充満しているので、落ちたら最後、即気絶して間もなく死亡ということになっている。噂というのはいいかげんなので信じられないが、自分で落とし物を取りに行ったとか飛び込んだとか、あり得ない話が聞こえてくると、高齢化のせいだとか、未経験の者が入ることが増えてきたからとか、憶測を呼ぶ。自分で蔵元ないしその家族で造るというケースも増えているが、悲愴感ただよううえに、危険も大きい。

たいてい夏期の杜氏組合の講習会や国税局の講話とかオフシーズンに蔵元や杜氏を集めた場所では、まず前年の事故の話がある。どの製造業にも危険はあるだろうが、安全あってこその品質というのはたしかである。

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2008年2月11日 (月)

ランチェスター戦略

三連休の中日といっても蔵では1年間の変形労働時間制というやつで仕込みが続いている。また1~3月というのは、年末多忙だった、販売業者や飲食店さん達の蔵見学が多い季節となる。アテンドは蔵元が受け持つ、まぁ3000石以下の蔵なら社員ではなくオーナーがやるはずだ。ということで、連休は蔵元も製造部も休んでなんかいない。今日は大阪からお越しいただく。

 お客様との出会いは本当にすばらしい。いろいろ感じるところがある。マダム曰く、「こうして競争ができる世の中というは、恵まれているのよ。」

 そういう考え方があるのだ。「平和だから、どこの酒がうまいとか、で競争できる。」という意味なんだろうなと、思ったが、ひねくれ者は、またぞろ考え始める。

 いったい日本人に正常な競争というものができるのだろうか、つねづね考えていたことだ。フェアな競争には、ルールとそれを破った者への制裁が確保されていないと成り立たない。またそういう社会制度を作るには教育と時間がかかる。何をやっても勝てば官軍式の意識が残存しているから、談合だの偽装だのが耐えないのではないか。アラン・グリーンスパンも法の支配と財産権の保護がないロシアの急な資本主義導入は失敗だったと書いている。どうも在来の日本人にとっては、経済上の競争と孫子流の総力戦を混同しているように思われてならない。談合か、生死を賭けてのつぶし合いのどちらかしかないというなら談合を選ぶ者が多いのは当然だろう。幸い日本人の意識も少々向上してきたかに見えるうえ、情報技術の発達が大きな影響を与えている。ランチェスター戦略を語る経営コンサルタントは多いが、戦争とビジネスの大きな違いがひとつある。直接相手の資源を攻撃して破壊または奪うことはできない。勝ち負けを決まるのはあくまで顧客だということだ。顧客は移り気で困ることもあるが、特に嗜好品の場合、安くて、知名度があるから選ばれるとは限らない。

 

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2008年2月10日 (日)

積雪

 正月も少し降ったが、久しぶりに雪が少し積もった。夕方には消えてしまったが、周囲の岡には残りそうだ。

 ここの年間平均気温は15.1℃、最高月平均気温26.4℃、最低月平均気温3.7℃、年間降水量1472mm。たしか瀬戸内式気候に分類されてたと思う。

 ついでに緯度を言うと、N34°9′35.54″。日本は少し、斜めに傾いているので、香川県の一部を除いた四国のすべてと、山口県の南部3割程度、そして九州全体よりも、緯度は北にある。

 なぜか和歌山=南国というイメージができあがってしまっているが、蜜柑、梅、桃と果実出荷額は全国一という、フルーツの県ということもあるかもしれない。古代律令制で近畿ではなく南海道に入れられていた、つまり五畿ではない。今でも大阪と和歌山市を結んでいる私鉄が「南海電鉄」で、海部郷や海草郡の南部という意味で、ここは「海南市」という行政区画になった。中国にも「海南島」はあるが、ほとんどベトナム北部に覆い被さっている。

 「南」にあるからイメージ云々は間違っているが、まだ少し言われることがある。それだけに頑張る力も湧いてくるのだ。

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2008年2月 9日 (土)

直径

 酒を搾って槽口から出てくるものは、「もろみ」から「酒粕」分を取り去ったもの、これを本当の原酒とすると、何とかしてしぼったままに近い酒を飲もうという努力と、いかに手間と時間をかけて練れた酒を飲もうかという努力を、我々が試みてきたかが解る。一方の現在の到達点が「活性にごり酒」、これは法的には清酒だが、実質は濁酒である。後者の到達点が古酒だろうが、洗練と繊細な技の追求が一夏越しの大吟醸で、また別次元の限界への挑戦を続けている。

 搾った後の濾過や滓引きという処理は、「うまい=原酒に近い香味」かつ「保存に耐える安定した品質」という分裂した要請の中で試行錯誤の中で技術開発が続けられたきた分野だろう。

