今朝羽田から関西まで飛んだ。雲の上を飛んでいる間は寝ていたが、高度を落とし始めた頃外を見ると晴れ間が広がって、もう和歌山県内、有田川上流域だった。旧の花園村の森の緑が濃い。あれが久木で、あそこが梁瀬とあちこちの集落や町を眺めながら、あっという間に海南近くまで飛んでくる。自分の蔵の前の道路を通る自動車を確認できたので地上観察を打ち切った。目だけはいいんだ。
その午後、さっき上空から見ていた清水(有田郡有田川町の東奥)の久野原の米農家さんが家族で訪ねてきてくれた。農閑期に養蜂の手伝いをしてらっしゃるとのことで、県内のミカン蜜でできたという蜂蜜をひと瓶いただく。しばらく朝食のパターンが固まりそうだ。
さて、そんな彼の話では、天候不順で今年はカメムシが多く、粒も小さい目らしい。これからかーっと照り続ければ改復するのかどうか。
昔もっと涼しくて肥料を多く使わなかった時代はカメムシは少なかったとか。茎や葉がゆっくり伸びると堅いから虫は食えない。肥料で勢いよく伸びるから軟らかくて食べにくると。気候温暖化で虫が越冬する?とか、よくわからないが気候の変化はあるんだろうなという話だった。
できるだけ有機肥料を使った自分の家族に食べさせたい食用米を作ってもいらっしゃる。完全有機はリン酸とカリが足らなくて無理だという判断のようで、頼まれた田を2ヘクタールほど栽培されている。そのうち酒米4.5反はいい場所の田だそうで、蔵としては助かります、と言うと、ヤマヒカリや早生品種から稲刈りになるが、ずっと稲刈りばっかりやってるとやっぱり疲れてくるそうで、最後の方で晩稲の酒米を刈るのは平場の整った田でやりたい、ということだった。
収量は反6俵か7俵までに抑えるのが一番いい、飯米でも味が濃くて旨みがあるとのこと。酒米は味はうすい方がいいが粒は大きい方がよく、収量を抑える方がいいのは意見の一致するところだ。ただ経営的には大変だろうに。いや田の維持が主な目的ですから。?思うに、小作料がいらないという背景もあるだろう。
稲刈りとかを切り上げたらまた蜂を追う。
兄弟で建設業をされていたけど自分は外で出られたそうで、まったく時代の流れそのものみたいだが、田は耕作を頼みにきてくれるし、何だか販売もネットとかでもなく電話中心で結構好調のようで、けっこう楽しそうだった。酒米に習熟されることと、今年の作柄の挽回を期待しよう。
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