 今日濾過の用具を話をしていたが、原酒から取り去るべき野生乳酸菌の一種、火落菌の直径は0.6~0.9マイクロメートル(μm)。1メートルの百万分の1×0.6~0.9ということは、1000分の1ミリの60~90%程度の大きさらしい。これを熱で殺す技術を錬磨してきたわけだが、当然濾過の段階で取っておければそれにこしたことはないだろう。火入れ温度、活性炭を使わないその他で、熱処理して生で出荷しない場合でもメリットは大きい。 一方、酵母菌の直径は、4~8マイクロメートル(μm)、中空糸繊維の濾過は、いろんな穴のサイズはあるが、酵母はカットできるが、火落菌までは保証できませんという、中間の穴サイズらしい。「精密濾過」レベルともいう。精密濾過で酵母はカットできても、火落菌はカットできないし、さらに小さい酵素、蛋白の粒子を、ゼラチンやタンニンで絡め取って大きい塊にして沈殿させようというのが、滓下げである。濾過だけで熱処理はしない生酒というのは、限外濾過というレベルの物が大手で発売されておいり、所謂「生ビール」とかはこういう処理をしている。これで火落菌もカットしてしまうから、安心して買える度合いは格段アップするが、穴のサイズが2~200ナノメートル、0.002~0.2マイクロメートル(μm)となる。そこから先は逆浸透膜の世界だ。

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2008年2月 7日 (木)

柿の木は虫除けになるのか

酒を搾って滓下げをするのに、通常柿渋とゼラチンを使う。一引き(いちびき)してタンクの底の粕分を下呑から抜き去ると一回目の濾過を行うが、その後一回は、この処理をするのが普通で、蛋白混濁を防ぎ、テリや日持ちを良くするのだ。今日は柿渋屋さんの来訪を受けた。社員が作業に掛かりきって居るとき、話を聞くのも仕事である。わからない奴に説明するのも大変だろうが、聞いてみると。

 近畿地方で柿渋屋が固まっているのが京都府南部の山城地方、それも山中だという。3社ばかりがんばっているらしいが、何でも天王柿という渋柿が好適、つまりタンニンが多い品種だそうで、その産地だそうな。何故産地化したかと言うと、宇治茶も歴史とともに宇治田原、和束と山中に栽培地が広がったのだが、茶畑に柿を植えると虫除けになるということで、柿が植えられていったという。ちょっと信じられなかったが、昔の百姓の智恵なわけだ。

 玉渋(たましぶ)というのは柿渋の液体製品で熟成されている。当社製品は力価170ですと言われても何のことかと聞くと、まぁタンニンの濃度と思ってください、ということだった。ググると反応力みたいな定義でまぁ薬学か化学の用語らしい。

 工程も長い。柿の実をつぶして、搾って、濾過して、プレートヒーターで殺菌、発酵タンクに入れ柿酵母を添加して発酵させる。5日程度で発酵は終了し、また火入れして搾る。これを8から9月に行い、貯蔵する。滓引きは冬までしないそうだが、また火入れして滓引きする。3年から5年貯蔵して調合しながら出荷する、か。(聞き書きで正確かどうか知らない)

 結構手間のかかる製品のようだ。酒は伝統の中で中間資材もまた洗練されたノウハウを蓄積しそれらを併せて製造法を完成させている。

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2008年2月 6日 (水)

米に自由市場は可能か

今年も早々と酒米の作付け面積の打診が始まった。来社した米屋さんに、割れやすかったということで、山田錦の栽培面積をどこはダウンだ、どこのは良かったからアップだとか要求し、特に本場産地からの入手ルート拡大をお願いした。

いったい米のような農業に自由市場は可能なのか疑問に感じる。流通だけとかなら自由市場的にできるかもしれないし、そういう流れだが、そもそも生産は種籾から始めてかなり前に作付面積を決めねばならない。いったん苗を植えたら、途中でやめることもないし、天候、災害で予定どおりに収穫されるわけでもない。少なくとも計画経済的なところは残るわけで、未だに価格に政治的影響が出ている。

何度聞いても理解しきらないが、19年度も米は40~50万トン余ったそうで、仮払金を60㎏当たり7000円まで切り込んだのに、参議院選挙で自民党が負けると、一転、政府米は買入量を44万トン増やし、60㎏当たり14300円の買取価格になったというから、政治価格でしかない。また余るのは目に見えているから、普通なら4月~6月に安くても売りに出てくるはずだと米屋氏は言う。ところが、衆議院選挙は、議長をやりたい首相が洞爺湖サミット以降に伸ばすはずだから、それまで米価が維持されないと自民党が選挙に負けてしまう。ではそれ以降まで在庫を抱えると、また新米が出てきてさらに余って、秋の価格は大変なことになるだろう、という読みらしい。中核となる専業農家に直接払いする構想は頓挫し、頭数が多い兼業農家を選挙対策のために優先せざるを得ないということらしい。それでは、経営の集約や生産性の向上は進まないから、日本の米農業は衰退の道をいくしかない。民主主義は頭数か。

 これが正しいのか、それだけでないのか、小規模な有機農業をしている人達のことや、酒蔵が自作田に合鴨を放ったりしている様子も頭に浮かぶが、今夜も考えはまとまらなかった。ただ、私は安く買おうとばかり考えているわけではない。どうせ他社も同じ価格で買うのだから。損のないように見ておく必要はあるが。

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2008年2月 2日 (土)

酒呑みであるということ

ちょっとした相談に来られた来られた人が気を遣って黒牛仕立ての梅酒を買って帰られた。「ああ、彼はあまり飲めなかったからな。」

それにしても、日本人の半分は下戸だそうで、酒業界でも、飲めない人も活躍している、いや反って、飲めないかほとんど飲まない人の方が、利き酒の成績もよさそうだし、有名杜氏に有名蔵元、有名酒販店と、そういうタイプが意外に多いのは知られた話だ。もちろん自他とも認める呑み助で利き酒チャンピオンの人もいる。

ではいったい利き酒能力とは何だろう。自分はなかなか実力が向上しないが、見た所では、鼻や舌の感度が半分、後は記憶力と表現力で、感じた感覚をきちんと受け止め整理して記憶できるかが能力という感じだ。慣れればメモを取る要領が良くなる。とは言え、普通利き酒は口に含んで吐くもので、多数の酒を一度に評価するにはこうするしかない。2合程度、温度を変えながら飲んで、翌日の残り具合まで含めて評価するのは、1晩1品づつになってしまう。毎晩2合ずつ20年飲んできたが、純米の方が体にいい、とか昨日も聞いたが、すごく説得力がある。

 あまり飲まないタイプで酒を商売にしている人はより香りに評価の比重があるようだが、しかしごつい山廃を酒を飲めない名杜氏が造るのだから、どうなっているのかわからない。いったい喉ごしとやらは、飲めない人間はどう評価するというのだ。

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2008年2月 1日 (金)

「山廃・生もと」とは

今日は売店に父娘と思われる日本酒ファンの方が駅から徒歩で来られた。1.5㎞コースだから、ここへ来るつもりでないと来られるはずもない。敬意はひょうすべきだろう。いちいち売店の来客者とお会いしているわけではないが、店番の女性から、「ここの蔵は速醸だけで山廃・生もとはやってないのですか」と聞かれていると内線が入ったので、のこのこ出て行くことになった。こりゃまた環境系か、本の読み過ぎか、○○あたりの酒屋に吹き込まれたか、まぁどんなものか聞いてみようというわけだ。ちょうど一息入れたい所だ。

 会って話してみると、要は山廃とか生もとというのを手造りの記号として受け取っているようで、速醸でもオッケー、本醸造も飲むよ、という、至ってノーマルな方だった。こちらから、自然の乳酸菌を活用して酸性環境を作りだす手法だとか、乳酸の製造方法、安全性の話やら、業界の実情だなんだを説明することになったが、これもトレーニングのうちである。正直に当社の実情と体制を話して納得してもらった。自分の感じでは喜んでいただいたようだ。やはり大抵の方は細かいことは知らない、イメージで飲んでおられるし、それはそれでいいんだろう。こっち側の者は厳しく勉強する必要があるが。

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2008年1月29日 (火)

リモート

温度計の計測値を携帯・PCに飛ばせるようにしたが、役に立っているのかというご質問もあった。代司の説明によれば、室へ行くタイミングが予測できるという。グラフを見ると結構直線的に温度上昇しているから、予定の品温に到達する時刻がわかるらしい。気になるくらいなら近くにいるから見に行くはずだ、というのはもっともだが。彼の自宅は2㎞離れている。出てくるか、蔵内の宿舎の空き部屋に時々泊まるパターンらしい。10分前に出れば着いた時には45度なら45度にちょうどなった所というわけだ。宿舎は5室あるが、季節で来ているのは現在杜氏を含めて3人、徐々に地元と替わってきているので、空き部屋がある。今年始めて地元が但馬を人数で上回った。

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2008年1月27日 (日)

ぬる燗

「ぬる燗」信仰のような物が酒ファンの間にはあるが、ベテラン専門店の店主さんから、一歩踏み込んだお話が聞けた。「低温から加温して40度になったぬる燗と、一旦50度以上の熱燗にして、それから温度低下したぬる燗は違う。後者が余計な香りも飛んで味もよりまろやかだし、加温中のぬる燗は香りもやや問題がある」、そうだ。

ついでに器は磁器で薄い、口が広がったものがいい。内側の模様はない方がいい、と。

たしかに燗冷ましはうまい。公式利き猪口の宇平を厚手にした飲み屋用の普及品や、そのミニサイズは広く利用されているが、空けるのに顔を上げる必要がある。朝顔型の猪口は器を傾けるだけで飲める。これもたしかにそうだ。あの蛇の目入りは利き酒用であって、飲むためにベストとは限らない、ということらしい。

まぁ好みと雰囲気なんだけど、とことんこだわるのもまさに好き勝手という所だけに、たまには器について考えてもいいだろう。 

加温中のぬる燗についても温度ムラ、対流、容器との接触等いろいろ影響もあるだろう。一旦充分加温されて酒器に移った方が問題は少なそうだ。

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2008年1月25日 (金)

デジタル温度計

麹の温度を計るデジタル温度計は充分普及しているが計測結果を携帯電話・PCから確認できるというものを導入した。なかなか自分から買ってくれとは蔵の人間は言わないものである。最大4本の計測状況を携帯電話で確認できるうえ、経過グラフも見ることができる。温度計も結構高いし、何やら不足していると聞いていたからで、4本の価格と機能なら試す価値ありとして、「こんなのいらんか」と現場に聞けば、ほしいというのは当たり前だったかもしれない。LAN設定と麹室周辺での電波状況改善のためにアンテナを追加する必要があったが、おかげで蔵の奥でもインターネットにもつながることになった。代司が携帯・PCから温度計をチェックできる。設定しておくと指定の温度になったらメールしてくれるらしい。

 通常合理化したとは言え吟醸造りになると麹の手入れに不規則な時間に蔵へ入らねばならない。こちらの立場から言えば少しでも全体の品質が上がればということである。鑑評会用だけ夜中に手入れしてくれとは頼んでいないのだ。

担当が今運用にいじって居るところだが、私のPCからも温度は見ることができる。ご丁寧にもブログと連携できるようになっているが、これは最近多い、蔵元が杜氏を兼ねる蔵の情報発信にも使えるようになっているのだ。

検索してみたがまだそういうブログはヒットしないが、麹の温度を語っているのは多い。そのうちでてくるのだろうが、私のような者にはできる感覚ではない。

 応用を考えるとかなり他の用途にも使えそうである。水温を離れた所で常時チェックできるとか、甘酒の保温とか、製品庫の保管温度とかをリモートで監視できる。さすがに瓶燗とかは離れていてはできないので関係ないだろうが、普通の温度計にも使えるから。また販売店へ行って今の麹の品温は何度ですとか、話のネタには使えるだろう。

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2008年1月24日 (木)

ビール離れ

そのうちそういうことを言い出す人がでてくるんじゃないか、と前から思っていたのだが。

酒文化研究所」の最新の市場分析を読むと、あらゆる業態で酒類を扱う中ではビールへの依存度を下げたいと考えているというのだ。要はあまりに儲からなさすぎるからで、トップメーカー2社以外は問屋から居酒屋までみんな顧客がほしがるから置いているとか、客寄せ商材としか考えられなくなるというわけである。酒販免許場があふれてしまえば客寄せ効果もなくなってしまう。メーカーとマスコミで消費者にイメージを植え付けて需要を創り出すというモデルはたしかに成功しきったのだろうが、こんな状態では扱う者が良いように言うはずもない。消費者が飲みたいといってもできたら他のものを買ってほしいと扱っている人間がみんな考えるならこのパターンもゆらぎ始めるはずである。テレビで酒類の需要を煽るコマーシャルはヨーロッパあたりでは禁止されていると聞いたが本当だろうか。そういう規制はおそらく強くなってくるはずなので、公共の電波や交通機関への看板規制などが進むと、消費者への働きかけの手段のウエイトが変わり、大変な変化を引き起こしそうな気がする。

残念だが並清酒は最悪の引き立て役になって余計需要を失ってきた。生ビールの原価率が飲み屋で高すぎる分を埋め合わせるために、燗酒に高率の利益を乗せて売られたためだ。正直それなら甲類焼酎にも負けるだろう。何が起こっても、これでは清酒には需要は戻ってこない。

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2008年1月19日 (土)

高温障害

農家との去年の米づくりについて話す。

夏の気温が高すぎると、米の出穂時期には特にそうだが、品質にダメージがでる。残念だが地元はその悪影響が大きかった。対策は田植え時期を早くしてしまうのも一手らしいが、地区での用水の順番等ですべて自由になるわけではない。早稲品種の方が晩生品種よりも高温障害の影響がでやすい。晩生に変えてしまうというのも手だろう。早稲品種は積算気温で出穂する。晩生は日照時間の変化で出穂するものらしい。早く植えて早く刈ったとして、自然乾燥した場合でもその時期暑すぎると過乾燥で、米が割れてしまう。洗うと割れてしまうとか、いろいろ問題が出るわけである。

地元の米で作る本当の地酒といのも、言葉はきれいだが、実際品質だけ考えるならややトレードオフの部分を含む。しかし酒づくりはマインドの部分も大きい。結局今年は、地元からの買い付け量は削減になる。特に産地を指定しない部分には、はっきり言って他県の主産地のしっかりした原料を買った方がコストパフォーマンスはいい。ちょっと地元に甘すぎたかとも思うのだ。

しかし、地元産米のアイテムは続けるし、ある種の攻勢も用意しているつもりだ。短気な反応ではないことをよく説明しなくてはならない。次の飛躍のために一時削減するのだ。

このように地球温暖化は酒造業界に大きな影響を与えそうなのである。

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2008年1月16日 (水)

表示に関する研修会

この数日間で少なくとも近畿地方の清酒製造業者は国税局の表示に関する研修会を受けているはずだ。去年は食品関係企業が大きく信頼を失った年で、斯界での不祥事を予防というか警告する意味だろう。何しろコンプライアンスと簡単に言うが細かい所まできっちりやろうとなると大変である。昨日の研修で特に重視されていたのは、製造年月の表示と戻入の処理であろう。今後の検査ではそれを調べるからきちんとしろというわけだ。感触では業者間の未納税取引、それも瓶に入った状態で仕入れる物に引っかかってるようだ。普通酒と特定名称酒で扱いが違う所もあってややこしいが、税務署も視点が変わってきたようで、三増酒を清酒からはずしせめて二増酒(米が原料の過半)にしろという改正を一昨年実施したのは醸造法を制定しろとか純米酒だけを清酒にしろと言われるむきには不満足な見直しだろうが、大きな方向転換には違いないだろう。

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2008年1月11日 (金)

どぶろく

「どぶろくの造り方教えて下さい。」

随分、簡単にまたあっけらかんと聞くなぁ。有機農家の青年が聞いてくれるのだが。第一酒造家なんだから、正規の製造法しかやってないし、それも杜氏と製造部員に委ねるのをよしとする姿勢の蔵なので、私は細かい所まではできそうにない。

「取りあえず、本貸してあげるよ。」

 最近読んだ「発酵道」(五人娘の蔵元、寺田啓佐氏著、河出書房)にはけっこうわかりやすい製法が書いてあった。わかりやすいのだが、いきなり野生の乳酸菌で菩提もと類似のものを家庭で作ろうという大胆というか難易度の高い、よく言えばパーフェクトなどぶろくである。いきなり月へロケットを送るよりはまず人工衛星をいくつか打ち上げて周回軌道上で探査船を組み立てた方がいいよな、と読んで思ったものだ。最初は乾燥麹とか市販の生酒とかも活用した方がいいんじゃないか。もし、餅つき用の蒸籠で白米を蒸して、本生か、活性にごりの酒と水を加えた時、どれくらいの増量なら腐造しないのだろう。これが最も簡単な地酒キットだろうが、私が試すわけにもいかない。

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2008年1月10日 (木)

濾過の新方法

活性炭濾過が一般的だった時代が中空繊維の普及で様相が変わり始めた。当社も仕込み水の濾過に使用していたものを、酒に利用するテストを行っている。

 通常は、上槽後まずタンクに移された原酒をしばらく静置して下呑(タンクの底近くに普通2つ口が上下に配置されている。その下側の呑み口)から滓(沈殿した粕分)を取り去るが、これを「いちびき」と言う。その後、出荷のための火入れまでの間、まず濾過する。タンクでの火入れをした後、滓下げを行い、仕上げ濾過して、また瓶詰め前に仕上げ濾過して、また火入れして詰め口する。書いていてもこれほど何度も濾過や火入れを行うのかと思うが、出来るだけ搾った状態に近いものを求める欲求が、瓶燗急冷であったり、活性炭不使用であったり、そもそも生酒もその最たる手段であるが、特殊な工程の製品を普及させてきたわけである。

 濾過についても活性炭を使用しないで小さな穴を通すという、新しい手段が出始めているという訳である。中空糸膜とは、濾過機能を持つ繊維で、ストロー状の繊維の壁面に特殊なスリット状の超微細孔があり、これで精密濾過を行うわけで、穴の大きさを選ぶことができるので、可能な限りうまみや香りを残したいのと火落ち菌汚染をできるだけ防止したいという相反する目的についてのスタンスに応じて、穴のサイズを選ぶことになる。例えば仕込み水の濾過は、穴がいくら小さくても酒の味に影響があるわけでもないので、できるだけ小さい穴のものを選ぶ。酒となるとそうはいかない。

  三菱レイヨンのサイトによれば、ポリプロピレンやポリエチレンを150度から200度に溶かして特殊な紡糸口金でマカロニ状の糸を紡ぐ。それを何かに巻き取った後で、繊維の壁にスリット状の孔を空けるそうだ。これをいくつかの速度の違うローラーに掛けて伸ばす時に、微妙な速度差と延伸力で、スリット状の超微細孔を持つ中空糸膜ができるというわけだ。この製法は薬品を使用しないで孔を空けるため、安全で クリーンな膜ができあがるとか。高度な検査により、規定以上の大きさの孔が空いていないかをコンピュータでチェックした後、出荷します、か。

 いわゆる限外濾過膜となるともっと小さい穴になり、缶入り生ビールはこれで処理されている。こちらは精密濾過という程度で、酵母菌より穴は大きく、これを通した生酒も酵母、蛋白等は残っている。

 だから滓下げは必要だというわけであるが、聞いているとメーカーによっては滓下げもやめてしまう所があるらしい。酒づくり万流は細かい所に及ぶ。

 

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2008年1月 5日 (土)

松尾大社

今年も京都の松尾大社に詣でる。正月これだけは毎年かかさない。拝殿前の境内では「樽占い」をやっていたが、これは去年もあっただろうか。要は射的で空の樽に向かって遊技用の矢を射て底に当たれば大吉というわけだ。300円。神社の制服というか装束を着ているから神社がやってるのだろうが、はて、初見だった。

毎年、「お酒の資料館」も立ち寄るのだが、当社も含めて奉納した酒造用具を飾っている。内容が少しずつ増えてくるからおもしろいのだ。もちろん入館無料である。一段低い場所にあって、出店の影に隠れているので気づかない人が多いかもしれないが、参拝される方はぜひ立ち寄ってもらいたい。

昨年、当社も類焼で一部資料が焼けたので、機会があれば器物は分散しておいた方がいいとより思うようになった。災害、倒産等で当社の資料館が失われても、こういう所へ奉納しておいたものくらいは、より長期に残る可能性がある。災難に遭って、かえってケチの度合いが薄まったのは、ありがたいことだ。

Img_2457

 

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2008年1月 3日 (木)

発泡にごり酒 2号

 年頭に発泡にごり酒の開封試験を実施した。一昨年の年末初めて試した時は7割近くが噴きこぼれたのだが、「今度はにごり分を少なくしましたからそう飛ばないでしょう」という、怪しい前ぶれで瓶が持ち込まれている。どうせ純米の上槽前のもろみを上からすくったのだろうが、できるだけ上澄み部分を集めたのか、枠をタンクに沈めて下からにじみ出た部分をすくったか、それは後で聞くとしよう。こちらは去年で懲りているから屋外で、洗ったボウルに瓶も洗った状態で静置した。デジカメを据えて連続撮影モードを試す。高知かどこかで飛んだ栓で目に怪我をしたらしいからね。Img_24512

 横から軽く栓を押し上げようとした(上から覗いてはいけない)だけで、ポンと栓は飛び屋根より高く飛んでいった。シャッター押してない、とあわててカメラに戻る。噴出は少しタイムラグがあるので、貴重な映像?が取れた。今度は前講釈にふさわしく2合程度の噴き出しで、すべてボウルに回収できた。栓は見あたらないからホイルで封したので、ほぼ完全に回収できたのが確認できるだろう。

 この炭酸ガスと濾過も何もしていない香味の強さのインパクトが一部強い支持を得ているのは知っているが、もし室内で栓の飛んだ先に蛍光灯があったら割れている。栓をふきんで覆って開封動作にかかればいいが、すぐのけないと噴いた原酒でふきんが濡れてその分は飲めない。ボウルの中に置くアイデアは正解だったが、総合判定では、やはり商品化は無理という結論だった。こっそり数本というのが精一杯だろうか。1桶全てをこういう製品に使うには粕分が多すぎる。何らかのかたちで一部分離して、粕分の一部を戻すのがいいだろう。ただし、もう少しにごり分は今日より少なくていい。結局うすにごりに近いものが当社としては限界という感じだ。やってるメーカーさんを批判するつもりは毛頭ないのでご了承されたい。Img_2455

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2008年1月 2日 (水)

容器包装リサイクル法

新年明けましておめでとうございます。

営業は7日からですが、蔵横の売店は4日(金)10時から開業です。今年もよろしくお願い申し上げます。

パソコンでニュースを見てるとこれはもう地球温暖化待ったなしだと年頭に思うのでした。脇に積んである書類の中から休み中だったが「容器包装リサイクル法」に基づく平成20年度再商品化義務の履行に伴う(財)日本容器包装リサイクル協会への委託申込というのをやってしまうことにした。地酒メーカーも使用している瓶、箱等の包装容器の量に応じてリサイクルした資源の再商品化の費用を分担する義務を負うのだ。

すごいな、と思ったのは、元旦でもインターネットで申込み出来てしまうことだった。ここの(財)はネット対応がよろしい。早く印鑑証明や住民票、証明付きの登記簿謄本なんかもネットで取れるようにしてほしい。

当社はきちんと委託契約しているが、聞いているとしてない会社もあるらしい。申告してない所をきちんと指導とかしているのかと疑問に思う。もしそうなら不公平、取れるところから取ってるだけじゃないか。

しかも、年商2億4千万円以下は義務なしなんて、私に言わせるとおかしい。すべての業者が料率は変えてでも一定の負担はすべきだと思う。出荷する商品の構成にもよるが、年商2億4千万というのは、地酒メーカーではかなり高い水準の足きりで、過半のメーカーがそれ以下に相違ない。

 ちなみに、瓶でいうとリサイクルというのは、いったんカレット化して溶かしてもう一度瓶を作る(再商品化)ということで、瓶をそのまま洗ってもう一度使うのは、リユース(再使用)で当然こちらの方が環境負荷は少ない。これにも取り組むのが望ましいが、なかなか難しい現実がある。これについてはまた触れたい。

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2007年12月31日 (月)

歳末商戦に想う

 一応配達すべきは終え、日曜とは言え歳末なら普通は販売店は開いているので、挨拶廻りということで出かけた。郊外幹線道路沿いに車で買い物に行くというライフスタイルが定着して、町中の販売店は非常に分が悪くなった。飲食店に重点を置いた店は別ジャンルとして。郊外でも、スーパー、ドラッグが酒専門の郊外店(DSという言葉は定義がはっきりしなくなったので使わない)を圧迫している。とは言え、スーパー相手に善戦している所も多く、当然そっちの方が酒の品揃えが深い。駐車場に順番待ちの車の列ができているが、和歌山ではまず見ない。どうしても周辺人口で差を感じてしまう。店内の棚を見ていて、地酒も少し扱い意欲が戻りつつあるかなという感じがした(焼酎と比べて)。紙パック清酒がやや減って、量産タイプのメーカーも特定名称、それも純米酒市場に力を入れだしているのがわかる。当然、競争も熾烈になってくるが、ストレスは避けられないものと諦めよう。またやる気のあるメーカーも限られつつあるように見られた。販売店側も多店舗化、広域化してくるのにつれて、地元市場というのがやや広くなりだしている感じで、これも競争を激化させる要素だ。とにかく賑やかなのはいいことだ。

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2007年12月25日 (火)

業務店市場の重力

当然と言えば当然ながら、この12月は配達を手伝ったりでブログ更新の頻度は落ちる。ついでに店頭を見て廻るが店主も忙しい時節だからあまり話しもできないが、地元市場に張り付く季節だ。今日は価格設定についてだ。容量サイズ間の価格比が大きくゆがめられていることに興味を持った。

 理屈で考えると製品1ml当たりの価格は1.8L瓶が一番安いはずである。資材や詰口の効率から考えると720ml瓶は1.8L瓶より割高でしかるべきである。中身が40%しか入っていないが、価格は45%から50%というところが相場だろう。当社の火入れ純米で49.0%である。容量比例価格の22.5%増しである。300mlとなると、中身は6分の1でも18.4%、容量比例価格より約10%高くなっている。180mlカップは、1.8L瓶の10分の1の中身が10.6%でしかない。6%高いだけ、つまり小容量ほどお買い得になってしまっているのだ。これはカップ4本より4合瓶が高いことを意味する。他社製品ではもっとすごいねじれを生じているのもあった。180mlミニ瓶サイズ10本が1.8L瓶より安いのだ。当社より1.8L瓶は5%程度高いのに、300mlは当社より6.7%安い。買いやすくするのが目的というよりは、これは明かに業務店市場からの圧力の受け方の度合いだろうと思った。当社もそろそろ見直さないといけないかもしれない。県外専門店にウエイトのある蔵ではこういう設定にはなっていない。カップが当社より15%高いが、ある意味これが正常なのだ。理屈をつけようと考えると、小容量ほど品質保持が困難であり着色しやすいから安くてよいとかも言えるかもしれない。品質管理が充分できるには720mlまでだというマニアも多い。

 

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2007年12月15日 (土)

和魂洋才

大阪のリーガロイヤルホテルは、和魂洋才と題して、日本酒とフランス料理のマッチングをテーマにディナー会みたいな企画を続けている。近畿清酒青年協議会(近畿の蔵元の青年部みたいなものだが)と提携して各県回り持ちで毎回2蔵がお酒を持ち込んで会食に加わり、お酒の説明をする企画である。久しぶりの当番にあたって参加すると、ロングテーブルで20人程度だったのが、4つの円卓で規模倍増となっていた。タワーウイングの28階でシャンボールというレストランの別室で、窓からの夜景もすばらしいものだ。特に冬は視界もいい。

ここ以外はイベント参加というと地酒専門酒販店、酒関係のマスコミ、地酒ファンクラブ主催で納入先か会員の銘酒居酒屋とか酒販店の倉庫、直営飲食店が会場で、客層がどうこうより興味の対象がまるで違う。もちろん商売関係なしの地元の会合でお酒を使ってくれる場もあるが。

 ここではマニア的な製造技術や利き酒内容への深いこだわりはあまりない。もちろん関心を持ってくれているから参加されているわけだが、蔵所在地域の地理、文化、銘柄の由来だとかの話題の方が受けるようだ。こういう余裕のある層への対応を清酒業界は自ら放棄してきた感がある。硬派的イメージや庶民性の重視もいいが、成功や余裕を実感する記念消費的部分をワインに委ねてしまった。何と需要振興の機会をソムリエにおすがりしているようではいけないと思う。

 サラリーマンでも専門職業でも上層に属すると自分で考える人々が、清酒を嗜むよりはワインに凝るのが望ましいなどと思わせてはならない。国際ビジネスで活躍するのだからワインの教養も必要だとか、海外で仕事をしていた時に実際飲んでいたという至極もっともな理屈もあるのだが、日本人が自国の文化的産物を下等に観させてはなるまい。清酒業界は需要振興の方針についてもう少し幅をひろげないといけないだろう。逆に海外では本物の日本酒について需要が高まっているのだから。

 

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2007年12月14日 (金)

「はかり売り」の限界

販売店の店頭にタンクをおいて、その場で瓶詰めして売るスタイル、「量り売り」と呼ぶやり方がいっときミニブームだった。販売店としては、少しでも加工度を持たせて付加価値をつけようとしたもので、安定出荷先を確保したいメーカーと利害は一致したかのように見えた。これを多数店、展開しようとしたメーカーも出現したのだが、最近そう動静は聞こえてこなくなった。

当社も1件に限り対応したが、とても増やせるものではなかった。オリジナルラベルを販売店が1枚単位で対応するという所ではうまくいっているようだ。これは蔵ではさすがにやらない。

 でタンクの清掃や品質管理への手間が思いの外かかることに販売店側も気がついてくれたのはありがたいことで、メーカーも大変なのだという理解が深まる結果となった。でももう1件やるのはお断りである。

 焼酎の方が管理が簡単でこの分野でも清酒をしのいでいるのはおもしろくないが、大きな流れにはなれないと見ている。なぜなら消費者が割安感を求めたとしても必ずしも安くないし、ブランド化は製造場でない限りむずかしい。差別化の主流は、力のある販売店が蔵へ行ってタンクごと前渡しする等で押さえてしまうやり方だが、これも蔵が自分で売る自信があれば受け容れない話なので、大きな制約がつくからだ。所詮は綱引きだが、それぞれの方針でやるしかあるまい。

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2007年12月12日 (水)

新橋でウインドウショッピング

JR新橋駅前にヤマダ電機ができて大喜びで見に行ったが、周辺をぶらつくと、最近は質屋でも酒や焼酎を売っているのに仰天した。本来は時計やバッグのブランド品を売ってる、何となくわくわくする歓楽街には必要な業種である。前の通りでは外国系マッサージ屋の呼び込みがたむろしている。いわゆるプレミア銘柄だけ売るノリなのだろうが、それにしても微妙な、品揃えだった。どういう経緯とルートでそこに並んでいるのかが興味をそそる。販売免許の自由化がこの光景を創り出したわけだが、はたしてこれでよかったのだろうか。近所の百年以上続いたお店は賃貸して建て替えられパチスロになってしまった。

それにしてもトップ(私の評価がではない、価格が)銘柄どおしの比較では、いまや焼酎は清酒のざっと3倍である。これが続くとも思えないが、どうせなら蔵で出荷価格を上げてしまえばいいだろうに。

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2007年12月10日 (月)

生ひね酒はお湯割りで

「生ひね」香については、最近一時ほど嫌われなくなった。一時はこれがわかることが通の資格だと書かかれていたこともある。今でもやっぱり苦手だという方も多いが、そういう業界人は、実際にはあまり飲まないが仕事でテイスティングする人に多いという印象がある。それはさておき、ちょっときてるなという生酒はお湯割りにするとよい、というご示唆を大ベテランの専門店の方から教えていただいた。店頭で試すと、たしかにいい感じに薄まる。燗にするのと、お湯割りにするのはちょっと違う。濃度を落としてしまうのだから。まぁいろいろ試して見るのが、生活の、いや酒飲みの智恵というものだろう。

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2007年12月 8日 (土)

講話会資料を読む

今年も出席できなかったなぁ。

毎年12月初旬、酒造組合連合会(県)まで国税局の鑑定官が来られて、業界の状況とか酒質の傾向とかを講話される。社員は出席させたが、蔵元も大抵出席させる習わしであり、日程上というと、それより優先させるような日程を作ったことの見識が問われるわけだが、いずれにせよ欠席した。

資料が翌日手元に来るが、全国市販酒類調査の結果を読む。普通酒は無視して純米酒等の特定名称酒では、アルコール分は年々低下傾向にあったが、ここ数年は横ばい推移、吟醸酒はやや高くなる傾向、とある。小売価格を抑えるため15度台にする吟醸が減って、一応品質上ベストとされる16度台の出荷が定着したかもしれない。

酸度だが、純米はやや高くなる傾向。「きれい」よりは「飲みごたえ」を評価するマニアや呑み助の意見がちょっと強くなってきたか?

アミノ酸度は、純米が他のカテゴリーに比べてやや高いようだが、考えれば当然だ。今年は低下とある。ちょっとすっきり気味か?

甘辛度は、純米で辛い方向へ変化してきているようだ。濃淡度はどんどん濃い方向へ変化している。特に純米で。

つまりやっぱり飲み応え重視化が出ているようだ。

吟醸の香気成分では、リンゴ様の芳香のあるカプロン酸エチルが年々増加する傾向にあるという。例の酵母の普及だろうか。みんな売れるために対策をとっているのだろう。カプカプしてるとか文句言ってる人も多いに違いない。